青から黒、善から悪へ――“黒いハリネズミ”の伝説はここから始まる：「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」レビュー（4/4 ページ）

ソニックシリーズ作品「ソニックアドベンチャー2」で、ダークサイドの主人公として登場した「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」を単独の主人公として起用したシリーズ最新作。硝煙と悪のにおい漂うダークヒーローが、ソニックシリーズに新たな息吹を吹き込む。

[鷲尾トモノリ，ITmedia]

黒いハリネズミの伝説の始まり？

　シャドウ・ザ・ヘッジホッグをひとことで言うと、昔ながらのセガっぽさを受け継いだ硬派なアクションゲームと言える。操作はシンプルで取っつきやすいが、その分、プレーヤーにはそれを充分に使いこなすテクニックを求めてくるのである。各ステージも、序盤から比較的難度が高く、何度もやりなおして攻略法を研究していく必要があるだろう。どちらかといえば、根っからのアクションゲームファン向けの作品だ。

　その分、さまざまなやり込みに充分対応できるポテンシャルを持っていて、ステージやエンディングをすべて見るだけでも、かなりのやり応えがあり、隠しアイテム集めや好成績への挑戦など、極めるための要素もしっかり用意されている。

各ステージに5つ隠されている「シークレットキー」を集めると、秘密のトビラを開けることができる

　システム的には、視点の変化などに若干ストレスを感じる部分もあったが、ていねいな演出や細かい作り込み、遊び手を飽きさせない個性的なステージなどによって、プレイへの意欲を失わせないのはさすがという感じだ。

　そして、何といっても、シャドウというキャラクター、それ自体が魅力的だ。ソニックと同じ姿、同じ力を持ちながら、正義と悪の狭間を独り行く孤高のダークヒーロー。この作品で個性が確立した感のある彼には、他のソニックファミリーとは毛色の違った存在として、ぜひまた主役を張ってもらいたいものである。

クリアすると、タイムや獲得アイテムなどにより、A〜Eまでのランクがつけられる。好成績を出すのは難しい

シャドウ・ザ・ヘッジホッグ
対応機種	プレイステーション 2、ニンテンドーゲームキューブ、Xbox
メーカー	セガ
ジャンル	3Dアクション
発売日	発売中
価格	7140円（税込）