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一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part4:Xbox編その2(4/5 ページ)

気がつけば「Xbox 360」の発売はもう目前。うかうかしてると「現行機で次世代機の気分を先取り」どころではなくなるので、前回のXbox編の続きを少し慌てながらのお届け。マニアックな印象が強いXboxだが、HDTV+5.1ch環境をベースに遊んでみると、意外に良作揃い?

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720p対応の隠れた良作?「X-Men Legends」

 ビジュアル、サウンド、そしてゲーム内容ともにハイクオリティであるのに、不遇にも日の目を見ることなく埋もれてしまったソフトは数知れず。「X-Men Legends」(アクティビジョン)も、そんな1本かもしれない。Xbox編の最後を締めくくるには、これが最もふさわしい……。なんて御託を並べてみても説得力に欠くので、要するに“アメコミ好き”なので取り上げたかったのである。本当はマーベルコミックスよりもDCコミックス派なのだが、X-Menは個性豊かなキャラクターが多数登場するので、読んでいてなかなかおもしろい。

 このソフトは、そのX-Menを題材としたアクションRPGで、北米では昨年9月に現行3機種で同時発売され、あちらでは高評価を得ていた。ただ、日本ではアメコミ関連ゲームの売れ行きが総じて低調なので、おそらくどの機種でも発売されないだろうと予想していたが、意外や意外、今年1月になってマイクロソフトから「Xboxワールドコレクション」(通称:ワーコレ)として発売されたのだ。

 ワーコレとは、海外のソフトを英語版のまま日本で発売するという日本独自のラインアップ。パッケージとマニュアルだけは日本語化されているが、ゲーム内容は一切ローカライズされていない。このX-Men Legendsも、ボイスからテキストまですべて英語。この点が広くオススメしにくいところではあるが、英語がまるでダメな筆者(その割にはアメコミも洋ゲーも海外ドラマも好き)でもエンディングまでたどり着けたので、英語が多少苦手という方でもそれほど支障なくプレイできるものと思う。少なくとも、各ミッションでの“Objective”(目的、目標の意)の内容さえ理解できれば、プレイに行き詰まることはない。

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ワーコレのタイトルなので、すべて英語。RPGとしては、ストーリーが把握しづらくなる分、ちょっとつらいところだが、プレイ中にいつでも参照できる“Objective”の意味がだいたいわかれば、何をしたらよいかわからずに途方に暮れるということもないはず

 X-Men Legendsでは、15人のX-Menメンバーから4人を選んでチームを作り、うち1人を操作してミッションを進めていく(残りの3人はAIがプレイしてくれる)。操作するキャラクターはいつでもワンタッチで切り替えられるし、セーブポイント上ならメンバーの入れ替えも可能。原作のX-Menを知る方ならば、このチームの組み合わせを考えるのがきっと楽しくて堪らないはずで、ファンのツボをきっちり押さえた作りだ。筆者なら、堅物で融通が利かないリーダー格の“サイクロップス”に、彼とはまるでソリが合わない“ウルヴァリン”を組み合わせたくなる。見た目とは裏腹に実は知性派の“ビースト”も好感度が高いので、ぜひ仲間に。でも、セクシー部門担当(?)の“エマ・フロスト”は外せない存在だろう……。

 趣味に走りすぎたので、連載の主旨に立ち返ると、このX-Men Legendsも720pのワイド表示に対応している。720pの映像は極めてクリアで、オブジェクトもテキストもにじみがなくクッキリと表される。原作コミックとアニメの中間をとったような個性的なタッチで、トゥーンシェードも使われているようだ。キャラクターのモデリング(特に顔)をもう少し好感の持てる形に作り込んでほしかったが、それでも個々のキャラクターの特徴はよく捉えていると思う。

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720pで表示すると、キャラクターやオブジェクトの線がシャープに出て、まるで別のソフトのよう。ビビッドな色遣いもアメコミらしさがあっていい

 このソフトは、サウンドも思いの外よくできている。ドルビーデジタル5.1chに対応しているが、例えばニューヨークの下水道を探索するシーンでは、水の流れる音が自分の位置や向きに応じて異なる方向から聞こえてくる。また、それぞれのキャラクターは“Xtreme Power”なる固有の超必殺技を持っていて、これを発動したときにキャラクターボイスが全方位で響き渡るのが何とも爽快。欲を言うなら、戦闘中の音はアメコミらしくもっと派手に飛び交ってもよかった。

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Xtreme Power発動時の音響効果がアメコミヒーローらしさを際立たせている。ウルヴァリンの場合は“Savage Rampage”で、掛け声とともに画面上のすべての敵に斬りかかる
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ボイスアクターも実は超豪華。“プロフェッサーX”は映画版X-Menでも同役を演じた名優パトリック・スチュワートが、“トード”には「スタートレック:ディープスペースナイン」のクォーク役で知られるアーミン・シマーマンが声を当てている。他の声優陣もキャラクターの性格や個性をしっかり押さえた熱演ぶりで、X-Menの世界観を再現するのに一役買っている。
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ゲームを一度クリアすると、懐かしのX-Menコスチュームに変更可能。初期のビーストや90年代のウルヴァリンなどでプレイできるのが、ファンとしてはこの上なくうれしい

 ちなみに、北米ではつい先日、続編の「X-Men Legends II:Rise of Apocalypse」が発売されており、前作で不満に感じたキャラクターのモデリングやムービーシーンなどが格段に美しく仕上がっている。ストーリーも、前作では敵として対峙していたブラザーフッドのメンバーとX-Menメンバーが共闘するなど、多様性に富んだ展開でますますおもしろい。これが日本で発売される可能性は限りなく低いと思われるが、もし出るなら今度こそ日本語にローカライズされたバージョンを希望。せっかくの良作だけに、日本のXboxユーザー(むしろアメコミファン?)の目に触れる機会がないのはあまりに惜しい。

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