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小畑さんが描く華やかでポップな外見とは裏腹な、本格志向の「義経」でブームを締めくくる「義経紀」レビュー(1/4 ページ)

大河ドラマの影響か、源平の争乱が各方面で話題を集めた2005年。ゲーム界において、そのトリを務めるのが、この「義経紀」だ。人気漫画家・小畑健さんのキャラクターデザイン、さらには田中敦子さんや大塚明夫さんをはじめとする実力派声優の演技を得て、悲劇の将の半生が華麗によみがえる。

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アクションRPG色の強い、本格的なシステム

 「義経紀」は、ステージクリアタイプのアクションゲームだ。プレーヤーは、主人公である義経を操作し、伊勢三郎、武蔵坊弁慶、那須与一、静御前という4人の仲間たちと日本各地で戦いを繰り広げていく。純粋な歴史物ではなく、敵には妖怪、怨霊、鬼などのちみもうりょうが登場。平安時代末期を舞台にした、伝奇アクションなのだ。

 システム的に見ると、顕著な特徴として、アクションRPG色が強いことが挙げられる。義経たちは敵を倒し、経験値を得ることでレベルアップしていく。これはかなり重要で、レベルが低い状態では、攻撃力・防御力ともに低く、苦戦は必至だ。

 本作では、持てるアイテムの総数が決まっており、さらに同一アイテムは9個までしか持てないようになっている。そのため、レベルが低い状態で無理矢理先へ進もうとすると、ダメージを受ける→回復アイテムが足りなくなる→撤退という、悪循環に陥ってしまう。戦い慣れた敵が相手なら、ノーダメージで倒すことも可能だろうが、初めて出くわした敵や、数が多い場合などは簡単にはいかない。ナメてかかると痛い目に遭うだろう。

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すべての武器には損傷の概念がある。どんな名刀もずっと使っていると、どんどん切れ味が悪くなっていってしまう。そのため、戦闘には切れ味を回復する「砥石」を携行することが必須。仲間のひとりである那須与一は弓を使うが、この場合も弦が傷んでいく。予備の弦がないと、ボス戦のときにはまともに弓が撃てない、という最悪の状況を招くことさえある

歴史上の名場面をステージとして再現

 物語は、義経の幼少期、まだ牛若丸と呼ばれていたころから始まる。平家の目を逃れて鞍馬山に潜んでいた時代から、奥州・平泉への逃亡、そして兄・頼朝の挙兵に応じてその幕下に馳せ参じ、木曽義仲や平家一門と戦っていく過程が、歴史の時間軸に沿って展開していく。クライマックスは当然、平家との最終決戦、壇ノ浦だ。

ステージ構成

No 戦場 操作キャラ 主要敵
1 鞍馬山 牛若丸 大天狗
2 平安京 牛若丸 酒呑童子
3 奥州平泉 牛若丸 平国香
4 宇治川 義経 木曽義仲、巴御前
5 平安京 義経 酒呑童子(再戦)
6 一ノ谷 義経 平家の軍勢
7 屋島 義経 平家の軍勢
8 壇ノ浦 義経 平家の軍勢

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ステージ間に移動は、このマップ上で行う。なお、1度クリアしたステージには、何度でも再挑戦が可能。仲間のレベルに差がついてしまったときなどは、これを使って鍛えるのが有効だ

 各ステージは、情報収集や武器・アイテムの購入などを行う「ホームタウン」と、敵との戦闘を行う「クエスト」に分かれている。例えば、第1ステージとなる鞍馬山の場合、牛若丸が預けられている寺の周辺がホームタウン、そこから山中に入るとクエスト開始という構造になっている。

 さらに、各ステージには、サブクエストと呼ばれる、小規模のクエストが用意されている。メインストーリーを進めていくだけでもゲームはクリアできるが、サブクエストは経験値や金を稼ぐことができる絶好の機会。ホームタウンで情報を集めれば、簡単に始めることができるので、なるべく無視せずにチャレンジしたいところだ。

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サブクエストの内容は、味方に情報を届けたり、略奪を受けている村を救うなど、実にさまざま。ただし、いずれの場合も敵兵や妖怪たちとの戦いが待っている。メインのクエストに比べると短い場合が多いが、それでも準備なしでクリアできるほど、甘くはない。油断は禁物だ
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