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この冬、ディズニーキャラとFFキャラが奏でる壮大で痛快な一大オーケストラ「キングダム ハーツII」レビュー(3/3 ページ)

2005年の年末商戦真っ只中に発売された「キングダム ハーツII」は、ディズニーアニメのキャラクターとファイナルファンタジーのキャラクターが共演する人気シリーズの最新作だ。流麗なグラフィックと華麗なアクションと美麗なキャラクターが織り成す、キングダム ハーツの世界は今作でどうなっただろうか。その魅力を探っていきたい。

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装備、アビリティ、合成、そしてグミシップ! 〜細かく遊べるカスタマイズ

 簡単かつ爽快なアクションは文句なく面白い今作だが、各項目のカスタマイズの楽しみも目を見張る充実っぷりだ。

 装備に関しては各キャラクターごとに相当数の選択肢がある。身につけられる防具やアクセサリーの数はレベルが上がったりボスを倒すことで増えていくので、最初はどれをつけようか迷っていたリングも、そのうちに2個3個と装備できるようになるだろう。アクセサリーはAPがアップするものがお勧め。APとはアビリティポイントのこと。APが増えればより多彩なアクションを起こせてバトルの自由度が広がる。特にソラは多くのアビリティを覚えるので、APを増やすことはそのまま強さにつながる。

 アビリティは本当に多くの種類が存在する。装備しているだけで効力を発揮するものや、バトル中に適切なタイミングで□ボタンを押すことで発動するものなど、実にさまざま。序盤で覚えるライブラは敵のHPが分かるアビリティなのだが、これはまず装備しておくといいだろう。特にボス戦ではバトルの進行度を把握できるのでかなり便利だ。

 FFシリーズのマスコット的存在モーグリは、セーブポイント付近にショップ機能を携えて現れる。普通にアイテムの売買をすることもできるが、モーグリがやってくれるのはそれだけではない。敵から得た特殊なアイテム(ミスリルのかけら、透きとおるしずく、など)をモーグリに渡せば、アイテム合成をしてくれるのだ。最初はおまかせ開発という項目で合成できるものをどんどん合成していこう。合成するたびにモーグリの経験値が溜まりレベルが上がっていく。冒険中にどこかでレシピを入手すれば、そのレシピが追加されるなど、とにかくやり込み要素が満載。バトルのモチベーションアップにもつながる、ディープな要素だ。

 ディープといえば、今作のグミシップエディットは「KH」以上に深い!グミシップとは、ソラたちがワールド間を移動する際に用いる宇宙船。新しいワールドに行く際はグミシップを駆使したシューティングゲームをプレイし、目的地に着くまでのあいだに敵機を打破していかなくてはならない。

 グミシップはグミシップで1つの独立したゲームであるかのように、できることがてんこ盛りだ。一度クリアしたルートでも更にミッションが追加される。プレイ中に拾ったりミッションをクリアしていけばシップ用のアイテムを入手でき、集まったアイテムでグミシップを自由にエディットできるのだ。「KH」よりも細かいエディットができるようになったという点は「KH」でグミシップにハマった人には朗報だろう。特にオリジナル設計図を選択するとマテリアルグミを使ったボディ作成とデコグミエディットを使った機能追加が存分に楽しめる。シューティング好きやレゴブロックが好きな人にはお勧めだ。

 ただ逆にシューティングが苦手な人やシップのエディットに興味がない人には微妙な要素ではあると思う。ひとまず新ワールド突入時に避けては通れないシューティングステージに関してはそれほど難しくないので、その点は安心してほしい。

ひたすらやり込んで最強の装備を目指すのもいいかもしれない

年末年始にやっておきたい「心」に響くアクションRPG

 多彩なキャラ、多彩なアクション、多彩なカスタマイズ、という要素を見ると非常に自由度の高い今作ではあるが、ストーリーは確固たる一本道で、進むべき道はあらかじめ決まっている。その点も賛否両論別れるところだとは思う。RPGに何を求めるかというところで「自由に育成して自由にその世界を楽しみたい」というのであれば今作以外のRPGを探したほうがいいだろう。「作り手が用意した世界観と物語に身を委ねながら主人公の行く末を見守りたい」という方なら、今作を手にとってみてプレイする価値は大いにある。

 各ワールドごとに細かく言及していきたいほどに、それぞれ魅力的なキャラクターやエピソードが満載な今作なのだが、筆者が色々と言い過ぎてしまうのも無粋だと思うので、割愛しよう。先にも述べたがFFファンでもディズニーファンでも、今作は楽しめることと思う。前作までをやり込んでいる「キングダム ハーツ」ファンなら尚更だ。

 人気タイトルの続編の宿命は「旧作と比べられてしまう」ということだ。カードバトルである「COM」とは比較が難しいが「KH」の正統続編にして1年後の同じ世界ということであれば、ファンは期待するし比べて見てしまうだろう。製作サイドにもおそらくそのプレッシャーはあったに違いない。しかしこのあらゆる面でのボリュームアップとプレーヤーを楽しませようハッピーにさせようという心意気の感じられる内容からすると、おそらく続編としては正しい進化を遂げたと言っていいのではないだろうか。

 筆者としてはぜひとも次回作を作ってほしいシリーズである。そして次回作には「トイストーリー」なんて入れてみてはどうでしょうかね、とわがままを言ってみたくなるのである。愛すべきキャラクターたちが紡ぎ出す「心」の一大絵巻にあなたも身を委ねてみてはいかがだろうか。

KINGDOM HEARTS II(キングダム ハーツII)
対応機種プレイステーション 2
メーカースクウェア・エニックス
ジャンルRPG
発売日2005年12月22日
価格7770円(税込)

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