狙ってるのか、本気なのか。ゲーマーを震撼させる衝撃作:「高速機動隊 World Super Police」レビュー(5/5 ページ)
良作か、はたまた駄作か。これほどまでにその判断を右へ左へ揺さぶるゲームって、いったい何なのだ。いつまでも結論が導き出せないままに、とうとう最後まで遊んでしまうなんて……。
実は妙なところに凝っていたり
なんだかんだと言いつつ、結局は日本編、アメリカ編の両方をコンプリートしてしまったが、お楽しみはほかにもまだまだある。メインとなる「WORLD SUPER POLICE」モードのほかに、2つのプレイモードが用意されているからだ。さらに、ここでは伏せるが、隠し要素も……。
まず1つは、「TRAINING」モード。トレーニングと言っても、プレイヤーが操作を練習するためのモードではなく、隊員たちを鍛えるためのモードなのだ。実は「高速機動隊」って“育てゲー”の要素もあるのか。
「TRAINING」モードには、DRIVING(運転)、SHOOTING(攻撃)、EVADE(回避)という3種類の訓練があり、任意の隊員を選んで訓練を行うことができる。その結果に応じて特定のパラメーターを上昇させることも可能
この「TRAINING」モードで隊員たちを最大限まで鍛え上げれば、例の「ミッション04」も楽勝では、と考えるが、残念ながらそうはならない。このモードで訓練できる回数は、本編の「WORLD SUPER POLICE」モードでクリアしたミッションの数だけなのだ。
もう1つのモードは、「ROYAL SCRAMBLE」。こちらは「WORLD SUPER POLICE」モードでクリアしたミッションを個別にプレイできるモードなのだが、本編のシナリオをクリア済みなら、日米合同のドリームチームを組むこともできる。
さらに、「OPTION」では字幕と音声をそれぞれ日本語と英語に切り替える機能が搭載されており、英語ボイスではまたひと味違った雰囲気を楽しむことができる。何だか妙なところに凝っているが、実はこの「高速機動隊」、ワールドワイドでの展開も模索しているという。アメリカあたりのゲーマーは、これを手にしたときいったいどういう反応を示すのだろう。
私が思うに、「高速機動隊」のおもしろさは、小一時間ほどプレイしただけではきっとわからない。グラフィックなどのできが悪いのは紛れもない事実であるし、最終面よりも序盤のミッションの方が圧倒的に難しいという難易度バランスにも困ったものだ。しかし、延々とプレイし続け、ある一線を越えた瞬間から、どういうわけか俄然おもしろくなってしまうのだから恐ろしい。こういうゲームは、狙って出せるものじゃない。私なりの最大限の賛辞として、今年の“ベスト・オブ・バカゲー”に推したいくらいだ。オール平均点の凡作に比べたら、「高速機動隊」の方が何倍も楽しめてしまうのだから。
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