よみがえれ美しい思い出! 「タイトーメモリーズ下巻」で記憶の旅に出る(4/4 ページ)
懐かしいゲームが25本収録されている“タイトーメモリーズ”。先月の上巻に引き続き、今月は下巻が発売となる。今回は、この25本からいくつかをピックアップして、そのレビューを書いていこう。
レイストーム
1993年、アーケードでリリースされた「レイフォース」は、縦画面縦スクロールのシューティングゲームだった。それが他と極めて違っていたのは、画期的なロックオンシステムを備えていた点。敵をロックオンし、レーザーで一度に倒す気持ちよさを味わうと、もうその虜になってしまい、ほかのゲームからでは爽快感を感じられなくなってしまうほどだった。
だが残念なことに、当時レイフォースはPSに移植されることはなく、セガサターンユーザーを恨めしい思いで見ていたものだ(ちなみに、サターン版のタイトルは「レイヤーセクション」となっていたが、これはレイフォースというゲーム会社があったために、名前が変更されたのが理由)。
それから3年、アーケードでPS互換基板の「FX-1B」を用いて、レイストームというタイトルが登場。ロックオンシステムの爽快感はそのままで、横画面縦スクロールのポリゴンシューティングとして生まれ変わり、大好評を博した。しかも、ちゃんとアーケードクオリティそのままに、PSへも移植。この当時、PSはシューティングゲームがサターンと比べて少なかったこともあり、ユーザーは諸手を挙げて歓迎したものだ。筆者の周囲でも熱い戦いが一部で繰り広げられていたため、PS版をプレイしまくった記憶がある。
プレーヤーは2種類の機体からどちらかを選択し、出現する敵を倒しながら最終面のボスを目指す。機体は、ワイドショット+ロックオン8カ所のR-GRAY1と、レーザー+ロックオン16カ所のR-GRAY2が用意されている。点数を稼ぐにはR-GRAY2がベストだが、攻撃範囲が広いのはR-GRAY1と、一長一短がある。自分の腕にあわせて選択しよう。
なお、ロックオン方法は機種によって違うが、どちらも地上と空中、両方の敵をまとめてロックオンできる。巧くプレイすれば連続で敵を撃破でき、高得点が得られる仕組みだ。ちなみに、ショットとロックオンレーザーボタンを同時に押すと、スペシャルアタックと呼ばれるボムが発動し、敵弾を消すと共に画面内の敵にダメージを与えられる。ただし、一度使用するとスペシャルアタックゲージが0になり、ロックオンで敵を倒しゲージを回復させないと再び使えない。各面の最後に待ち受けるボスを倒せば、ステージクリアとなるのだ。
今プレイしても、何ら違和感のないシステムに爽快感と、まさにシューター心をくすぐる1本。現在主流となっている段幕ゲームとはまったく違うシステムだが、複数の敵をロックオンして倒す気持ちよさは、これまでのタイトルでは味わえないだろう。
とはいえ、やはり欠点がないわけではない。横画面縦スクロールシューティングなので敵と自機の距離が近く、慣れるまでは弾を避けるのが厳しいのだ。肝心の敵弾も一部見づらい場面があり、いつの間にかやられているということも多かった。難易度も若干高めなので、初心者は2面クリアがやっとかもしれない。ただし、コインは入れ放題なので、コンティニューしまくってエンディングを見るのはアリかも。でも、地道に練習していき、いつかは1コインクリアしたいものだ。
昔懐かしいゲームの思い出は、楽しく、そして美しく……
収録されているタイトルのうち、個人的に思い入れがあるものを中心に見てきたが、すべてのゲームを1時間ずつプレイしたとしても、最低25時間は遊べる計算になる。これは、ちょっとしたRPGをクリアするのと変わらないぐらいの時間だ。
もちろん、大好きなタイトルだけを集中的にプレイすれば、もっと長期間遊ぶことも可能だろう。値段の観点からだけでなく、長い間おつきあいできるというところをみても、コストパフォーマンスの高さは抜群だ。
懐かしいタイトルというのは、ゲームと共に当時の楽しかった記憶をも一緒に思い出させてくれるもの。日々を過ごしていて、辛いことや悲しいことがあったとき、思い出したようにプレイすることをお勧めする。そうすれば、あの頃の美しい思い出が、あなたの傷ついた心を少しだけ癒してくれるかもしれないから……。
タイトーメモリーズ下巻 | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | タイトー |
ジャンル | バラエティゲーム集 |
発売日 | 2005年8月25日 |
価格 | 5040円(税込) |
プレイ人数 | 1〜2人 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.