最強戦士は誰の手に――「ドラゴンボールZ スパーキング!」は純然たる格闘ゲームがよく似合う:レビュー(3/3 ページ)
今や、国民的マンガ・アニメ「ドラゴンボール」シリーズ。それをモチーフに何か作るとすれば、一番しっくりくるのが格闘ゲームだろう。そこで本作をプレイしてみて、どのような感じに仕上がっているのかをチェックしてみた。
アルティメットバトルでは、装備品にも気を遣うべし
次に遊びごたえのあるのが、アルティメットバトルだろう。これは、100人の超戦士たちと戦い、ランキングを上げていくモードだ。ここでは選択したキャラの、一つ上のランキングから下位全ての超戦士たちの中より、対戦相手を選択することができる。ここで目指すはランキング1位だが、各キャラにはWポイントと呼ばれるものが付与される。これはバトルの評価によって加減され、0になるとゲームオーバーとなってしまう。つまり、ただ勝つだけではダメで、いかにして勝つか、が重要になってくるのだ。
しかし、相手はストーリーモードとは違った思考ルーチンで攻めてくるため、最初は非常に戸惑うだろう。逆に考えるならば、モードだけでなく戦い方も変わってくるため、違ったバトルが楽しめると言えるのではないだろうか。とはいえ、どのキャラも嫌らしい動きをしてくるので、腹が立つことは間違いないが。
また、このモードだけでなく天下一武道会と対戦の各モードでは、カスタマイズしたキャラを使用して戦いに望むことができる。これは、ゲーム中に得られる“Zアイテム”と呼ばれるアイテムを各キャラに装備させることで、体力や防御力が増えたり気力が徐々に回復するなどの、特別な恩恵を得られるのだ。ただし、パワーアップしたぶん気力の消費が多くなることもあるため、アイテムは慎重に選ぶ必要があるだろう。闇雲に装備しただけでは、かえって使いづらいキャラになってしまうだけだ。じっくり考えてアイテムをつければ、楽に戦いを進めることができるようになる。
それにしても、毎日5キャラずつと戦っていったとしても、20日間はタップリ遊べるのだから、ストーリーモードと合わせたら相当長期間楽しめることは間違いない。格闘ゲームではあるものの、これだけ遊べるタイトルというのは、なかなかないのでは? そういう意味では、コストパフォーマンス抜群のソフトといえるだろう。
マニュアルの代わりに修行でOK
これら以外にも、まだまだモードは用意されているのだが、便利なのがピッコロが先生を務める練習モードの修行。実は、マニュアルを読んでも操作方法が把握できなかったのだが、修行を選択すると映像で操作方法を解説してくれるのだ。マニュアルはどうしても静止画しか掲載できないので、それと比べると非常に分かりやすい。むしろ、マニュアルがなくても良いのではと思ってしまったほどだ。
しかし、これだけ親切なモードが付いていながらも、各キャラごとの技の解説がないのが非常に惜しまれる。50人ものキャラが登場するので、マニュアルに載せられないのはわかるのだが、せめて一覧表としてゲーム中で閲覧ぐらいはさせてほしかったところ。どんな種類の必殺技を持っているかが分かれば、それだけでも戦い方の方針を決められるだけに残念だ。こればかりは、いくらドラゴンボールを読んでいたとしても、どの必殺技が選択されているか分からない限り、戦いようがないのだし。
スカッとする格闘ゲームがプレイしたい人向けの1本
当初は、ドラゴンボールのキャラクターが戦うと言うことでファン向けのタイトルかと思ったが、どちらかというと格闘ゲームで爽快感を味わいたい人向けの1本だろう。大味なバランスでも楽しく戦えるし、何よりもボリュームが大量にあるので、長く遊べるのもいい。勝ったときのスカッと感も、他のゲームではそうそう味わえないものだけに、ストレス解消にもピッタリだ。もちろん、ドラゴンボールを知っている人ほど世界観にのめり込めることは間違いないので、これをきっかけに本を全部揃えたりDVDを買い集めるのもありかもしれない。
まじめな(?)格ゲーをプレイするのは己自身のレベルアップに役立つが、時には息抜きに本作のようなタイトルをプレイするのもいいのでは? ただし、負けてストレスがよけいに増えたからといって、ゲームやハードに当たり散らすようなことだけはしないように……。
ドラゴンボールZ スパーキング! | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | バンダイ |
ジャンル | アクション |
発売日 | 2005年10月6日 |
価格 | 7140円(税込) |
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