暴力と犯罪がはびこる暗黒街は変装パラダイス:「ビートダウン」レビュー(5/5 ページ)
たとえ主人公の刺々しいルックスが相容れられなくとも大丈夫。服装から顔つきまで、容姿は何もかも思いのままに変えられる。バイオレンスとダーティーな世界観ばかりが取り沙汰される「ビートダウン」だが、実は変身願望をとことん満たすゲームだった?
称号に応じてエンディングが変化
本筋とは違うところに楽しみを見いだしたことが幸い(?)して、くじけることなくエンディングまで到達。もっとも、ストーリーを追うことよりも、衣装集めとコーディネイトに多くの時間を費やしていたような気もするが、そういう遊び方も許容してくれる懐の深さもまたよし。
最後までプレイしてみると、ストーリー本編は意外と短い。あまり寄り道をせずに進めたなら、おそらく10時間とかからないだろう。ただ、このゲームでは、プレーヤーの取った行動によって「アウトローゲージ」のパラメーターが刻々と変化し、それによってエンディングも変わる。また、2周目以降でないと仲間にならないキャラクターもいるなど、このゲームを隅々まで堪能するには反復プレイが必須なので、それを想定してシナリオを短めにしてあるのかもしれない。
難点は、エリアを移動する際など、頻繁にローディングが行われること。個々のエリアはそれほど広くないのに、エリアを移動したり建物に出入りするたびにロードで待たされ、流れを止めてしまう。また、バイオレンス性の強い描写は、人によって不快感を伴うかもしれない。「OPTION」で出血やケガの表現をオフにできるなどの配慮はあるものの、先述の「ビートダウン」コマンドや、刃物を使ってのネゴシエーションなどは、少し度が過ぎるように思われた。
ちなみに、本作はPS2版とXbox版が同時発売されているが、映像・音声出力に若干の違いがある。PS2版は、映像がインターレース表示のみで、音声はドルビープロロジックII対応。Xbox版は、映像がプログレッシブ(480p)表示にも対応しており、音声もドルビーデジタル5.1chに対応している。実際に両方を比べてみたが、映像に関しては、オープニングムービーはどちらも同等のクオリティだが、ゲーム画面はXbox版の方がキレイ。特に、衣服などの質感がよく出ている。サウンドについては、音の包囲感や移動感が明快にわかる場面が少ないせいか、それほど大きな違いは感じられない。エリア移動時などのロードやデータセーブにかかる時間もXbox版の方が明らかに短いので、両機種とも所有しているならXbox版がオススメ。ただし、出血の描写はXbox版の方が強い印象なので(血の色がPS2版よりも赤黒くて、生々しく感じる)、気になる方はその点も考慮されたい。
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