エレクトロニック・アーツのプレスイベント訪問記(3/3 ページ)
この時期になるとなぜかアメリカはカリフォルニアへと旅をする筆者。今回は世界最大のソフトメーカー・エレクトロニックアーツの本社で行われたプレスイベントに突撃してみた。
レーシングゲームもEAの独壇場に? 3タイプのレースゲームを展示
バーンアウトリベンジ・バーンアウトレジェンド
前回、日本ステージがあることで話題になったバーンアウト・リベンジだが、今回はモブに焼きいも屋の屋台が登場(笑)。どうやら日本通とウワサのプロデューサーの意向らしい。もちろん、スピードに乗っていれば押しつぶすことも可能だ。
今回新たに判明したネタは2つ。まず、E3のときに「クラッシュされてもクラッシュブレイカー(自爆)を発動させることでライバル車を巻き込むことが出来る」と書いたが、実はこのシステムの前に紹介しなければならないことがあったことが判明。それが「チューンアップシステム」。ゲームで稼いだポイントを使って機能も追加されていく。そして、クラッシュブレイカー発動機能もこのチューンナップで獲得していくということだ。
もう1つはタイトルにもある「リベンジ」。これはいわゆる「マジやられた!」状態の時にテイクダウンしたライバル車がライバル表示される。で、こいつをテイクダウンし返すことでリベンジ成功・高得点が得られるという仕組みだ。やられたらやり返すのが本作の掟といえよう。
今回はシリーズ恒例のクラッシュモードもプレイアブルになっていた。前作同様、渋滞の車の列に自車を突っ込ませ、被害総額を競うモードだが、前作でのアイテムアイコンは廃止され、一定台数の車を破壊するとクラッシュブレイカーが発動、それを起こすことで全破壊金額に倍率が付く……。そう、今回は何度もクラッシュブレイカーを発動させて高得点を狙うのがポイントとなっている。クラッシュモードのみで使えるイカス車も楽しみの1つだ。焼きいも屋屋台が使えることも祈ろう。また、クラッシュモードでのスタートダッシュは特殊になり、回転数などを某国民的ゴルフゲームのショットのように決めてロケットスタートを行うという、異例な仕様を採用している。
PSP版のバーンアウトレジェンドもかなりの完成度でプレイ可能だった。本作ではバーンアウト3のゲームモードのほかに、チェイスモードが追加、パトカーを駆って暴走車をテイクダウンさせるという要素が付加された。また、本作では海外ゲームには珍しくゲームシェアリングに対応し、1枚のUMDディスクで対戦が可能なのはうれしい。
日本ではPS2版バーンアウトリベンジとPSP版バーンアウトレジェンドが10月20日に発売されることになっている。
Need for Speed: Most Wanted
実車を使った公道レースシリーズとして、海外では人気のNeed for Speedシリーズ。今年は「アンダーグラウンド」ではなく表舞台に堂々と登場、パトカーの追撃を交わしながらトップを目指すというゲームになった。画面も夜間だけだった前作・ニードフォースピード アンダーグラウンド2とは違い、昼のシーンも登場する
フリーローミングレーシングや多彩なゲームモードは前作を踏襲しているが、本作で今回追加されたフィーチャーとして、「Speed Breaker」という機能がある。どういうものかというと、「フォーカスモード」もしくは「バレットタイム」と言った方が話が早いかもしれないが、一定時間、時間の流れを遅くして危険な状況から慎重かつ大胆にリカバリーすることができる。パトカーの群れをするりと抜けたり、トレーラーのタイヤの間をくぐったりと用途はさまざま。これとニトロで街一番のお尋ね者を目指そう。年末発売予定。
EA SPORTS NASCAR 06; Total Team Control
日本でもテレビ放映が始まり、地道に認知度が高まっているストックカーレース・NASCAR。市販車ベースのストックカーオーバルコースを高速で走るという単純なレースなのだが、トラブルによってイエローフラッグが出るとダンゴ状態になるため、アツイ展開が多く見られることで、アメリカでは大人気。レースの行われる日には周辺ホテルがバカ高いのにすぐ埋まるという勢いだ。ちなみに、EAはNASCARの独占ライセンスを得ている。
本作はEA SPORTSならではのリアルさは当然として、本作で新しく音声認識によるクルーとのやりとりや、右スティックによるチームメイトへの指示が追加された。
アメコミゲームにも参入
MARVEL NEMESIS
アメリカではアメコミヒーローゲームも人気。信じられないだろうが、日本では泣かず飛ばずだった「スパイダーマン2」のゲームが100万本を軽く越える大ヒット。まぁ、アメリカでは公開と同時発売だったし、プロモーションの仕掛け方もうまかったし……。で、EAでも、「キャットウーマン」(映画がコケ気味だったので国内発売は中止)や「バットマン・ビギンズ」(ゲームに渡辺謙が登場しないので国内発売は見送り)などのタイトルをリリースしている。
そして、EAはスパイダーマンやXメンなどで有名なマーヴェルコミックスとキャラクター利用の包括契約を結び、マーヴェルヒーローズがこのゲームのために作られた(しかもマーヴルのコミックライター自ら!)EAヒーローズ・Imperfectsとガチンコバトルを繰り広げる3Dフィールド格闘アクションゲームを作り上げた。これがそのMARVEL NEMESISだ。
ゲームシステムはプロレスゲームに近い3Dフィールド自由移動型のものになっていて、アイテムを投げたり、爆破させたりといったことも可能。選択したキャラクターにはそれぞれ特殊能力があり、ボタンで発動させることができる(一部キャラ・たとえばウルヴァリンの自然治癒能力などは自動発動するものも存在する)。相手にダメージを与えてRAGEゲージがたまると、攻撃力の高いRAGEモードに突入することが可能。また、オンライン対戦機能も搭載している。アメリカでは秋発売予定。
新鮮味のないタイトルばかりなのは市場のせい一次世代機を見越した新作タイトルは来年以降?
と、出展タイトルを紹介してきたが、タイトルのほとんどがシリーズもので、新鮮味のあるタイトルが少ない、というのが筆者の感想だ。だが、現状の米国市場では大手パブリッシャーといえども、新規タイトルが爆発的に売れるかどうかは不透明な状況だ。実際問題として、E3での出展タイトルのほとんどが版権もの・続編ものに集中し、ごくごくわずかな新規タイトルが次世代機(Xbox 360など)で発売されるのが現状だ。そういうことを考えると、新規タイトルが出てくるのは次世代機が出揃ってから、と考えるのが自然だろう。
実際に、PS2以降はSSXシリーズやNBAストリートなどのストリートスポーツシリーズやバーンアウトシリーズ、メダルオブオナーシリーズといった新規タイトル(まぁ、厳密にはメダルオブオナーはプレイステーション時代のタイトルだけど)が登場し、これらは世界中でヒットを続けている作品である。Need for SpeedシリーズもPS2などの現世代機でリデファインされ、再びヒット作になった例もある。次世代機のそろう来年には、シリーズ作品と新作タイトルが切磋琢磨することを期待したい。
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