3万円でゲームが快適に遊べるPCは組めるのか? 貧乏買い大作戦(3/5 ページ)
ネットゲームが百花繚乱の時代を迎えているが、意外にも動作環境が厳しいものが多い。そんな折、突如予算3万円でPCを組み立てて欲しいとの依頼が入った。かなり無理があると思いつつも引き受けてしまったので、その顛末をお届けしよう。果たして、3万円でPCは組み立てられるのか? 作ったPCで、無料(一部有料)のネットゲームは快適にプレイできるのか?
買う順番は、車を使わないなら軽いパーツから
今回、最初にあちこちを巡って値段を調べたのは、身軽に動きたかったため。安いパーツを見つけるたびに買ってしまうと、後に行くほど荷物が重くなり、探し回るのが面倒になってしまうためだ。ということで十分な検討を重ね、お店を回ってついにパーツを購入する。ケース5480円・CPU4482円・メモリ4180円・光学ドライブ4704円・マザーボード5280円・HDD4280円となった。しかし、ここでハタと気づく。中古CPUということは、グリスもほしいのではないのか? ないと、ファンへうまく熱が伝わらないのでは? ということで、残った残金に心配しつつパーツショップへ出向くと、良さそうなグリスを発見、購入した。値段は714円で、なんとか手持ちの予算で買うことができ、最終的に残った金額が880円。ギリギリ3万円以内に収めて、心に清々しさと虚しさを同時に感じたのはヒミツだ。
ただし、時間がたくさんあるという人は、1日かけて秋葉中をチェックし、最安値を調べてから翌日に買い物に行くのが、一番ベストな行動パターンだろう。なお、パーツを買う順番としては、小さいものから大きいものへと購入するのがいい。ケースのように重いものを最初に買ってしまうと、その重量故にどこへも行きたくなくなってしまうからだ。
だが、これは徒歩で来ている場合の時だけ。車という交通手段をとれる場合や宅急便で送れるならば、この限りではない。秋葉原には、持ち込みにも対応した運輸会社のお店があるので、すべてのパーツを買ってそこへ持ち込み、自分宛に宅急便を出すという方法も便利だ。
とはいえ、今回は3万円しかないので宅急便はパス。大人買いPCとも違い、担当編集者を呼び出して車で持ち帰ってもらうなんて言うのは、さらに論外。グダグダと泣き言をつぶやきながら、全パーツを重い思いをして自宅へと持ち帰ったのだった。やはり、貧乏買いPCはツライ……。
なお、今回紹介した買い物方法や購入したブツは、あくまでも一例に過ぎない。時期や運によって、これよりもっと上手に揃えられる人もいると思うので、参考にできる部分は使い、個人的にイケていないと思った部分は自己流に置き換えてもらえれば、ベストな買い物ができるだろう。
やっとのことで、組み立て工程に
この寒い中、大汗をかきながら持ち帰ってきたパーツの包装を解き、早速組み立て作業に入る。どのパーツも、初期不良に対しては交換がきくようになっているので、購入したら早いうちに組み立てて、動作確認を行うのがベストだ。
ここから先は、何度も体験している行程だけに手慣れたもの。まずはPCケースの側面にマザーボードをねじ止めし、そこへCPUやCPUファン、メモリなどを差し込む。あとはHDDや光学ドライブをケースにはめ込み、ケーブル類をつなげば終わりだ。よく悩むのが、ケースとマザーボードをつなぐ電源やリセットスイッチなどの配線の位置。これは、とりあえず電源さえ間違えなければ、あとは反対に接続しても壊れたりはしない。繋いでみて動かなければ向きを反対にすれば、問題なく動くはずだ。
一通り接続できたなら、最初はフタを閉めないまま電源を入れて起動確認。なんてことなく立ち上がったので、3万円PCでは可愛そうと思い、しばし名前を考える。貧乏買いPCということで、この際だからPOORPCでいいか。そう決まれば、フタを閉めてWindowsをインストール後、早速さまざまなオンラインゲームでスピードをチェックする。が、その前に、少しだけベンチマークソフトを動かしてみた。このマザーボードはビデオ出力を内蔵していて、使用しているチップがS3 ProSavageDDR。しかし、よくよくスペックを見てみると、ビデオメモリはメインメモリから最大32Mバイトしか取れないし、ハードウェアT&Lにも対応していない。ということで試してみたものの、ベンチマークテストの結果は散々。これでは、他のゲームもやばいんじゃ……と、一抹の不安が頭をよぎる。一応、マザーボードにはAGPスロットも付いているので、最終手段としてAGP対応のグラフィックスカードを接続すればいっか、そんな軽い気持ちで考えながら、各種オンラインゲームをインストールして遊んでみた。
各種ゲームは動くものの、動作内容は……
まずは、ネクソンの「メイプルストーリー」を試してみる。無料で遊べる横スクロールのアクションRPGだが、要求されるスペックが推奨環境でもCPUはPentium III/1GHz、ビデオメモリはメモリ32Mバイト以上ということで、それほど高くない。これなら大丈夫だろうと思って動かしてみると案の定、特に何の問題もなくすいすいと遊べた。というか、ついつい遊びまくってしまった。こんなところで時間を取るわけにはいかないのが分かっていたのにも関わらず、この失態。もっと、動きがガクガクしていたならば、すぐにやめられたのにと、ゲームに責任をなすりつけたところで、次はゲームポットの「スカッとゴルフ パンヤ」にチャレンジ。
要求されるスペックは思った以上に高く、推奨環境ではCPUがPentium 4以上、グラフィックスカードはGeForce3Ti以上。さらに、ビデオメモリも64Mバイト以上と、まさに本機にとっては高いハードル。これはダメか? と思いながらインストールしてみると意外や意外、普通に遊べるレベルだった。ボールを打つときには支障ないのだが、飛んでいる途中などに若干の処理落ちが見られる程度。これなら許容範囲だろうということで、次はスクウェア・エニックスのファイナルファンタジーXIを……と思ったのだが、その前にFINAL FANTASY OFFICIAL BENCHMARK(FFBench)3を実行して、ファイナルファンタジー XIに耐えられるのかどうかをチェック。ところが、FFBenchが何をやっても起動しないのだ。注意書きには、ソフトウェアT&Lでは起動しない旨が。ベンチマークすら動かないと言うことは、当然ながら製品版も無理っぽいということで、さっさと諦めた。
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