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PSPユーザーすべてがライバル――“ユビキタス、はじめました”「ワールドサッカーウイニングイレブン9 ユビキタス エヴォリューション」レビュー(2/3 ページ)

サッカーゲームの代名詞「ウイニングイレブン」がPSPで登場。いつでもどこでも、手軽に楽しめるのが最大のポイントだ。とはいえプラットホームはPSP。やはり気になるのは、どこまでPSP用にアレンジされているのか、ではないだろうか。

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L2ボタンの代用は、SELECTボタンなのだが……

 元来のウイイレユーザーであれば、PSPになったことを聞き、誰しもが“L2/R2、右アナログスティックの操作はどうするの?”という疑問にぶち当たるだろう。ではまずはL2ボタンの代わりから見ていこう。

 PS2版ウイイレでは、主に攻守意識や作戦発動を行う際に使うL2ボタン。しかしPSPにはL2ボタンが備わっていないため、ユビキタスではSELECTボタンで代用している。攻守意識はSELECTボタンとL/Rボタン、作戦発動はSELECTボタンと方向キーで変更する。だが、弊害はそのSELECTボタンがSTARTボタンの隣にあることで生まれる。

 対人戦の際は、選手交代のためのポーズを3回までしか行えない。試合中にSTARTボタンを押し、プレイが切れて初めてタイムをとることができる。もし間違ってSTARTボタンを押してしまった場合は、プレイ中にもう一度STARTボタンを押せば解除できるのだが、間違って押した直後にプレイが切れると、強制的にタイムになってしまう。

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間違ってSTARTボタンを押した途端に、予期せぬファールをくらう、なんてことも……

 選手の入れ替えもタイムの回数も3回まで。このルールで誤ってSTARTボタンを押してしまうのは、非情に危険だ。また、STARTボタンを再度押そうと画面外を見ている間に、シュートチャンスを作られてしまう可能性もある。

 よって、作戦の発動や攻守意識の切り替えは、セミオートにしておくのが無難であろう。それでも“慣れ”ちゃう人はいるのだろうけども。

R2ボタンの代用はRボタン2回押し

 続いては、PS2版ウイイレにおいて高弾道のセンタリング、高速ドリブル、チャージに対するジャンプ、コントロールシュートなど、“小技”をつかさどるR2ボタンについて。

 ユビキタスではR2ボタンの2回連続押しで代用しているのだが、正直、ちょっと厳しかった。これらの小技操作は、一瞬の判断で使用するため、2回押す、という0コンマ数秒の作業が命取りになるシーンが多い。実際使ってみたものの、あらかじめ“出すぞ!”と心で準備していないと、なかなか出せるものではない。

 もともと使用頻度が高いものではないため、それほど目くじらを立てる必要はないだろうが、上級者になると、こういう技を組み合わせて得点を重ねるようになる。つまり上級者になればなるほど、繰り返し練習が必要になるわけだ。

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センタリングをあげる時や、中に切り込む時には、特に技の組み合わせを必要とするだけに、とにかく繰り返し練習をして体に覚えさせたいところだ

 ん、待てよ? ということは、上級者と中級者の障壁を緩和してくれたことになるのか? であるならば、中級者が上級者に対戦を申し込みやすくなったわけで、対戦文化(?)の活性化につながるひとつのキッカケになるのかもれしない。

アナログパッドの3つのタイプ

 PS2には2つ備わっているアナログパッドだが、PSPにはひとつしかなく、しかもアナログパッドを押し込む、という操作ができない。そのため、ユビキタスにおけるアナログパッドの操作は、「OPTION」→「キーコンフィグレーション」の「アナログパッド」で3つのタイプからひとつを選択する。

 1つ目は“移動”。筆者は、選手を感覚的に操作できるアナログパッド派。よって最初はPS2版と同じようにアナログパッドを使って操作していた。しかし残念なことに、PSPのアナログパッドはきっちり90度に操作するのが難しく、サイドステップによるドリブルが出にくい。正直、あまりオススメできない。泣く泣く方向キーに転向した。

 2つ目は“マニュアルパス”。アナログパッドを入力した方向にショート・ロングパスを出すことができる。これはなかなか便利。PSPを実際に握り締めてほしいのだが、方向キーに親指を置くと、ちょうど親指の第一間接より下がアナログパッドに乗る。

 ここで、ギターのチョーキングのように手首をひねって操作すると、思った方向にマニュアルパスを出すことができるのだ。練習を重ねれば、△ボタンによるスルーパスよりも効果的なパスを出せるようになる。スーパーキャンセルを使えないユビキタスだけに、この存在意義は大きい。

 3つ目は“フェイント”。実際にプレイしてみたが、PS2のようにアナログパッドの形状が突起していないため、親指で弾くように2回押し、といった操作は至難の業だ。加えてまたぎフェイントは対人戦ではあまり活躍の場はない。

 どうしてもやりたいなら、Lボタンの2回押し、もしくはRボタンの3回押しを練習したほうがよいだろう。ただし、マルセイユルーレット(ジダンを代表とする数人の選手が使用する1回転しながら抜き去る技、ゲーム中ではどの選手でも繰り出すことは可能)を出したい人は、このタイプを選ぶ必要がある。

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3つのタイプから、自分にあった操作を見つけて、使い続けていくことが現実的な選択となるだろう

選手、チームのポテンシャルが重要という結果に

 操作方法はPS2版とほとんど変わらないとは言え、上級者か中級者かによって相当する操作が難しくなった。これは先にも述べたように、中級者がより“対戦したい!”というモチベーションを持つにふさわしいアレンジと言える。

 特に、セットプレイ時やスルーパス時に多く用いられ、これを活用できるかできないかでは対戦時に雲泥の差が表れるスーパーキャンセルが使えないことで、対等な試合ができるようになるわけだ。

 筆者の個人的な感想では、やや点が入りやすくなった気がする。それは選手のAIに変更が加えられたのか、はたまたGKの動きが緩くなったのか。判別はつかなかったが、もしかしたら“対戦ならではの点の取り合い”を意識したアレンジがなされているのかもしれない。

 どちらにせよ、勝敗の行方は、選手の個人能力、チームの総合能力がやや重要になった。そのことを踏まえたうえで、プレーヤーの、基本操作と全体の動きを見る目が鍛えられれば、少なくともコンピュータには負けなくなるだろう。

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操作に慣れるまでは、リーグでも屈指の実力を持つチームでプレイすることをお勧めする

ウイイレ9の「NETWORK」のように対戦結果が残る

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