レアの次世代アクションは歯応えがあって美しく、何よりキャラクターが“キモかわいい”:「カメオ:エレメンツ オブ パワー」レビュー(1/5 ページ)
数年前から開発が行われ、やっと発売を迎えた本作。さまざまなモンスターに変身してバトルするという一番の見所は、コアなゲーマーが多いXbox 360ユーザー向け!? 今回のレビューでは、アクションゲーム本来の面白さにスポットを当てて紹介していこう。読者プレゼントもあり。
レアにとって“難産”だった本作
「カメオ:エレメンツ オブ パワー」(以下、カメオ)は、実は相当以前から開発が行われていたタイトルだ。最初はゲームキューブ用としてスタートしたのだが、レアがマイクロソフト傘下になったことでXbox用タイトルに変更。その後、2004年のE3で完成間近のプレイアブルデモが出展されるなど開発は順調に進んだように思われた。が、突如の延期。Xbox 360用としていちから作り直され、このたびやっと発売されたという経緯がある。
プレイしてまず感動したのは、その画面の美しさだ。Xbox 360用ソフトなら当然ともいえるが、細部まで描き込まれた質感の高いテクスチャー、ジャギーの少ない高解像度画面、美しいエフェクトなど、次世代を語るにふさわしいクオリティに仕上がっている。
たとえば、街の石畳はひとつひとつが立体的に見え、見る角度を変えれば石の間のスキマの色も変わる。拠点となる「精霊の国」では光の粒子がたくさん舞い飛び、なんともいえぬ幻想的な雰囲気を醸し出している。
甲冑などの金属には、太陽やランプの光が反射し、特に強い光だとその甲冑の部分が白飛びを起こすなど、最近のトレンドである光と影の表現もかなりしっかりと行われているのである。遠くの部分はぼやけて見えるなど、次世代の技術をふんだんに使って作り込まれた映像は、Xbox 360のほかタイトルを体験していても、軽い驚きを覚えるほどだ。
筆者が一番感心したのは、草原に立ち並ぶ草。カメオの肩あたりまでもある草がびっしりと生えており、風に合わせてゆらゆらと揺れている。この中をカメオが駆けても、草の付近に視点を移動させても、処理落ちが全く発生しないため、草原を駆ける気持ちよさをたっぷりと体感できるのである。
かなり地味な部分だと言うことなかれ! Xbox 360のパワーを改めて実感すると同時に、細部までこだわって作り込まれた世界をこれから冒険できるのかと思うと、ムネがドキドキするではないか。
このように、技術的な面はかなり不満が少ない……のだが、キャラクターなどのデザインには多少の不満がある。ほかの海外ゲームと同じように、登場するキャラクターがどいつもこいつも“濃い”のだ。
まず主人公のカメオからして、露出度が高くてチャーミングないでたちをしているにも関わらず、その掘りの深い顔にはどうにも萌えない。仲間になるエレメンタルモンスター(以下、EM)もはっきり言って怖く、ひいき目に見ても“キモかわいい”というレベルだろう。また、建物の彩色も原色バリバリで、長時間プレイしているとちょっと疲れてくる感じだ。
せっかく日本で発売するのだから、このあたりのモデリングも日本人向けに変えたローカライズを行って欲しい、と思うのは贅沢な悩みなのだろうか。せっかくアクションゲームとしてしっかり作り込まれているだけに、第一印象が悪いというのは、非常にもったいないと思ってしまう。
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