初代「Harpoon」のヒゲ親父にキュン:勝手に連載!「レトロ“PC”ゲームが好きじゃー」(2/5 ページ)
本能のままに突撃するこの連載。その最初に登場するのはもちろんHarpoonである。PCウォーゲームといえばこのタイトルは外せない。登場から十余年経ち、膨大なパッチとシナリオが出現し、そして、関わったメーカーはすべて消滅した「伝説のウォーゲーム」が、いま、よみがえる。
コンベンショナルメモリを600Kバイト確保せよ
Harpoonはゲームシーケンスこそターン製を採用していたが、ユニットの位置は「距離と角度」で示すようになっていた。「目標まで3ヘクス分」という単位から「目標まで30度60海里」という表現になる。この手法はゲームの駒に「ミニチュア」を用いる「アクチュアルゲーム」で採用されている、欧米では一般的に知られているゲームデザインであるが、ウォーゲームで使われるのは珍しかった(このほかに「距離と方位」を採用していたウォーゲームとして「Jutland」と「BISMARCK」上級海戦ルールが知られていた。どちらも戦術級海戦ゲームであったのは、このシステムの特徴をよく示している)。
しかし、Harpoonが注目されたもう1つの理由「収録された膨大なデータ」とともに、人間の手でプレイをするには、Harpoonのシステムは面倒でありすぎた。「膨大な」ユニットに盛り込まれた「膨大な」データを秒単位、メートル単位で処理していくには、「膨大な」手間と計算とサイコロを必要としたのである。「うううぅぅぅぅー、たまらん。これはPCの出番だ」と誰もが考えたのも無理はない。
それゆえ、登場したPC版Harpoonに多くの「ウォーゲーマー」が夢中になるのは当然のことであった。登場から16年も経つというのに、いまだに多くのゲーマーにプレイされているHarpoonの変遷とあまたのエピソードについては、日本語で読めるHarpoonの情報サイトとしてはほぼ唯一といっていい、ミリタリーフリークならば、おお、あの人、となる大塚好古氏のWebサイトを参照していただきたい。興味深い情報がいろいろと得られるはずだ。
さて、その「初代Harpoon」である。冒頭に登場した「ヒゲの大佐」とWindows XPマシンでご対面するには、Virtual PCの導入は当然ながら、Virtual PCに導入したゲストOS(これは、WindowsであれDOSであれ)で多少の設定が必要にある。過去にHarpoonの世界を歴戦してきた古参兵(いや、海軍だからオールドソルトと呼びたい)なら経験していると思うが、Harpoon(に限らず海外もののPCゲーム)を動かすには「コンベンショナルメモリ」を600Kバイト以上確保しなければならないのだ。
このためには、AUTOEXEC.BATとCONFIG.SYSにカリカリと設定を記述することになる。とはいっても、Windows Meが登場してからこのかた、CONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATの存在すら忘れてしまったゲーマーも多い、はず(あら、私だけですか)。「うへー、CONFIG.SYSの記述なんて忘れてしまったよー」というときに役に立つのがWindows 98/98SEに実装されたPIFファイルのプロパティ「プログラムの詳細設定」だ。
「新しいMS-DOS設定を指定する」の「設定」ダイアログで「EMSメモリ」以外のラジオボタンをオフにすれば、コンベンショナルメモリを空けるのに必要なCONFIG.SYSの雛形が自動で記述される。CONFIG.SYSの設定で新たに出現した「EMM386.EXE」のパラメータとして「RAM」を加えれば、とりあえず600Kバイト程度のコンベンショナルメモリ領域が確保できる。
コンベンショナルメモリ領域を空けるためには、Harpoon実行プログラムのPIFファイルプロパティ「プログラムの詳細設定」でMS-DOSモード用AUTOEXEC.BATとCONFIG.SYSの設定を行う必要がある。EMM386.EXEのパラメータ設定が肝要
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