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この冬、ディズニーキャラとFFキャラが奏でる壮大で痛快な一大オーケストラ「キングダム ハーツII」レビュー(2/3 ページ)

2005年の年末商戦真っ只中に発売された「キングダム ハーツII」は、ディズニーアニメのキャラクターとファイナルファンタジーのキャラクターが共演する人気シリーズの最新作だ。流麗なグラフィックと華麗なアクションと美麗なキャラクターが織り成す、キングダム ハーツの世界は今作でどうなっただろうか。その魅力を探っていきたい。

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個性的なキャラクターたち、充実のジミニーメモ

 今作の大きな魅力の1つは、何といってもその生き生きと描かれたキャラクターたちだ。FFシリーズからの登場キャラクターも増え、ディズニーアニメからの新登場キャラクターも大勢いる。特にディズニーアニメのキャラクターは、元々セル画で描かれていたキャラクターが3Dで描かれていたりするのだが、「KH」以上にそのグラフィックの完成度は高く、感動的ですらあった。最近は珍しくもなくなったが、ムービー上のキャラクターの口の動きが台詞の母音とあっている点も物語への没入を手助けしている(英語版ではグラフィックを変更するのだろうか? と余計な心配をしてしまう)。豪華な声優陣のいい仕事にも着目したいところ。

 個人的には心の底から大ファンな「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の世界と、今作で初登場の「蒸気船ウィリー」の世界には特に心動かされた。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は「KH」でも堪能できたが、またあの世界にやってこれた、というのが素直にうれしかったし「蒸気船ウィリー」の世界も歩いているだけでウキウキするような感覚を覚えた。モノクロームのレトロな映像を再現しつつ、全体とのつながりを崩さないというバランス調整の難しそうなところを見事にやってのけていたように思う。

 また、キャラクターの魅力という点では、メインキャラのソラ、ドナルド、グーフィーの掛け合いが楽しい。すっかり欲張りキャラになってしまっているドナルドとおっとりした喋りの割に根はしっかりしてて鋭い対応を見せるグーフィー、そして時折お調子者な面を覗かせる主人公ソラ。このトリオの魅力が作品全体に大きく貢献しているといえよう。また「KH」ではラストにしか登場しなかった王様が、今作ではピンポイントで効果的に登場し、ストーリーに彩りを添えているという点もかなり好印象だ。やはりディズニーアニメといえばこのキャラクター。出てくる度に「おぉー」と反応してしまったのは筆者だけではないはずだ。

 今作はさまざまなゲームやアニメのキャラクターが登場するので、さながらフェスティバル的な様相を呈しているが、それを深く楽しむためには元ネタを知っているほうがよいというのは当然といえば当然だ。だが、プレイする人がすべての元ネタを知っているかといえばそうではない。かくいう筆者もFFシリーズ、ディズニーアニメ、それぞれ思い入れを持って見られるキャラクターは今作の7割くらい。そこで残り3割の空白を補完するのに役立つのがジミニーメモだ。「KH」でもおなじみのジミニーメモは今作でも健在。各キャラクターの出典やプロフィールを読むことができるので、FFシリーズをよく知らないディズニーファンや、ディズニーアニメをあまり見ないFFファンなどは目を通しておいたほうが今作をより楽しめることだろう。

 またジミニーメモはプレイの指針を確かめるときにも役に立つ。自分が今何をすればいいのか分からなくなったときにジミニーメモを開けば「○○を通って△△に会いに行け」というような指示が出ているので、非常に助かる。特に数日ぶりに今作を再開するときなどには重宝するはずだ。

分からないことはジミニーにおまかせ!

△が押したくて…! 〜魅惑のアクションの数々

 「RPGは好きだけどアクションは苦手で…」という方もいるだろう。ご安心いただきたい。今作では最初に「ビギナーモード」「スタンダードモード」「プラウドモード」から好きなモードを選べる。アクションが苦手ならビギナー、アクションに自信ありならプラウドでプレイしてみよう。

 今作のアクションパートは「KH」の流れを汲んだものだが、そのビジュアル面、操作面においてかなりのパワーアップが図られていると感じた。気持ちよくつながるコンボ、ドライヴゲージがたまることで発動するドライヴ、各ワールドのキャラクターとの派手な連携技、頼もしい召喚など、アクションの豊富さは枚挙にいとまがないが、特に秀逸なのが△ボタンで発動するリアクションコマンドだ。

 バトル中にタイミングを見計らって△ボタンを押すことで出る技、と言ってしまえばそれまでだが、これが相手によって動きや効果も変わってくるから面白い。特にボス戦での△の活用は、今作の要と言ってもよいくらいだ。自分の何倍もある大きなボスキャラクターの足をよじ登るときに△を押したり、風圧で空を飛ぶ際に△を押したり。とかく△でアクションを起こしては攻撃に結びつける、という発想が、うまく面白さに直結している。

 またアビリティが増えれば増えるほど、通常の○ボタン攻撃も痛快なものになっていく。魔法による攻撃もプレイの進行に即して強力に。このあたりはRPGとしての「成長」をうまくアクションと連動させている面だと思った。

 ちなみに物語の中盤で、半端ではない数(何体なのかは内緒。とにかく尋常ではない!)のハートレスと戦わなくてはならないイベントが発生するのだが、このときの爽快感はすさまじかった。○と△と□と×、4つのボタンをフル稼働して画面上のハートレスをただひたすらに倒し続けるという内容に今作のアクションバトルの頂点を見た気がした。これはぜひに体験していただきたいイベントだ。

 今作におけるバトルが痛快なものである点は太鼓判を押すが、残念なのは「KH」でできたドッジロールがなくなっている点。あの独特の潜り込む動作が好きだった筆者は、それだけが心残りだった。ちなみにレベル上げに関してはプレイしているあいだ特に意識することがなかった。とにかく逃げずに倒していけば、いつのまにかレベルが上がっていたのだ。このあたりは評価が別れるところかもしれない。強い敵を倒すためにレベル上げのバトルを繰り返して着実に強くなる主人公を見たい、という人もいれば、レベル上げのためのバトルはめんどくさい、という人もいるだろう。後者であれば今作はすんなり馴染むはずだ。筆者は「バトルは面白くなきゃダメだけど、バトルに明け暮れるのはつらい」派なので、今作のバランスは受け入れることができた。

爽快なアクションでハートレスやノーバディを打ちのめせ

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