タイトル復活にてお呪い申し上げます――新世代のドラキュラで年を越せ:「悪魔城ドラキュラ 〜闇の呪印〜」レビュー(3/3 ページ)
今や世界的にも有名な作品となった“悪魔城ドラキュラ”シリーズ。その最新作が、PS2でお目見えとなる。前作では、若干荒削りな面が見えていたと思われたシステムも、今作ではより完成度を増している。果たして、どのような形で結実したのだろうか?
画面構成は前作と同じく、3Dマップ上を探索しながら敵を倒して先へ進むことになる。歩いた場所はマップ画面で確認でき、さらにはマーカーでチェックを付けることも可能だ。また、所々に各地域を行き来できるワープポイントが設けられていて、それを利用することで以前行った場所などを瞬時にして訪れることもできる。このようなユーザーフレンドリーさも相まって、今作は中毒性が非常に高くなっていると言えるだろう。特に、探索してきたものの行き止まりに突き当たると、一区切りとしてやめたくなるものだが、そこでワープポイントから別の場所へ行くと新しい道が開けてしまうため、なかなかやめられないのだ。これはある意味、ワナとしか言いようがない(笑)。しかも、出現する敵を倒せば経験値だけではなく進化クリスタルやアイテムも入手できるため、同じ道を通るたびに敵を全滅させてしまう。結果、イノセントデビルも成長するし新しい装備品も手に入るなど、行ったことのある場所への道のりが楽しいものになっている。
ドラキュラシリーズの新しい道を示した1本
ドラキュラシリーズ特徴の1つとしてBGMがあげられるが、(あくまでも個人的意見としてだが)前作はシリーズBGMの雰囲気を引っ張りつつ、新しい感じを出そうとしていたものの吹っ切れていなかった、という印象があった。しかし、今作では一皮むけた、新世代ドラキュラと呼ぶにふさわしい名曲の数々が揃っているのではないだろうか。
どのステージのBGMも美しく、それでいて戦う気力を奮い起こさせるものばかり。1週間後の30日に発売されるサウンドトラックが思わず欲しくなってしまう、そんな曲ばかりだ。これなら、ドラキュラといえばBGMでしょう、という人にも文句なくお勧めできる。
前作がらみでもう1つ挙げておきたいのが、視点に関しての話。前作はプレーヤーが視点を変更することができなかったが、本作ではそれが右スティックで可能になっている。人によって、見やすい角度は異なるもの。やはり、自らが調節できるのが一番いいわけであり、この変更は大いに歓迎したい。
一通りプレイしてみた結果、ここまで充実したアクションゲームはそうないだろう、という結論に達した。今作も3Dだと聞かされたときには、前作の事もあり正直がっかりしたのだが、いざプレイしてみるとテンポ良く進めるし難易度も思った以上に高くないなど、なかなかの良作に仕上がっていると感じた。とはいえ、前作並の難易度やアクションを待ち望んでいた人にとっては、簡単すぎて期待外れかもしれない。しかし、前作よりも敷居が下がり万人受けする内容になったのではないかと個人的には考える。ただ、イノセントデビルを必要最低限の召喚に止めれば、シリーズ同様単独での戦いで厳しい場面も多く、プレイスタイルによって、初心者からコアなファンまで楽しめる間口の拡がった作品とも言える。
もう一点、前作ではできなかった視点変更が可能になったため、自分が一番プレイしやすい角度に設定できるのが何よりもうれしかった。やはり、右スティックで視点変更ができるのは便利だし、それだけでも格段にプレイしやすくなったのではないだろうか。
アクションゲームではあるが、人によってはこの時期に購入しても年明けまで遊べそうなぐらい、コストパフォーマンスの高い1本となるだろう。来月は大量のゲームが発売されるが、Xbox 360を買う予定もなく、年末にRPGを購入するつもりもないという人は、これ1本で年を越せてしまうかも?
悪魔城ドラキュラ〜闇の呪印〜 | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | コナミ |
ジャンル | アクション |
発売日 | 2005年11月24日 |
価格 | 7329円(税込) |
プレイ人数 | 1人 |
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