タッチペンは「魔法の杖」、プレーヤーは「魔導士」に――あこがれが現実へと変わる:「ロストマジック」レビュー(4/4 ページ)
「ラクガキ王国」シリーズで新ジャンルを切り開いたタイトーが、タッチペンで魔方陣にルーンを描いて魔法を放つ、というニンテンドーDSならではのシステムを搭載した「ロストマジック」を世に送り出した。通常のアクションRPGともひと味違う新時代のアクションRPGを体感してみた。
魔導士としての成長=プレーヤーの腕の成長
本作の魅力が“魔方陣を使って魔法を唱えることができること”というのは間違いないだろう。だが、実はもうひとつそれと同じくらいの魅力が隠されている。それはゲームが進むにつれて“魔導士として上達していることが実感できる”という点だ。実際にタッチペンで魔方陣にルーンを描くのも、タッチペンで仲間を指揮するのもプレーヤー。つまるところ勝ち進むのはプレーヤーの腕によるところが大きい。
最初は失敗続きだった魔方陣も繰り返しているうちに徐々に成功率が上がっていくし、仲間の指示もすばやくできるようになる。上達していることが分かるのは、なんであれうれしいことだろう。
懐かしく、暖かい世界観
ここまでシステムのことに触れてきたが、キャラクターデザインも忘れてはならない要素のひとつだ。「世界名作劇場」などで有名な佐藤好春氏が手がけているのである。世界名作劇場といえば、子供から大人まで安心して見ていられる数少ないアニメ。本作もその雰囲気を残しているので、誰にでも受け入れられるテイストの作品だと思う。
ストーリーにも佐藤作品のテイストが生かされている。暖かくて懐かしいのだが、どこかで圧倒的な苦難が待ち受けている。そんな気持ちにさせる雰囲気が漂っているのだ。佐藤氏の作品を何かしら見たことのある人ならば、“そうだよね、そうなるよね”と共感するシーンがあるかもしれない。筆者も悲しいイベントが起こったはずなのに、妙に納得と安心感を伴った場面がいくつかあった。
誰でも遊べる難易度
本作の難易度は大人でも楽しめる、少々歯ごたえのある難しさになっている。だが、相手の使ってくる魔法や動きに応じて、どう対応すれば良いのかは、プレイしているうちにだんだんと分かってくるはずだ。簡単にはクリアできないが、考えればクリアできるようになる、絶妙のバランスと言えるだろう。
システムがシンプルなので、ゲーム初心者でも問題はない。年齢、性別、ゲーム経験の有無を問わず、誰にでもお勧めできるタイトルだ。中でも既存のアクションRPGに飽きてしまったという人には、ぜひともプレイしてほしいと思う。
ロストマジック | |
対応機種 | ニンテンドーDS |
メーカー | タイトー |
ジャンル | アクションRPG |
発売日 | 発売中 |
価格 | 5040円(税込) |
関連記事
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.