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時代と戦え!「ジョイメカファイト」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ!」(1/2 ページ)

ゲイムマンです。レトロゲーム記事に多くのおたよりやリクエストをいただき、ありがとうございます。今回取り上げるゲームは、ペンネーム・グミグミさんのリクエストで、ファミコンの対戦格闘ゲーム「ジョイメカファイト」(任天堂)です。

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武道館と格闘技とテレビゲーム

 日本武道館にやってきた。

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晴れてて景色は良いけど暑い

 武道館とテレビゲームとのかかわりは、意外と深い。

 かつて、伝説のマンガ「ゲームセンターあらし」の舞台となったことがある。

 ゲームの腕以外に何のとりえもない少年・石野あらしが、さまざまな“ゲーム戦士”と対決するこのマンガは、昭和50年代中盤、コロコロコミックの人気連載だった。

 「月面宙返り」「炎のコマ」などの派手な必殺技で有名なマンガだが、戦いの舞台がむやみに壮大だったのも印象深い。

 のちに世界の危機を何度も救うことになるあらしにとって、日本武道館は小さなステージだったかもしれない。だが、「あらしVS小学校の担任の先生」というカードで、1万4千人入る武道館が満杯になるという描写は、十分に大きなスケールだといえよう。

 また1995年には、某ゲーム誌主催の「ゲームの殿堂」というイベントが、ここ武道館で開催されている。

 初日は現在の東京ゲームショウのような、各メーカーの新作が展示される催しで、2日目は有名アーティストが多数出演するライブイベントという構成だった。

 実は、初日のイベントの中で行なわれた「ゲーム王決定戦」に、私も出場したいと思い、担当者さんに直訴したことがある。

 しかし、有名人限定のゲーム大会だったため、当然ながら断られた。

 その担当者さんはまだこの業界にいらっしゃるので、こうして武道館を眺めていると、当時ご迷惑をおかけしたことを、謝りたい気持ちがふつふつと。

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「てっぺんに金色のスライムがいる」というネタもありがち

 このように武道館とゲームには深いかかわりがあるのだが、もっと武道館とかかわりが深いのが格闘技である。

 考えてみれば、もともと東京オリンピックの柔道会場として造られた建物だから、当然の話だが。

 「ゲームセンターあらし」に武道館が出てきたときにも、「アントニオ猪木や具志堅用高が死闘を演じたここ武道館」と説明されているが、私の印象に残っているのはもう少し後の時代で、ジャイアント馬場さんがご健在だった頃の全日本プロレスである。

 当時の全日本プロレスでは、シリーズを締めくくるビッグマッチといえば武道館であった。チャンピオンカーニバルや年末の最強タッグの決勝戦。そしてもちろん三冠ヘビー級選手権。

 そんな格闘技の殿堂で、対戦格闘ゲームブームに思いをはせる。

 1991年、ゲームセンターに登場した「ストリートファイターII」が火付け役となって、大きなキャラクターが1対1で戦う、対戦格闘ゲームがブームとなったのだ。

 「ストリートファイターII」は1992年、スーパーファミコンに移植。国内だけでも288万本を売り上げる大ヒットとなり、家庭用ゲーム機ユーザーにも、対戦格闘ゲームが浸透した。

 「ストリートファイターII」以降、「餓狼伝説」「ワールドヒーローズ」「バーチャファイター」「鉄拳」など、数多くの対戦格闘ゲームが発売された。「ジョイメカファイト」も、そうした格闘ゲームの1つだ。

 発売は1993年。機種は何と初代ファミコンである。

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最後のファミコンソフトが出たのは1994年。「ジョイメカファイト」が発売されたのはそのわずか1年前だ

 1993年といえば、スーパーファミコンの全盛期。しかも翌1994年には、プレイステーションやセガサターンなども発売される。3DO、PC-FXやジャガーも含めて、業界の興味は、スーパーファミコンのさらに上を行く“次世代ゲーム機”に移りつつあった。

 そんな時代のファミコンゲームなのだ。

 ファミコンの性能で、大きなキャラクターをスムーズに動かすのは難しい。そこでこのゲームでは、大胆な工夫を行なっている。

 キャラクターの腕や脚を省略し、頭・胴体・手・足先だけを表示させたのだ。

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写真で見るとわかりづらいかもしれないが、いざ動かしてみると、これがちゃんと手足として認識できるように動く。

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