4カ月の熱き戦いにピリオド――史上2人目の“ウイイレマスター”が決定(2/2 ページ)
2005年7月31日、全国ランキング上位者、ネットワーク予選優勝者、そして札幌、仙台、新潟、大宮、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡といった10都市での予選優勝者、計18人を集めた全国大会「“WE”JAPAN GRAND PRIX2005」の決勝トーナメントが開催された。埼玉出身者の対決となった決勝、そして欧州行きのキップを手に入れたのは……。
4カ月におよぶ戦いを制したのは……
会場もすっかりと温まったところで、いよいよ決勝戦が開始。出身地が同じである2人が使用した国は、これまで同じくサッカー王国であるブラジル。ロナウジーニョやロナウド、カカやアドリアーノ(個人的にはルイス・ファビアーノを押したい)といった魅力的な攻撃タレントを擁している国だ。
若干守備能力には不安を抱えているが、高塚氏が「引いてしまうとやられちゃうので、コンパクトに最終ラインを高めにして、中盤のボール支配率で負けないことが大事」と語ってくれたように、“攻撃は最大の防御”でもある。
それを実践し(もちろん守備もうまい)、決勝に進んだ2人の対決とあって、一進一退の攻防が続く中、先制したのは松浦氏だった。その後、前半のうちにシェード氏が同点へと追いつくものの、後半には再び松浦氏がゴールを決めて、スコアは2対1のままゲームは進んでいく。
そして後半30分の出来事。松浦氏のアドリアーノがフリーで抜け出したところを、ここで試合を決定づけられるわけにはいかないシェード氏のカフーが後ろからスライディングを試みる。もちろんこれは1発レッドカードでカフーは退場となった。
一見すればダーティーなプレイ、会場内も一時は騒然としたが、高塚氏はこのプレイに対し「キーパーと1対1になっては、後は抜かれるだけですから、仕方ないですよね」と、最大のピンチを何とか切り抜けたシェード氏の判断を評価していた。
このファウルによりゴール前の絶好の位置で得たフリーキックだが、はずしてしまい試合を決定づけることができなかった松浦氏、しかし1人多くなり優位にたったことから、その後は慎重にプレイを進め、そのまま試合は終了を迎えた。
惜しくも準優勝となったシェード氏だが「十分やったので満足です」と、爽やかにひと言だけを残し、舞台から去っていったのが印象深かった。そして全国大会優勝、さらには第2回「ウイイレマスター」となった松浦氏の表彰式へとイベントは進行する。
松浦氏には、高塚氏よりトロフィーと、「ウイニングイレブン9」のテレビCMにて使用され、イメージキャラクターを務めるジーコ氏と中村俊輔選手のサインが入ったサッカーボールが授与された。ちなみに、優勝した気持ちを誰に伝えたいかという質問には、「ここで応援してくれた、みんなに伝えたいです。ありがとうございます」といった、何とも粋なコメントを残してくれた。
また、試合を観戦していた高塚氏からは「上級者同士の対決ということで、どんな荒れた試合になるのかと思っていました。皆さん強かったです。これからもどんどん勝ち続けてもらいたいですね」と、今後のさらなる飛躍が期待されていた。
決勝も終わり、「“WE”JAPAN GRAND PRIX2005」も無事終了! と思いきや、ここでもう1人のゲストであった2004年度の全国大会優勝者である“浪速の黒豹”ちゃっぴー氏がステージへと迎えられる。
ちゃっぴー氏は、松浦氏と日本代表の座をかけて対戦することに「楽しみです」とひと言。これまでに対戦したことがあるかについては、「(自分たちで作っているリーグ)NIFAの交流戦で最後に遊びでやって、その時は負けました。リベンジという意味もありますので、楽しみです」と、熱い闘志をみなぎらせていた。
松浦氏とちゃっぴー氏、彼らは日本代表の座をかけて、欧州で戦うことになるわけだが、どちらが代表になっても願うことはただ1つ、“欧州(チャンピン)には負けるな、われらがニッポン”これだけだろう。
最後に「“WE”JAPAN GRAND PRIX2005」優勝者である“関東のエースストライカー”松浦有志氏にショートインタビューを行うことができたで、以下にお届けする。
――まずは優勝おめでとうございます。シェードさんとの決勝、どうでしたか?
松浦 僕はオンラインにも繋げていて、シェードくんの大会に出たことがあるんですが、その時は得失点差1の2位で……1位はもちろんシェードくんだったんですけど、今回対戦することになったら、絶対勝ってやろうという気持ちで来ました。
――じゃあ、リベンジはかないましたね。
松浦 そうですね。オンラインの時は直接対決はしなかったんですけど、“負けた”という気持ちが強かったので、勝ててよかったです。
――やはり皆さんどこかで対戦したことのある人が集まっているんですかね。2回戦で対戦したBOBOさんとは普段から一緒にプレイしている仲とのことですが、そういった相手と、こんな大舞台で戦うのはどういった感じなのでしょうか?
松浦 やっぱり手の内を知っている同士だったので、いつもと違ったことをやろうと思ったんですが、緊張もあって……いつも通りになっちゃったかな。
――それでも勝てるのは地力があるということですよ。では、最後に日本代表の座をかけて戦うちゃっぴー氏との対決について、意気込みを聞かせてください。
松浦 何度か話をしたことがあって、面白い人なんですよ。一生懸命やるしかないんですけど、気さくで良い人なので、本当に楽しみですね。
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