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小畑さんが描く華やかでポップな外見とは裏腹な、本格志向の「義経」でブームを締めくくる「義経紀」レビュー(2/4 ページ)

大河ドラマの影響か、源平の争乱が各方面で話題を集めた2005年。ゲーム界において、そのトリを務めるのが、この「義経紀」だ。人気漫画家・小畑健さんのキャラクターデザイン、さらには田中敦子さんや大塚明夫さんをはじめとする実力派声優の演技を得て、悲劇の将の半生が華麗によみがえる。

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剣の道を極めることの意味

 本作で戦闘を有利に進めるには“いかに敵のすきを突けるか”という点にかかっている。真っ正面からの攻撃に対して、敵は的確にガードしてくるからだ。真っ直ぐ突っ込んで、ひたすら攻撃ボタンを押していても、派手な火花が散るだけ。いたずらに剣が傷むのが関の山なのである。

 では、どうするか。基本は、防御しながらのシフト移動だ。これは、敵のほうを向いたままで、その側面に回り込む行動。この際、敵をロックオンした状態になっているので、攻撃ボタンを押せば、即座にその相手に斬りかかることができる。まずは正面から向かい合い、それからシフト移動しながらすきを探し、チャンスと見たら斬り込む、というのがセオリーとなる。

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防御状態を保ったまま、敵をロックオンして側面に回り込めるシフト移動。この使い方を修得できるかが、戦闘の難易度を大きく変える

 1度攻撃をヒットさせると、敵のガードが崩れ、無防備状態になる時間が発生する。ここで一気にコンボを打ち込む。コンボは、モーションの小さい小攻撃を何発か打ち込んでから威力の高い大攻撃を繰り出す攻撃方法だが、このときの大攻撃は単体で出すときに比べて遥かにモーションが小さく、敵から反撃される危険性が少ない。非常に強力なコンビネーションだ。

 とは言え、実戦ではボス戦を除いて、つねに複数の敵が出てくる。防御は前面から来る攻撃に対してしか効果がないし、強力無比のコンボも途中でダメージを喰らうと途切れてしまう。

 だから、攻撃だけに夢中になってはいけない。ロックオンした敵はもちろん、画面内のほかの敵、そして見えない敵にも注意を払わなければならないのだ。画面には映らずとも、音に注意していれば、出現時の叫び声や歩いている音が聞こえてくる。パートナーが見えざる敵に向かって攻撃を繰り出していることもあるだろう(遠距離攻撃タイプの与一や静は、こうした画面外の敵を補足するのに役立つ)。自分が置かれている状況を総合的に把握しながら、一瞬のチャンスを確実に活かして敵を1体ずつ倒す。これが義経紀の基本攻略法なのだ。

 こうした互いのすきを伺い合う戦いは、まさに剣豪同士の戦いをほうふつとさせる。下手に動いて攻撃を空振ったりしたら、目も当てられない。もし、そこへ敵からのコンボを受けたら、大ダメージを喰らってしまうだろう。その時、周囲にほかにも敵がいたら、追撃を受けてそのままゲームオーバーになってしまうかもしれない。一瞬の油断が命取り。この緊張感はアクション好きにはたまらない魅力だ。

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金さえあれば、武器屋でより威力が高い武器を買うことはできる。ただ、剣には、人間、妖怪、怨霊、鬼という4種族への攻撃ボーナスがあり、戦闘で敵を斬った剣は、その敵が属する種族に対して、わずかずつ威力を増していく。剣の威力は、基本攻撃力だけを比較するだけでは計れない。高い金を払って武器を更新するか。同じ剣を使い続けて徐々に鍛えていくか。すべてはプレーヤーのスタイル次第なのである
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ボス敵を倒したり、サブクエストをクリアすると手に入ることがある特殊なアイテム「仏神」。メニュー画面から行くことができる「曼陀羅」で装備することで、新たなコンボを修得したり、各種のパラメータが上昇したり、ゲームオーバー時に蘇生ができるなどの特殊効果を得ることができる

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