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インタビュー

一歩先を行く「アフォーダンスデザイン」を意識したのがXbox 360プロジェクト「Xbox 360」(1/5 ページ)

12月10日に発売される次世代機Xbox 360。このデザインに日本人がかかわっていることは、ご存じの方も多いと思う。その当事者であるハーズ実験デザイン研究所の村田智明氏に、Xbox 360のデザインコンセプトなどについて話を聞いた。

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 マイクロソフトが満を持して発売する次世代機Xbox 360。現行のXboxとは異なり、日本市場を意識した仕様を作るとともに、ゲームのラインアップも同様の路線をたどっているのは、読者の方はご存じだろう。Xbox 360では、Xboxより本体デザインもブラッシュアップされており、縦置きも可能なスタイリッシュモデルとなっている。

 Xbox 360をデザインするにあたり白羽の矢が立ったのが、大阪に本拠を置くハーズ実験デザイン研究所。同社の代表取締役であり、Xbox 360のデザインを担当した村田智明氏にインタビューする機会を得た。Xbox 360のデザインにかかわった経緯やそのコンセプト、そして村田氏が取り組むプロジェクト「METAPHYS」について話を聞いた。

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村田智明氏。ご存じの方もいるかもしれないが、フジテレビの「ニューデザインパラダイス」第38回で放送された「作品番号40 コンセント」も村田氏のデザインだ

――どのような経緯から、Xbox 360のデザインにかかわるようになったのですか?

村田智明氏(以下、敬称略) インターネットなどで、デザイナーの情報を集めて探していたようですね。2003年の1月ごろだったでしょうか。日本のマイクロソフトの方から「会いたい」というメールが来まして、代田橋(注:Xbox事業本部がある場所)で、アメリカから来ていたジム・スチュアート氏とドン・コイナー氏にお会いしました。そして「デザインコンペに参加してほしい」と言われて、企画が始まったわけです。

――コンペに参加されたあとは、どのように進んでいったのですか?

村田 最終的に全12社がコンペに参加することになったんですが、そのときのデザイン条件として示されたのは、小さくて“スクエア”なスペックが提示されました。「ずいぶんと小さくなるんだなぁ」と思いましたけど。そのサイズの中に、DVDドライブのローディング場所を用意するとか、USB端子が存在するとか、そういったスペックを聞いて、デザインがスタートしたわけです。

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そして作られた最初のモデルがこれ

――ということは、初めから大きさが決まっていて、そのサイズでデザインをしてくれ、と言われたわけですね。

村田 そうです。各社共通の情報を与えられて、世界中で一斉にデザインがスタートしました。

――最終的に「採用します」という通知があったのはいつごろですか?

村田 それは、コンペのスタートからかなり後になりますね。その間には気の遠くなるようなストーリーがあるんですが……。

 各社ともそうだったと思いますが、我々も6案ほどデザイン案を出して、加えてうちの場合は3Dのムービーを作って提出しました。そのうちの2案が採用されて、モデルを作りました。提示された、スクエアなスペックに基づいてのデザインは、結構作りやすかったですね。

 結果的に採用されたのは各社あわせて12案だったと思いますが、今度はそのデザインに基づいてモデルを作り、全世界でリサーチをかけたそうです。この形は日本人が好みそうだとか、アメリカの人が好みそうだといったことを調べたわけですね。Xbox 360はワールドワイドモデルですので、世界的に通用する形はどのような方向にあるのかを調べるのがねらいでした。

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