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Virtual PCで空母戦ウォーゲーム「CARRIER STRIKE」を復活させる勝手に連載!レトロ「PC」ゲームが好きじゃー(3/5 ページ)

「Ultimaはどうしたっ」という声を無視してひたすらレトロPC「ウォー」ゲームを復活させるこの連載。ついに日本男子お待ちかねの名作空母戦の登場である。今回はSSIゲームを起動するときに引っかかる「Virtual PCのサウンド周り」についても解説しよう。

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ボードの雰囲気を「意図的に」残したCARRIER STRIKE

 最近になって知ったことだが、CARRIER STRIKEは先ほど紹介した「CARRIER FORCE」デザイナーの手による、リニューアルバージョンである。CARRIER FORCEが「FLAT TOPをコンピュータ化した雰囲気」と評されていたように、 CARRIER STRIKEもボードウォーゲームのデザインをそのままPCに持ち込んだゲームデザインになっていた。

 CARRIER STRIKEはターン制を採用しており、ゲーマーとPC(このゲームには人間同士、PC同士の対戦モードもある)が順番に作戦を入力してその結果を同時に適用する。艦船や航空機、兵器のデータと再現できる事象はPCを使っているだけあって細かい。1ターン20分。1ヘクス17海里。ユニットは1隻1機単位は当たり前として、爆弾や魚雷も1発単位で命中判定と与えた損害が評価される。

 艦船のデータ項目は最大速度に耐久力、装甲値、そして搭載する兵装。艦船の攻撃力は搭載する兵装に定められた「対艦威力」(もしくは対空威力)「射程」「命中精度」で表現される。航空機のデータはもう少し抽象化されているが、それでも「格闘能力」「打撃力」「搭載能力」「航続距離」が設定され、さらに部隊ごとの「経験値」が決められている。


零戦21型(上)とF4F-3(下)のデータ。空戦は「dogfight」(格闘能力)と「experience」(経験)を比較して命中が判定され、命中した場合に与えた損害は「cannon」(打撃力)と「durability」(耐久力)を比較して評価される。こういうデザインならば、「身軽で打たれ弱い零戦」「鈍重で頑丈なワイルドキャット」という違いが表現できる

 CARRIER STRIKEは、その後登場する「Carriers at War」とともに「空母戦を扱ったPCウォーゲーム」としてよく比較されるようになる。このときCARRIER STRIKEの欠点としてあげられるのが「あれはPCゲームじゃないよ」といわれる「ボードウォーゲームと同じ操作」だ。

 PCによるコマンドコントロールを大幅に取り入れたCarrier at Warと比べて、CARRIER STRIKEは、とくに艦隊航空作戦に関してユーザーが細かく「介入」できるように、言い方を換えれば、細かく操作しなければならないデザインになっている。

 CARRIER STRIKEでは、空母搭載の艦上機は「格納中」「給油と武装」「飛行甲板で発艦待機中」と状態を移行する。航空機の状態を変更するためには「整備ポイント」を消費(格納庫と飛行甲板を行き来するには“エレベータポイントも消費)しなければならない。


艦上機は空母で「待機」「武装給油中」「発艦待機」「任務中」「着艦」というサイクルで遷移する。搭載できる武装には「陸用爆弾」「徹甲弾」「魚雷」を選択でき、ミッドウェー海戦のように武装の交換で頭を悩ませる局面にも遭遇する。もちろん武装と給油ができた艦上機が格納庫や飛行甲板にあるときに被弾すれば「誘爆」する可能性もある

 飛行甲板で待機中の航空機には「CAP」「索敵」「対艦攻撃」「対地攻撃」の任務を振り分けて発艦させるが、そのとき空母は風上に向かって進まなければならない。

 発艦した航空隊、もしくは航空機はその武装の状態で制限される速度で進撃する(重い魚雷を搭載すると速度が遅くなる)が、敵艦隊の予想位置にたどり着いてもその上空を雲が覆っていれば、敵影を発見できずに旋回するだけ。そもそも索敵機が報告してきた敵艦隊の位置が間違っている可能性も少なくない。

 敵艦隊が見つからずに攻撃隊が付近を捜索しているときに、別な艦隊が発見されたら、旗艦から新しい目標に向かうよう指令を出すこともできるが、その場合、その電波を逆探知されて自分の位置を暴露してしまう可能性もある。


CARRIER STRIKEでは電探も再現されている。首尾よく敵艦隊に到達して攻撃をかけると空対艦戦闘の処理が自動で進む。空対艦戦闘の処理はボードゲームのように「CAP対護衛機」「CAP対攻撃機」「対空砲火」「爆弾魚雷投下」となる。爆弾と魚雷は一発単位で命中と損害が評価される。命中の評価で攻撃した部隊の練度が影響するのは空戦処理と同じだ

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