日本はゲーム業界のメジャーリーグ、日本で成功することが重要だ:Xbox Summit 2005詳細リポート その1(1/3 ページ)
マイクロソフトは7月25日、東京の赤坂プリンスホテルにおいて「Xbox Summit 2005」を開催し、Xbox 360の日本市場における戦略や、サードパーティを含めた日本市場向けに投入が予定されているXbox 360向けタイトルなどを発表した。
発表会の冒頭、Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏がビデオメッセージで登場、日本市場に対する意気込みが語られたのに続き、登壇したMicrosoftコーポレートバイスプレジデントであるピーター・ムーア氏によって、マイクロソフトが日本市場をいかに重要視しているか、ということについて改めて解説された。
Xbox 360は、過去の日本市場における課題を認識し、日本市場によって教えられるゲーム市場に関する教訓を学びつつ、それら課題や教訓を活かし、さらに日本のエンジニアの強力なサポートによって開発されたハードウェアであると説明。
Xbox 360の外観のデザインは日本のデザイン事務所が担当していること、ハードウェアの仕様も日本のクリエイターの意見が多数採用されて設計されていることなどが、その例としてあげられた。
それにより、世界中の人々が日本市場においてXbox 360が本当の選択肢の1つになると認識しつつある、とムーア氏。それは、今回発表された、日本市場でXbox 360向けタイトルの発売を予定しているメーカーやタイトルリストなどを見ることで、それなりの裏付けがあっての発言である、ということが容易に想像できる。ムーア氏自身も、「誰もが予測しなかったほどの多数のサードパーティパブリッシャーがサポートを表明してくれています。」と語ったほどである。
現在のゲーム市場は、ワールドワイドでの成功を重要視したマルチプラットフォームでの展開が基本となりつつある。とはいえ、日本市場においてXbox 360の販売数があまり望めないようでは、日本市場向けのタイトルを投入することは難しい。日本のゲームメーカーの多くが、Xbox向けタイトルを海外で多数発売しているにもかかわらず、日本市場向けには全くと言っていいほどタイトルを投入していなかったということからも明らかだ。
そういった中で、ナムコやコナミ、スクウェア・エニックスといった、これまで日本市場でXbox向けタイトルを全く、または最近ほとんど発売していなかったメーカーが、日本市場向けタイトルの投入を確約したという点は、それらメーカーが日本市場でXbox 360がある程度の成功を収める可能性が高いと感じているからだろう。
「日本はゲームの超大国です。海外のゲーム関係者は常に日本市場を注目しています。非常に洗練された日本のゲーマーが、どの次世代プラットフォームを選ぶのか注目しているのです。」とムーア氏。
続けて、「日本はゲーム業界におけるメジャーリーグです。アメリカ人やヨーロッパ人にとって、日本で成功することが、ゲーム業界での成功を意味しているのです。そのため、Xbox 360が日本で新たな標準を作ろうとしているというのが非常にエキサイティングに感じています。Xbox 360がゲームを次のレベルまで引き上げるのです。」とも語った。
もちろん、日本での発表会なので、多少のリップサービスもあるだろう。個人的には、やや大げさな表現であるとも感じた。とはいえ、ある程度の自信がなければ、こういった発言はできないはず。
そういう意味では、Microsoftは日本市場での成功をある程度確信していると考えていいだろう。「これから歴史を作っていくのです。”次世代”がこの年末Xbox 360の発売によってスタートするのです。」という発言からも、その自信がうかがえる。
これまで、ムーア氏を含め、マイクロソフト関係者はXbox事業で日本市場を非常に重視しているということを事ある毎に語ってきた。ただ、Xboxは日本市場では全く成功できなかった。そういった意味では、過去の発言は単なる”負け惜しみ”にしか聞こえなかった。今回のXbox Summit 2005で語られたことも基本的には同じである。しかし、今回は“負け惜しみ”ではなく、データに裏打ちされた“自信”をベースとした発言に聞こえた。
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