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自由の終焉と暗黒の始まり――自らの手でサーガを完結させよ(2/3 ページ)

“スター・ウォーズのゲームに駄作なし”。映画の評価もさることながら、ゲームの分野でもスター・ウォーズはファンを裏切ることはなかった。「出撃! ローグ中隊」や「ギャラクティック・バトルグラウンド」など、コンシューマー、パソコンを問わず、幾多の良作をリリースしてきた伝統は、今回も健在だ。

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ジェダイの騎士になるという夢の実現

 本作の魅力は、そのものずばり“ジェダイになれる”ことだ。

 一度でも映画を見た人なら、彼らの優美で力強いアクションが鮮明に記憶に残っていることだろう。ライトセーバーを振るい、フォースを使い、超人的な運動能力を発揮して正義を護る高貴な騎士たち。それは、ある世代の、とくに男性にとっては、ひとつの憧れですらある。

 新シリーズの第1作「ファントム・メナス」の撮影中、オビ=ワン・ケノービ役に抜擢されたユアン・マクレガーは、自分用に作られたライトセーバーに他人が触ったとき、「触るな! それは僕のライトセーバーだ」と猛烈に怒ったらしいが、それもうなずける。

 突き詰めれば子供の“ごっこ遊び”と同じなのかもしれないが、その子供の夢にあこがれる大人は決して少なくない。このゲーム版は、それをかなえることに、最大限、そして細心の注意が払われている。

 また本作では、ジェダイの特殊能力として、大きく10種類の技が用意されている。このうち5種類がフォースを使った攻撃でこれを「フォースパワー」、残り5種類が身体技能を用いる技でこちらを「コンバットスキル」と呼ぶ。

 フォースの波動で敵を吹き飛ばすフォース・プッシュ。ターゲットをつかんで宙に引きずり上げるフォース・グラスプ。ライトセーバーを投げて軌道上にある物体にダメージを与えるセーバースロー……などなど。いずれも映画でよく見かける攻撃方法だろう。

 そしてこれらの技と、ガードや回り込みなどの通常のアクションを組み合わせ、ミッションをクリアしていくのである。

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フォースの暗黒面に堕ちた者だけが使える「ライトニング」。ゲーム中盤になると、アナキンはこの技を習得するようになる。映画に忠実で、かつ悲しい設定だ

 難易度設定は、イージー、ノーマル、ハードの3段階があるが、ノーマルの場合でも、アクションゲームとしての難易度はさほど高くない。ただ、それはジェダイの技に習熟していることが条件となる。

 例を挙げると、フォースパワーのひとつに、フォースを消費して体力を回復するフォースヒールという技がある。1対多数の戦いをする本作において、このスキルをマスターしていることがどれだけ大きいかは、簡単に予想がつくだろう。

 それだけにこのスキルをマスターしているかどうかは、難易度に大きな影響を与える。マニュアルにはちゃんと書いてあるし、画面にも説明が出るのだが、このあたりをいい加減に読み飛ばすと、押し寄せる敵に体力を削られ、ゲームオーバーになってしまうのは間違いない。

 序盤はともかく、ストーリーモード中盤以降になると、厄介な動きをしたり、強力な一撃を持っていたりする敵がどんどん出てくるので、ひとつひとつの技の特性や使い方を覚えていないと、太刀打ちできない。映画同様、ジェダイには修行が不可欠なのである。

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フォースやライトセーバーは、戦闘だけではなく、罠や仕掛けを解除するのにも使用する。行き止まりや障害物に遭遇したとき、落ち着いて周囲を見渡す冷静さも必要なのだ

 フォースパワーに分類される技は、すべて対応するボタンを押せば発動する。例えばフォースヒールの場合であれば、L3とR3ボタンを同時押しすればいい。ゆえに多少数が多くても、いったん覚えてしまえば、それほどの問題は起こらないだろう。

 しかし、ジェダイのアクションはそれだけではないのだ。各種ボタンを組み合わせて入力する、いわゆるコンボ技が多数用意されており、これらをすべて修得するとなると、かなりの訓練を要する。

 ありがたいことに、ゲームを進めるだけならすべてを覚えずとも大丈夫なのだが、先にも述べたように、自在に使いこなせるかどうかで難易度はまったく変わってくる。それこそ映画のアナキンやオビ=ワンのように、傷つくことなどほとんどないまま、驚くほどの速さでミッションをクリアできるようになるのである。

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フォースパワーやコンバットスキルは、ミッション終了時に獲得できる経験値を消費してレベルアップをさせることができる。なお、アナキンとオビ=ワンでは修得している技が異なる。どちらかといえば、アナキンがパワー型で、オビ=ワンが技能派になっている

 未熟な者にとって、大いなる壁となるのが、要所要所で挿入される強敵との直接対決だ。ドゥークー伯爵、グリーヴァス将軍、メイス・ウィンドゥといった熟練した使い手を倒すには、生半可な技量では難しい。

 とくに序盤、最初に立ちふさがるドゥークー伯爵との戦いは、まだゲームに慣れていないプレーヤーにとって脅威となるだろう。ここはアナキンを操作し、オビ=ワンと2対1で戦うことになるのだが、ドゥークーはそれをものともしないほどに強い。

 ただ、彼を倒せるほどになっていれば、その後はそんなに苦労しないはずだ。その意味では、ゲームを進めるうえで、大きな分岐点となっている敵と言えるかもしれない(なお、この直接対決となるミッションをクリアすると、そのとき倒した相手がデュエルバトルで使用可能になる)。

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序盤最大のヤマ、対ドゥークー伯爵戦。映画のエピソード2でヨーダと凄まじい剣戟を交えた悪の騎士が、2人のジェダイの前に立ちはだかる。かなりの苦戦となるだろうが、めげずに戦い抜け

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