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今度はサスペンス調の物語!? 「Memories off♯5 とぎれたフィルム」声優インタビュー(2/2 ページ)

切ない恋の物語を描いて好評を博している人気恋愛AVG「Memories Off」シリーズ。その最新作「Memories off♯5 とぎれたフィルム」の音声収録が都内某所で行われた。ヒロインを演じる野川さくらさん、井ノ上奈々さん、桑谷夏子さんの3人にゲームの見どころなどを直撃取材してみた。

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3者インタビュー(続き)

―― それぞれが演じるキャラのカワイイと思うところはどんなところですか?

野川 あすかちちゃんの一番の魅力は、やっぱり主人公への一途な想いですね。ほかの女の子たちは、主人公と除々に仲良くなっていくんですけど、あすかちゃんの場合は、最初っからラブラブなんです。自分の好きな人に対して正直に気持ちを伝えたいっていう姿がとっても健気でかわいらしいんです。ただ、それを主人公に受け入れてもらえなかったりして、私まで切ない気持ちになったりします。なんだかあすかちゃんは子犬のようになつっこいんです。台本を読みながら、いつも「あすかちゃんてかわいいなぁ…」と思いながら演じていました。

井ノ上 麻尋ちゃんはよく泣く子なので、その泣き顔にキュンとしていただければなと思います。台本をいただいたときに、彼女には「死ぬ」とか「殺す」とかっていうバイオレンスな発言が多々あって、それがとても印象深かったんです。見た目もボーイッシュだったので、私自身も冷たい感じかなと思いながら収録に臨んだんですよ。そしたらスタッフさんに「この子はもっと女の子っぽい子だから、カワイク演じてね」と注意されまして。そのあたりの演じ方にすごく苦労しましたけど、彼女のカワイさが表現できていればいいなと思います。

桑谷 香月ちゃんは性格ですかね。口調はサバサバしているんですけど、すごく仲間を大事にするんです。主人公の春人を合わせた4人組みがいるんですけど、すごく結束の固い親友同士で。そして、そこがほかのヒロインたちと決定的に違うところでもあります。初めから主人とは友達の位置に立ってしまっているんですね。そのあたりの関係がどのように変化していくのかにも注目してほしいですね。

―― 各キャラの見どころはありますか?

野川 あすかちゃんが主人公に「心と心がつながってますね」と言うシーンがあるんですけど、その時の仕草が大好きで。「よぉ〜し。私も使ってみよう!」なんて思うんですけど(笑)。

桑谷 すごくドキドキすると思う。

野川 でしょ? こんなコトされちゃったら、きっとみんな『キュン』となっちゃうと思います。アフレコ後、さっそく井ノ上奈々ちゃんにやってみました。

井ノ上 キュンとしました(笑)。

野川 あとあすかちゃんは、ちょっぴり恥ずかしいときに「テヘヘ」と笑うんです。台本にはカタカナで「テヘヘ」と書いてあって、あすかちゃんを演じる上でかなり重要なポイントだったようなんです。最初に台本を読んだときには、そんなに大事なセリフだとは気づかずに普通に演じてしまったんですが、その後、監督さんからとても細かく演技指導をしていただきました。いろんな「テヘヘ」を演じていますので、そこには注目していただきたいです。

井ノ上 えーと、全部のセリフですかね。私は今回が初めてのゲームのお仕事だったので、わからない部分がたくさんありました。ゲームのお仕事をしたことのある友達に相談してみたら「とにかくセリフの量が半端じゃないから、きちんとト書き(台本で、キャラの動きや演出などを説明した文章)を読んでおくんだよ」とアドバイスされました。もちろん全部読んで臨んだんですけど、実際に演じてみると、相手のいないことの不安からときどき自分でもわけが分からなくなったりして。このセリフはこの言い方でいいのかなと迷ってしまったりとか、とにかく大変でした。とにかく苦労しながらも一生懸命演じてみましたので、全部のセリフをぜひ聞いていただきたいです。

野川 実は、私は奈々ちゃんと同じ美容室に行っているんですけど、そこで彼女が麻尋ちゃんと同じ髪型にしたという情報を入手しまして。彼女が美容室に資料を持っていって「この髪型にしてください」って言ったというのを聞いて、なんてカワイイんだろうと。私もデビュー当時、キャラのコスプレをしたことがありました。そのときは私も美容院に行って、キャラと同じ髪型にしてもらったんですけど、そのころのことを思い出しました。すごくこの作品に対する思いが強いんだなということを感じましたね。

―― 今日も麻尋ちゃんが着ているものと同じオレンジ色の服ですよね。

井ノ上 麻尋ちゃんはオレンジ色がとても好きなんですけど、私もオレンジ色が大好きなんですよ。私の自転車はオレンジ色なんですが、麻尋ちゃんの自転車も同じ色なんです。だから最初、すごい親近感が沸きました。ただ、彼女の自転車には「黄昏号」という変な名前が付いているんですね(笑)。ネーミングセンスだけはちょっと違うかなって。ただ、共通点はたくさんあって、演じていてすごく楽しいキャラクターです。

桑谷 香月ちゃんはとにかくカレー好きで、カレーガムとかカレーにちなんだものがたくさん登場します。とても面白いんですけど、まわりのキャラクターはちょっと引いてたりして。演じている私自身もいろいろ思うところがあったのですが、香月になりきらなきゃいけないので、役者魂を発揮しておいしいものだという演技ができていたらいいなと思います。

 野川さんの「心と心がつながってますね」というセリフを使ってみたいという発言に、取材陣からも思わず笑いがこぼれた。しかもさっそく井ノ上さんに使って効き目を確信したらしく、機会があったら男性にも使いたいと心の中にストックしているらしい。

―― このゲームの見どころはどこでしょうか。

野川 本作ではシリーズで初めて主人公キャラにも声がつくということですね。あとは、すべてのシリーズ作品が同じ舞台で描かれているので、過去の作品にも出てきた、思い出の場所も登場したりして、過去作品を遊んだ方は、より一層楽しんでいただけると思います。また、本作では物語にサスペンス性も盛り込まれているということなので、ひと味違った「Memories Off」が楽しんでいただけると思います。

―― 最後に、ゲームの発売を楽しみにしているファンの方々にひとこと。

野川 この「MemoriesOff」という作品は、私も過去にプレイさせていただいたことがありまして、私が声優という仕事を続けていく中で、いつか関わることができたらいいなと憧れていた作品でもありました。ですので今回、この作品に関われたこと、あすかちゃんという重要な役をいただけたことを、大変光栄に思っています。

 イベント展開なども今後あるようですので、ファンのみなさんにお会いできる日を楽しみにしています。また、あすかちゃんは分岐していくルートによってはお邪魔虫にもなりかねないんです。そんな時「うわっ! またあすかちゃんが出てきちゃった〜」って邪険に扱われないように、そして、あすかちゃんのかわいらしさを最大限に生かせるように、今の私の声優としての技術を総動員したつもりです。どんなところであすかちゃんに会っても、愛してもらえたらうれしいですね。

井ノ上 麻尋ちゃんはすごくミステリアスな子なので、ここで性格だとか生い立ちを深く語ることはできないんですけれど、ゲームをプレイしていただければ、きっと愛していただける子だと思います。

 また、私にとってはゲームのキャラに声をあてるということも、キャラクターソングを歌うということも初めての体験になります。もちろん戸惑いもあったのですが、役を演じながら、また、これからのイベントなどでキャラクターソングを歌いながら、麻尋ちゃんと一緒に成長できたらいいなと思っています。みなさんぜひ楽しみにしていてください。

桑谷 香月ちゃんのグットエンディングは、プレイされた方によってさまざまな感想を持っていただけるような、とてもリアリティのあるものになっていると思います。大団円とはまた違う味がありますので、ぜひ味わってみてください。

 井ノ上さんの「自分の演じるキャラに感情を乗せるために美容院に行った」という話しには、非常に感銘を受けた。プロ意識の高さもさることながら、声優という職業の方々が、ただひとことのセリフを喋るためにどれほど準備をして、想いをのせているのかというのを垣間見たような気がした。もちろん、野川さんや桑谷さんの言葉からもその様子は伺い知れる。

 シリーズを通してせつない物語が描かれる「Memories Off」だが、彼女たちならそのせつなさや葛藤が十分に伝えられるのではと思う。本作をプレイした方は、彼女たちの言葉のひとつひとつの感情を探るように耳を傾けてみてもおもしろいのではないだろうか。

Memories off♯5 とぎれたフィルム
対応機種プレイステーション 2
メーカーKID
ジャンル恋愛AVG
発売日2005年10月27日
価格限定版:9240円(税込)、通常版:7140円(税込)
(C)KID


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