PSPユーザーすべてがライバル――“ユビキタス、はじめました”:「ワールドサッカーウイニングイレブン9 ユビキタス エヴォリューション」レビュー(1/3 ページ)
サッカーゲームの代名詞「ウイニングイレブン」がPSPで登場。いつでもどこでも、手軽に楽しめるのが最大のポイントだ。とはいえプラットホームはPSP。やはり気になるのは、どこまでPSP用にアレンジされているのか、ではないだろうか。
3つの“手”がつくユビキタス
この夏「ワールドサッカーウイニングイレブン9」(以下、ウイイレ9)」は、世界のサッカーとボクらをつないでくれた。そんなウイイレが、今度は舞台をPSPに移し、近所のサッカー好きとボクらをつないでしまう。
すでに「ワールドサッカーウイニングイレブン8 ライブウエアエヴォリューション」で、ネットワーク対戦を実現した同シリーズだが、もっと“手軽”に、“手近”な相手と、“手元”で対戦を楽しめるのが本作「ワールドサッカーウイニングイレブン ユビキタス エヴォリューション」(以下、ユビキタス)なのである。
UEFAチャンピオンズリーグも開幕し、FIFAワールドカップ ドイツ大会を来年に控え、サッカーファンのボルテージは上がるいっぽうの昨今。はてさて、本作はその熱気を加速してくれるのだろうか。期待に胸をふくらませながら、プレイ開始!
すごい、ウイイレ9そのまんまですよ
1戦遊んでみた印象は、“本家ウイイレ9と、どこが違うの!?”である(ロード時間の長さも含む)。選手の挙動、ボールの動き、試合展開といったシステム面は当然としても、グラフィックまでもが同じクオリティを保っていることに驚かされた。選手が込み入った状態になると、多少処理落ちが見られるが、それも気になるほどの頻度ではない。
コーナーキックのシーンになると、キッカーの姿が映らなくなる(左右に動かすと、体の半分は表示される)が、そんなものもご愛嬌。ウイイレ9をプレイした人ならスンナリと入り込めてしまうくらい“そのまんま”だ。PSPの潜在能力、開発者の苦労、その両方にある種の感動を覚えた瞬間だった。
これならウイイレ9で練習し、友達と対戦するときはPSPを持って出かける、なんて使い分けもできてしまうのではないか。ウイイレ9については、こちらでレビューされているので、ここでは細かい選手の動きなど、システム面については触れない。ここではあくまでもユビキタス独自のカラー、主に操作面と通信対戦について探っていきたいと思う。
対戦プレイを主眼に置いたアレンジ
簡単に、ウイイレ9との違いを洗ってみた。
- マスターリーグがない
- トレーニングはフリートレーニングのみ
- 実況がない
- スタジアムは1カ所、天候の選択もない
- WE-SHOPで買えるアイテムが少ない
- 画面が横長になった
ファンにとって、マスターリーグがないのはちょっと寂しい。しかし、ユビキタスの特性を考えると、対戦を楽しむ人がメインの購買層になる。そういった意味では、この判断は当然の結果だ。選手の成長システムが複雑で、データも膨大なウイイレ9のマスターリーグだけに、容量の問題もあったのだろう。こればかりは自宅でプレイしたほうがよさそうだ。
サッカーの一番の華は、やはりゴールシーンになると思う。もちろんシュートチャンスのおしいシーンを再度確認するのも、筆者のようなナルシストにはたまらない快感である。しかしユビキタスでは、試合後のリプレイはない。ゴールシーンのリプレイも、ゴールを決めた直後のみ。正直ちょっとガッカリだった。とは言え、サクサクと対戦を進めたい人にとって、こういった演出はロード時間を食うだけの余計なものなのかもしれない。そう考えれば、仕方のない判断だと言える。
画面が、ゆ、揺れる
自宅ですでに数百戦(シリーズ延べなら4ケタは軽く超える)を戦っている筆者にとって、一番気になったのは“画面のゆれ”だった。
PS2でプレイしていたときはまったく気にならなかったのだが、意外と気合を入れてコントローラを操作していたようで、ボタン操作に力が入ってしまう。すると、必然的にPSPが揺れる。画面一体型のPSPなので、当然プレイ画面も、揺れる、揺れる。
特に、グラウンダーのシュートを撃ちたいときや、フリーキックを短く出したいときは、ボタンをチョイ押しするわけだが、その操作が大きく画面を揺らしてしまう。
最初のころは、この揺れで乗り物酔いに近い感覚を味わった。しかし人間というのは恐ろしいもので“遊びたい!”という欲求が“慣れ”を呼ぶ。慣れてしまえば、まったく気にならなくなるから不思議だ。
L2ボタンの代用は、SELECTボタンなのだが……
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