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インタビュー

アニメやマンガみたいなゲームを作りたかった。それが「ヨーグルティング」(2/3 ページ)

オープンβサービスが始まった「ヨーグルティング」。会員登録数はβサービス開始2日後で10万IDを越えるなど、かなりの人気を誇っているMMORPGだ。東京ゲームショウ2005の会期中というおそらくかなりの多忙な中、ガンホー・オンライン・エンターテイメントおよびNtixSoftの方に話を聞く機会を得たので、紹介していこう。

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――武器とスキルのお話が出ましたので、ちょっとシステム的なことを聞かせてください。武器にはブレード、ミューラ、スピリット、グローブの4系統がありますが、初心者が使いやすい武器はどれでしょうか?

鳥山 やっぱりブレードです。正面3セルが攻撃範囲なので、戦いやすいですね。

古志野 グローブはどちらかと言えば慣れてきたユーザー向けですね。グローブは攻撃スピードが速く、威力もあるのですが、単体にしか攻撃できません。

 見た目でいうなら踊りもかわいいミューラでしょう。スピリットは1年生〜2年生の序盤では扱いにくいですけど、3年生以降はあの遠距離攻撃が重要な役目を果たします。

鳥山 スピリットは韓国でいろいろと調整した、最終のものを日本には導入しています。スキルの発動やスキル後のディレイは、あれでも当初よりだいぶ早くなってるんですよ。

――現在は武器しか強化できませんけど、防具の強化は?

鳥山 制服も武器と同じく強化できるようにするかは検討していますが、未定です。制服は今どれを着ても全く同じ防御力が付くようになってるんです。というのも、能力の高い制服、低い制服があると結局強くなるためには能力が高いほうを選ぶし、そうなればみんなが同じ外見でつまらないでしょう。防御力が一緒なら、純粋に見た目だけで装備を選べてファッションを楽しめますからね。

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――今私自身もヨーグルティングのオープンβサービスには参加していますが、そこで感じるのは、順位の存在があることで、ユーザー同士が1位を巡って相手を出し抜くことばかり意識するゲームになってしまっている気がします。ヨーグルティングは見た目でいえばライトユーザー向けの印象があるだけに、このギャップについていけない初心者も出てくるのではないでしょうか?

 どのエピソード/クエストにも、どうやらここを抑えれば1位になりやすいという制圧ポイントがあるようですし……その点が見つけられないといつまでたっても上位3名に食い込めないんですよね。プレーヤースキルも思った以上に要求されるよう感じます。

鳥山 プレーヤースキルはさほど必要ないと思うんですが……。レア武器をのぞけば、だいたい1武器1スキルとシンプルですし。

 確かに今見る限りは、2年生前半あたりまでは1位を狙って、共闘というより競争のほうが強く前面に出ていますね。しかし2年生の中盤からは自分だけが先に飛び出しても、とても1人ではクリアできないエピソードの方が多いんですよ。高学年になればなるほどお互いに協力し合わなければならないシステムになってます。

古志野 でもそこに辿り着く前に競争がイヤになっちゃって、ヨーグルティングが好きになれないユーザーもいるでしょうね。序盤のシステムに関しては、何らかのバランス調整が必要かもしれません。

コウ クリックだけで攻撃するアクション性の低いゲームを、日本では「クリックゲー」と呼ぶようですけれど(笑)。どうせなら面白いクリックゲーにしたい! と考えてヨーグルティングを開発したんですよ。同じ1クリックでも武器ごとに速さ、個性が違えば単調にはなりません。

――最初からクリックゲーと割り切って開発を進めるというのは、かなりユニークな発想ですね。ところでオープンβサービスで作成したキャラは、正式サービス後に引き継がれるという話ですが、それではサービス後に始めてプレイするユーザーと、差がつきすぎてしまいませんか?

古志野 そのことですが、ユーザーからの強い要望がありまして、キャラクターの継続を決めました。エピソードのクリアでもらえることがあるさまざまな種類の制服。この制服も一度に上下がそろうわけではなく、何度も何度も挑戦して初めて全パーツがそろうわけです。そうやって育てたキャラクターには愛着もわきますので、どうしても同じキャラクターを継続したいという要望がとても多いですね。

 ユーザーからの意見の中には「どうしてもキャラクターは残してください」というお願いから、「キャラ継続しないならヨーグルティングなんてやめてやる」という意見まで、いろいろ届いています(笑)。せっかく集めたアイテムを失ってしまったら、同じ名前でキャラクターを作り直しても、それは愛着があったキャラクターではないという気持ちが強いんですね。それに3年生まで一生懸命育てたのに、また1年生に振り戻しでは、やる気がなくなっちゃうでしょう。

鳥山 新規ユーザーとの差もあまり心配していません。ある程度強くなったプレーヤーは、新入生とか1年生と表示されているプレーヤーを見ると、どうも手助けをしたくなるようでして……。複数持っている装備を分けてあげたり、先輩として指導したりという面もあるので、それほど不安はないですね。

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――たまに全く同じ制服のパーツが余ったりしますけど、銀行・倉庫システムなどは導入されないのでしょうか

古志野 まさに検討中ですね。正式サービスをどうするかによっても倉庫の導入は変わります。アイテム課金という形になるならば、倉庫・銀行も有料拡張機能として取り入れる可能性がありますが、月額課金になるならそうはいかないでしょう。

――アイテム売買が可能な露店システムはどうでしょう?

コウ 学園という限られたマップの中で露店システムを入れてしまうと、いつプレイしても人だらけになってしまいます。売店に掲示板を設置し、付箋紙のようなものが貼れてそこに「売ります」「買います」といった希望を書き込むと、誰もが読めるシステムなどを考えていますけどね。倉庫にしても学校らしく「ロッカー」という形とか。

古志野 それに学校の中でやたら物を売り買いしている、っていうのも怪しいし変ですよね?(爆笑)

――掲示板システムは良いですね。せっかく相手がオフラインでもメッセージが残せる携帯電話もありますから。余談ですが、初めてキャラ作成したときに電話番号を聞かれて、ドキっとしてしまいました。よく考えれば実際の番号を入れるわけがないんですけど。

コウ 途中でシステムが変わりましたが、韓国では、当初友達登録するためには、電話番号をその場で教えないとできなかったんです。オープンチャットで自分の電話番号を言わねばならず、韓国のβサービスだと電話番号を交換するために「ちょっとこっちに来て……」と人けのないところに相手を呼び出したりして……(笑)。もちろん、情報管理の面から言ってもそれは望ましくないので、いまのような形になりました。

鳥山 今は空欄になっているインベントリ欄にも、今後アクセサリーを用意したりと、グラフィックスやバランスを調整中です。キャラ作成時に聞かれる血液型、誕生日、それにゲーム内での時間の経過などはまだ何も反映されていません。今後はそれらもゲーム内で関係性を作る予定です。

古志野 韓国では4回もクローズドβサービスを行い調整していますし、日本版はまだ3年生までのエピソードが入ったばかり。これからいろいろと明らかにしていきますよ。

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