一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part1:概要編(3/3 ページ)
次世代機では、どうやらHDTVと5.1chサラウンドのサポートが主流になる模様。しかし、現行機にもHDTVや5.1chサラウンドに対応したゲームがあるのをご存じだろうか。現行機でちょっとだけ次世代機の気分を先取りしてみませんか?
狙い目は6万円台のミドルクラス
家庭で5.1chサラウンドを実現するのに最も手軽な方法は、AVアンプと5.1ch分のスピーカーがセットになった「ホームシアターシステム」を購入することだ。このような完結型製品の方が、セッティングや音質調整で戸惑うことも少ないし、別々に買い揃えるよりも少ない予算で済む。
ポイントは、光デジタル音声入力端子がなるべく多いものを選ぶこと。ホームシアターシステムを導入したら、ゲームだけでなく、DVDやデジタル放送のサラウンド音声も楽しみたいと思うだろうから、多くの機器をデジタル接続できる方が理想的だ。もし、複数のゲーム機を持っているなら、なおのことだろう。
内蔵のデコーダーについては、現行の製品なら主要なサラウンドフォーマットにはすべて対応しているはずなので、あまり神経質にならなくても大丈夫だ。ただし、将来的に6.1chや7.1chへの拡張を視野に入れるなら、「ドルビーデジタルEX」や「DTS-ES」に対応したものを選んでおきたい。
なお、「ドルビープロロジックII」のデコーダーはどの製品にも搭載されているが、その上位規格にあたる「ドルビープロロジックII x」には「Gameモード」があることにも注目したい(一部だが、プロロジックIIでGameモードを搭載した製品もある)。これは、プロロジックIIでエンコードされたゲームサウンドを5.1chにマトリックスデコードする際、サラウンドチャンネルの低音成分もサブウーファーに送り込むことで、低音の演出効果を高めたモードだ。ゲームを目的にホームシアターシステムを購入するなら、このあたりにもこだわって選びたい。
あとは予算に応じて――ということになるかと思うが、筆者のオススメは、4万円前後のエントリークラスよりワンランク上のミドルクラス。価格帯にして、6〜7万円あたりの製品だ。このクラスになると、音質的にも安定していて、ゲーム以外の用途に使う場合にも高い満足感が得られる。
デノンの「DHT-M730」。フロント/サラウンドのスピーカーがフロアタイプで設置しやすいことと、「ドルビーデジタルEX」「DTS-ES」「ドルビープロロジックII x」などのデコーダーを搭載していることがポイント。光デジタル入力は3系統。音質傾向は、高音から低音までゆとりのある鳴り方で、やわらかく落ち着きのある印象。実売価格は6万3000円程度。
ヤマハの「スリムシステム80 System Plan 5.1compact」。付属のAVアンプは、総合最大出力500Wとパワフルで、「ドルビーデジタル」「DTS」「ドルビープロロジックII x」などのデコーダーを搭載。光デジタル入力は3系統。全スピーカー(サブウーファーを除く)が2ウェイ3スピーカー構造で、再生レンジの広さが特徴。特に高音域の伸びが良く、耳に心地よく響く。実売価格は6万3000円程度。
オンキヨーの「BASE-V20X」。全スピーカーが手作業によるリアルウッド突き板仕上げという贅沢な作りで、量感のある音を奏でる。主な搭載デコーダーは、「ドルビーデジタル」「DTS」「ドルビープロロジックII」など。光デジタル入力は3系統。実売価格は6万7000円程度。
さて、今回はHDTVと5.1chサラウンドの解説から始めたが、次回からはいよいよ本題に入って、HDTVや5.1chサラウンド環境でゲームをプレイするための接続・設定方法や、対応ソフトを取り上げよう。中には、びっくりするような変貌を遂げるソフトも登場するので、どうぞお楽しみに。
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