サッカーの面白さそのままに、しっかりとゲームに変化させる――これぞ“任天堂マジック”:「スーパーマリオストライカーズ」レビュー(4/4 ページ)
これまでゴルフやテニス、野球など、さまざまなスポーツで勝負を繰り広げてきたマリオたち。そのマリオが今度はサッカーに初挑戦!! テーマはなんでもありの「ファイティングサッカー」というだけあって、普通のサッカーゲームとは一線を画している。ひと味もふた味も違う「スーパーマリオストライカーズ」の面白さを探っていこうと思う。
守備にも攻撃にも使える便利なアイテム
理屈は分かったが、具体的にどうやればフリーの選手を作ることができるのか? という人のためにアドバイス。フリーの選手を作るにはダッシュで相手を振り切るなどのさまざまな方法があるが、最も簡単なのがアイテムを使うことだ。
アイテムは初期状態で9種類用意されていて、それぞれ効果が違う。「キノコ」や「スター」で相手を寄せ付けずにフリーになることも、こうらや「ボムへい」で周りの相手を吹き飛ばしてしまうこともできる。
アイテムを手にいれる方法は複数あるが、「チャージシュート」を最大までためて撃つのが最も簡単に手に入れる方法だろう。チャージシュートとアイテムを併用すれば、非常に攻撃的な試合展開になる。ただし、アイテムは味方にも当たるので、使用時は注意が必要だ。筆者も何度かデイジーを吹き飛ばしてしまった。ゴメンね、デイジー……。
攻めていたと思ったら、もうピンチ!
チャージシュートやパーフェクトパス、スーパーストライクなどを使えるようになると、徐々に点が取れるようになってくる。だが、カップのレベルがあがってくると、相手もそういった技を駆使してくるので、0点に抑えるのが難しくもなる。点を取られたら取り返すという、常に攻撃的な試合展開になりやすいのも、本作の特徴のひとつだろう。ゴールを決めたとき以外、試合の流れが止まらないということもあって、攻守の入れ替わりの激しいスピーディな試合を楽しむことができる。
筆者は勢いに乗ってガンガン攻め込むほうが点を取りやすかったが、守備が手薄になりがちで、スコアがサッカーの試合ではなくなることも多かった。筆者のような相手と対戦する時は、相手の動きをじっくり見て攻めるという戦術が有効かもしれない。
危険なくらいに盛り上がる多人数プレイ
スポーツゲームといえば、やはり対戦が華である。本作は4人まで同時にプレイでき、プレーヤー同士の1対1の試合はもちろんのこと、プレーヤー4人対コンピュータという協力プレイもできる。
対コンピュータ戦で協力プレイをするというのも面白いが、ぜひプレーヤー同士の対戦も楽しんでほしい。隣にいる対戦相手が笑いながらアタックを仕掛けてきてボールを奪っていく。それが非常に腹立たしく、悔しいのだが、逆に相手を吹き飛ばして華麗にゴールを決めると、対コンピュータ戦にはない最高の快感にひたることができるからだ。
ルールも操作もシンプルなのに、ド派手で爽快感のある試合を楽しめる本作は、サッカーやゲームの初心者でも“一緒に遊んでみようよ”と誘いやすい。4人集まったら(例え2人でも)ぜひとも「スーパーマリオストライカーズ大会」を開催してほしいと思う。
ゲームのツボをよくご存知で……。
テニス、野球、ゴルフと、ひととおりのマリオスポーツ系は遊んできた筆者だが、そのたびに思うのが“任天堂はスポーツをゲームにアレンジするのがウマイ!”ということだ。細かいルールなど何も分からなくても、独自の世界観と独自のルールで“スポーツなんだけどスポーツじゃないゲーム”に変身させてしまう。この任天堂マジックには、毎度のことながら脱帽の思いを抱く。
本作もその歴代マジックに恥じない、見事なアレンジが施されている。当初は“マリオでサッカーなんて、難しくて誰も触れてくれないんじゃないか”と勝手に恐れていたが、プレイしてビックリした。“サッカーだけどサッカーじゃない”のである。
サッカーではないのだから、オフサイドがなくても、ファウルがなくても、スローインやフリーキックがなくても、まったく問題にならない。しかし、ボールを蹴る、ゴールに入れるというサッカーの一番面白い部分は、しっかりと表現されている。
スポーツをゲームにアレンジする、任天堂スポーツのマジック。そのミラクルが、また新たにひとつここに誕生した、といっても過言ではないだろう。
スーパーマリオストライカーズ | |
対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ |
メーカー | 任天堂 |
ジャンル | ファイティングサッカー |
発売日 | 発売中 |
価格 | 5800円(税込) |
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