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Virtual PCで空母戦ウォーゲーム「CARRIER STRIKE」を復活させる勝手に連載!レトロ「PC」ゲームが好きじゃー(2/5 ページ)

「Ultimaはどうしたっ」という声を無視してひたすらレトロPC「ウォー」ゲームを復活させるこの連載。ついに日本男子お待ちかねの名作空母戦の登場である。今回はSSIゲームを起動するときに引っかかる「Virtual PCのサウンド周り」についても解説しよう。

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ボード「空母戦」の限界をPCで補う

 いま、日本で主だった空母戦ゲームタイトルを3つ紹介した。これに古典「MIDWAY」を加えると、空母戦ウォーゲームにおけるゲームデザインの典型的な例が、対照的な形でそろうことになる。

 ついたてを使うブラインドシステムで索敵を処理した「MIDWAY」。マップには索敵するユニットと発見されたユニットしか登場せず、ほかのユニットは別紙に手書きでプロットされる「FLATTOP」。プレイを容易にするダミーマーカーシステムを索敵に導入して情報の不確実性を再現した「日本機動部隊」。艦船、航空機、兵器、戦闘に影響する細かいデータを集積した膨大なCRTを膨大な人力で処理させた「航空母艦」。

 空母戦という同じテーマを扱いながら、それぞれがまったく異なるコンセプトでデザインされていたため、商業誌の「空母戦ウォーゲーム横並びレビュー」などでは、それぞれの優劣について大変熱く議論されていた(過去にはそういう時代もあったのです)。

 そういう、「空母戦レビュー」でよく言われていた意見に「ボードウォーゲームにおける空母戦デザインの限界」というのがあった。それは「索敵」と「膨大なデータの処理」の限界、でもあった。索敵する場所を相手に申告するボードのシステムでは「索敵する場所に自分がいる」ことを暴露してしまうし、人間一人が遊びとして処理するには、空母戦に影響するデータの数は膨大すぎた。

 この解決策として期待されたのが「コンピュータの利用」であり、そして当時のベテランゲーマーに高く評価されていた「コンピュータで動く空母戦ゲーム」がSSGの「Carriers at War」であった。「自分の場所がばれてしまう」ボードゲームの索敵問題はコンピュータでは発生しないし、膨大なデータの処理はコンピュータの得意とするところである。

 Carrires at Warが登場したのが1984年。当時は大変高価で大変珍しい「Apple II」でのみ動作するこのゲームを私が住んでいる東北の地方都市で目にすることは不可能であり、長らく想像の中だけの存在であった(実は1983年に“CARRIER FORCE”という空母戦ゲームがSSIから登場していた。しかし、FLAT TOPのPC版というこのゲームを紹介する記事を目にすることはほとんどなかった)。

 その後、「Carriers at WarのDOSバージョンが登場するらしい」という噂を海外の商用ネット通信で発見し、ついにあの空母戦ゲームが登場する!と待ちに待ち、いい加減あきらめていたときに突如登場したのがSSIの「CARRIER STRIKE」である。


CARRIER STRIKEのマニュアル。パッケージデザインもこのイラストと同様。このゲームはマニュアルプロテクトがかけられていて、「何ページの第何段落の何文字目の単語は何?」という質問の答えられないとゲームが始まらない

Virtual PCの仮想マシンでサウンドカードを設定する

 CARRIER STRIKEをWindows XPマシンで動かすには、これまでの連載で説明してきたように、Microsoft Virtual PC 2004と、その上で動くゲストOSが必要になる。CARRIER STRIKEはコンベンショナルメモリ領域をさほど必要としないが、それでも日本語Windowsで開くDOSプロンプトの標準状態では足りないので、MS-DOSモードをこれまで紹介してきたような設定で動かすのが一番簡単だろう。

 CARRIER STRIKEの起動は「CS.BAT」で行うが、このバッチファイルでは、SSIの音源設定ツールが最初に立ち上がる。Virtual PC 2004の仮想マシンはサウンドカードに「SoundBlaster 16、AWE-32互換」が組み込まれていることになっている。そのため、音源設定ツールでもSoundBlaster系を選択すればいい。

 問題はその後。設定ツールは「設定はデフォルトでよいか?」と聞いてくる。この設定ツールはデフォルトで「IRQ=7」「アドレス=220」を指定してくる。ところが、Virtual PCの仮想マシンはホストPCの設定に関係なく「IRQ=5」「アドレス=220」に設定されている。そのため、先ほどの質問で「Yes」と答えると、設定ツールはエラーを発行して、そのままゲームを起動することなく終了してしまう。


SSIのDOSゲームでは音源環境を設定するツールがまず最初に起動する。「サウンドは使わんのじゃ」というストイックなゲーマーは「CF.EXE」を起動すれば、この手順やタイトル画面をスキップしてゲーム本体がすぐに立ち上がる

 これを回避するには、「環境設定ツールでそのたびIRQとアドレスを入力する」「ゲストOSのハードウェア設定を変更する」「MS-DOSモードのAUTOEXEC.BATで“SET BLASTER=A220 I5 D1 H5 T6”記述を変更する」の3種類の方法が考えられる。

 「SET BLASTER=A220 I5 D1 H5 T6」はサウンドカードのリソースを設定する記述で、“A”でアドレスを、“I”でIRQを設定できる。SSIの設定ツールで指定される初期状態に合わせるなら、“A220”“I7”と変更することになる。


MS-DOSモードのAUTOEXEC.BATに記述されるSoundBlasterのリソース設定。「A」と「I」の設定を変更すれば、SSIの音源設定ツールをデフォルトで切り抜けられる

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