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「ポートピア連続殺人事件」の舞台を巡るゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

今回取り上げるのは、「ポートピア連続殺人事件」です。神戸、京都、洲本と、実在の場所が舞台となっているこのゲーム。それらの場所へ実際に行ってみて、ゲームの雰囲気を感じ取ってみました。

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ファミコン初のアドベンチャーゲーム

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ゲイムマン「ここが じけんの あった はなくまちょう です」

 今回は、「ポートピア連続殺人事件」の舞台となった場所を巡ってみようと思う。

 もともと「ポートピア連続殺人事件」は、エニックスがPC版で1983年に発売したアドベンチャーゲーム。1985年にファミコンに移植された。

 作者は堀井雄二氏。堀井氏の作品といえば「ドラゴンクエスト」シリーズがあまりにも有名だが、このファミコン版「ポートピア連続殺人事件」も、70万本を売り上げたヒット作だ。

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こちらがゲームに出てくる花隈町。実際には花隈町から海は見えない(かわりにポートタワーが見えるが)

 ファミコン版とPC版の大きな違いは、助手「ヤス」への指示(コマンド)を出す方法である。

 PC版では、キーボードから直接「キキコミ シロ」「ゲンバニ イケ」などの指示を打ち込んでいた(コマンド入力方式という)。

 これは当時のアドベンチャーゲームでは一般的な方法で、単語そのものを探すことも謎解きのひとつとしてとらえられていたのだが、キーボードのないファミコンでは使えない。

 そこでファミコン版に採用されたのが、あらかじめ用意されたコマンドの中から1つを選ぶ「コマンド選択方式」である。

 本来はPC版「オホーツクに消ゆ」用に開発されたシステムだったが、文字を打ち込む必要がなく、ファミコン向きということで、ファミコン版「ポートピア連続殺人事件」にも採用されたのだ。

 また、コマンドが最初から14種類に絞られていることで、難度が下がった。これも、初めてアドベンチャーゲームが発売されるファミコン向きといえた。

 そのかわり、「むしめがね」で画面上の証拠品を探す要素が新たに加わっている。

 その他、PC版との主な違いとしては、設定がやや異なること(俊之の住んでいる場所など)、途中に出てくる暗号が違うこと(PC版でも機種ごとにすべて違う)、そして地下迷宮の存在が挙げられる。

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ファミコン版にのみ存在する地下迷宮。こういうメッセージや、壁にぶつかったときのリアクションなど、「ウィザードリィ」を意識した演出が見られる

意外と神戸の観光名所に行ってないのだが……

 神戸市内でボスとヤスが訪れた場所は意外と少なく、花隈町(山川の屋敷)、新開地、そして神戸港くらい。

 北野の異人館にも、有馬温泉にも行っていないし、「ポートピア連続殺人事件」というタイトルに反して、ポートアイランドにも行ってない。

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ゲームに出てくる新開地。今のレーティング制度なら、これだけで18禁になってしまうかもしれない……

 行ける場所が少なかった理由の1つは、容量が少なかったからだろう。

 当時ファミコンのデータ容量は、なんと256キロビットしかなかった。32キロバイトである。

 特にグラフィックは容量を食うので、アドベンチャーゲームでは、表示できる絵の枚数が限られてくるのだ。

 DVD-ROMの容量がギガバイト(キロバイトの1,048,576倍)単位で表記される今となっては、32キロバイトというデータ量がどんなものか、想像もつかない。

 そんな制約の中で、神戸らしさを表現しているのが、事件現場となった山川の屋敷だ。

 その外観は明治時代の洋館を思わせ、港町・神戸の歴史を感じさせる。

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山川の屋敷は花隈町にあるという設定だが、北野の異人館街の、英国館とシュウエケ邸を合わせたような洋館

 もう1つ、神戸らしい風景といえば、やはり神戸港だ。

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 ゲームの神戸港からは、ポートアイランドにある観覧車がよく見えるのだが、実際の神戸港ではどうだろうか?

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