サッカーの面白さそのままに、しっかりとゲームに変化させる――これぞ“任天堂マジック”：「スーパーマリオストライカーズ」レビュー（3/4 ページ）

これまでゴルフやテニス、野球など、さまざまなスポーツで勝負を繰り広げてきたマリオたち。そのマリオが今度はサッカーに初挑戦!!　テーマはなんでもありの「ファイティングサッカー」というだけあって、普通のサッカーゲームとは一線を画している。ひと味もふた味も違う「スーパーマリオストライカーズ」の面白さを探っていこうと思う。

[磯野正学，ITmedia]

華麗なパスとシュートでゴールを狙え

　シュートボタンを長く押せば押すほど、強力なチャージシュートを撃てるのも本作の特徴のひとつだ。ただ、どんなに強いチャージをためようとも、ゴールキーパーの反応が良いので、ただシュートを撃つだけではなかなかゴールを奪うことができない。そこで重要になってくるのが「パーフェクトパス（シュート）」と「スーパーストライク」という2つのテクニックとなる。

　パーフェクトパスは、ゴール前でフリーになっている味方にパスを出すことで発生するもので、このパスをダイレクトでシュートすると、威力の高いパーフェクトシュートになる。パーフェクトパスのきっかけは、ボールを持っていない選手が“ここに蹴って!”と指をさすしぐさ。その動きを見せた選手にパスした瞬間、ボールの軌跡が鮮やかな緑になるのである。この、ちょっとした動作を見逃さなくなった時、“あ、オレって今、司令塔だ”と、頭脳派パサー選手になった気分を満喫できる。少なくとも筆者は、これに陶酔した。

　一方のスーパーストライクは、相手の陣地にいるときにキャプテンのみが撃てるもの。いわば必殺技ともいえるシュートだ。某サッカーマンガのように、空中で選手とボールがスローモーションになり、必殺技であることを強調する炎のエフェクトがかかる。そして繰り出されるキックはもはやアニメとしか表現のしようがない演出で、思わず“さぁ〜マリオ選手、宙に浮いたぁぁ〜っ、こっ、これは、伝説の○○かぁっ!?”などと、勝手に実況したくなってくること請け合いだ。

シュートのボタンを押し続けるとメーターが表示されるので一旦ボタンを離す、針がメーター左側にある緑色の部分に来たらシュートボタンを押す（写真左）。戻ってきた針が右側の緑色に重なったところで、再びシュートボタンを押す（写真右）

緑色に合わせられなくても「スーパーストライク」は撃てるが（写真左）、2回とも緑色に合わせると最も強力なシュートを撃てる（写真右）

　なお、スーパーストライクが発動した際には、ゴルフゲームのようなゲージが表示される。針の位置をゲージの緑色内でタイミングよくボタンを押すと、より威力が高くなるのだ。これが完璧なタイミングだと、ゴールキーパーをゴールネットに叩きつけるようなシュートになる。これでゴールを決めると2得点入るので、負けているときでも逆転を狙える。ただしすきは大きいので、ためている間に相手に邪魔されやすいのが難点だ。

　パーフェクトパスとスーパーストライクのどちらにも共通しているのは、味方をフリーにさせることが重要ということ。つまり、近くに相手選手がいない味方にボールをまわしていれば、必ずチャンスが巡ってくるという仕組みなのである。その点を意識してさえいれば、初心者でも簡単にゴールを狙えるようになるだろう。

ボタンを押した時間が短いと、威力は低いが相手の体勢が整う前にシュートを撃てる（写真左）。ボタンを押した時間が長いと、撃つまでに時間がかかるが、ゴールキーパーを行動不能にさせることもある（写真右）

Lボタンを押しながら、パスやシュートを放つと高い軌道でボールを蹴れる。ゴールキーパーの位置を見て使おう