「スターソルジャー」映画ロケ地巡り:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
今回は「スターソルジャー」(ハドソン)、というより、高橋名人についてです。このゲームでの対戦を描いた映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人」のロケ地巡りをしてみたいと思います。
高橋名人VS毛利名人
今週は、一時代を築いたシューティングゲーム、「スターソルジャー」を取り上げてみよう。
早速プレーしてみた。
このゲームは難しい。ハイスピードでのボタン連打を続けなくてはならないし、後の時代のゲームと違って、ゲームオーバーとなってもコンティニューができない。初めからやり直しとなってしまうのだ。
攻略法を探るべく、映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」を見ることにする。タイトルのとおり、ファミコン名人・高橋利幸氏と毛利公信氏が、「スターソルジャー」で対戦する映画だ。
対戦は5本勝負。1・2本めは2分間でのスコアを、3・4本めは5分間でのスコアを、5本めは4面クリアーまでのスコアを争う。5本勝負での勝利数と、総得点で勝負を決めるのだ。
結果からいえば、勝利数は3対2で毛利名人の勝ち。総得点では高橋名人が上回った。ノーミスならば毛利名人が僅差で勝つが、ときどき高得点のボーナスを取り逃したときは、大きなミスの少ない高橋名人が勝つという展開だった。
両名人のキャラ設定がはっきりしているのも、この映画の大きな特長だ。
丸っこくていかにもパワーがありそうな高橋名人と、若くてやせててかっこいい毛利名人。
プレースタイルもそれぞれ特徴があって、16連射を途切れなく続ける高橋名人に対して、毛利名人は連射スピードこそ14連射とやや劣るものの、自機(シーザー)を的確に動かして敵を狙い撃つ。そして敵のいない場所ではあまり弾を撃たない。
仮面ライダー1号・2号になぞらえて、“力の高橋、技の毛利”と呼ばれていた。
「GAME KING」の対戦は、その派手な演出も含めて、e-Sportsあたりの参考になるのではないだろうか?
対戦そのものもおもしろかったが、もっとおもしろかったのがオープニング映像。両名人が対戦する前に、それぞれ特訓を行なっているのだが、その特訓がすごい。いろんな意味で。
高橋名人は指先を鍛えるために、工事現場で働いたり、ロッククライミングしたり、指でバイクを止めたり、指でスイカを割ったりする。
対する毛利名人は、スポーツジムで体を鍛えるとともに、集中力を高めるため、プールサイドでトランプを立てて三角の塔を作る。
トランプの塔が完成し、毛利名人がガッツポーズをしたと同時に、高橋名人が座禅を組んでいた山奥のお堂に雷が鳴って雨が降る。なぜか高橋名人が外に出て、雨を全身で受け止めたところでオープニングが終わる。
2人が実在の人間とは思えないくらい、破天荒な超人ぶりを発揮していておもしろい。
「スターソルジャー」をもっとうまくプレーするために、私も彼らが特訓した場所へ行ってみたいと思う。
「GAME KING」ロケ地めぐり
高橋名人が指1本でバイクを止めた伝説の場所は、新宿中央公園の多目的運動広場だ。映画収録の後、公園のすぐ隣に都庁が建ったため、当時と同じ景色は見られなかった。
東京全日空ホテル。毛利名人がトランプを立てたプールの真下で、今ではCESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の総会や、新年賀詞交歓会などが毎年行なわれている。
ここまでは、建物の形や景色から容易に特定できるロケ地。特定が難しかったのが、高橋名人が座禅を組んで、雷雨に打たれたお堂だ。
映画のエンディングを見てみると、「協力」の項に「栃木県塩原温泉観光協会」と出てきた。
ほかに塩原温泉が出てくる場面がなかったので、このお堂が塩原にあるに違いない。そう思ってネットで調べてみたけれど、それらしいお堂の写真は見つからず。
これは実際に行って調べてみるしかない。東北新幹線の那須塩原駅からバスで約1時間。塩原温泉にやってきた。
ぼたん園で有名な妙雲寺に入ってみたら、本堂の隣に、目当てのお堂が見つかった。
情報が乏しかっただけに、見つけたときは本当に感動した。
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