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シリーズ初の“ガンアクションRPG”で「FFVII」の世界を改めて堪能する「DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-」レビュー(2/3 ページ)

「ファイナルファンタジーVII」から3年後の世界を描く本作は、「ヴィンセント・ヴァレンタイン」に焦点を当て、ガンアクションを主軸とした、従来のシリーズとは一線を画す作品となっている。

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自由度の高いシステム要素は、プレイオリジナリティを演出

 次にシステム面を見てみると、大きな点としてステージ構成が挙げられる。DCはステージクリア型の作品であり、各ステージ毎に細かいミッションが設けられている。ミッションはクリアすれば、アイテムが貰えたり、ステージクリア時により多くの報酬を得られたりするのだ。ただし、マップの移動の仕方などによっては、ミッションが出ないこともある。

 ステージ構成に関しては、ゲームのメリハリが効いており、進行に関しての目安にもなっている。また、ステージクリア時(もしくはゲームオーバー時)には、LVUPをさせるかギル(お金)を入手できるか選択できるシステムとなっている。ここでの選択肢で、ゲームのバランスも変わるため、プレイヤー毎のオリジナリティが出やすい仕様と言えるだろう。そういう意味では銃のカスタマイズも、プレイヤーの好みが反映できる仕様だ。

 より連射性を求めるのか、重量感が出てもパワーを求めるのかはプレーヤーの自由。一般のRPGと違い、ユーザーに多くの選択肢を与えて、プレイオリジナリティを提供してくれている。好みが分かれる所かも知れないが、制限されている中でのカスタマイズは「やり込み」という要素に繋がっていると言えるだろう。


ステージクリア時には、そのステージでの戦績が表示される。より高いランクを目指す事によって、自分自身のモチベーションにも繋げられると言える

武器は3種類装備できるので、それぞれに対してカスタマイズする事になる。基本は短・中・長と3段階の距離を考えた装備にするのがいい。3種類ともケルベロスを装備して、ミドルバレルやロングバレル、ファイアマテリアなどで差をつけるような装備の仕方もオススメ

FFVII本編やアドベントチルドレンを継承したストーリー

 DCは1997年に発売された「FFVII」のエンディングから3年後の物語である。また、昨年発売された「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」(以下AC)から、1年後の話と各作品とリンクされている。図解にすると以下のような形。

ファイナルファンタジーVII
↓         ↓
(2年後)      ↓
↓         ↓
アドベントチルドレン  (3年後)
↓         ↓
(1年後)      ↓
↓         ↓
ダージュオブケルベロス

 このような時系列を考えると、FFVIIを未プレイだったり、ACを見ていないと本作が楽しめないかと言うとそうではない。しかし、世界観や時代背景など、DCはFFVIIを踏襲しているので、「FFVIIをプレイしていればよりDCを楽しめる」のは間違いない。ACとは直接的な話のリンクはあまりないが、見ておく事でDCが楽しめると思ってかまわないだろう。

 DCのストーリーは「ヴィンセント」の人物像を主題に展開されるので、“神羅カンパニー”や“ルクレツィア”、“宝条”などと言ったキーワードを知っているかで、より物語にのめり込めるかが変わってくると言える。特にチュートリアルや本編で出てくる、神羅時代のヴィンセントのスーツ姿は必見。今の姿からは想像もつかないほどの格好を堪能してほしい。

 ステージの前後やボス戦などを含め、要所で入ってくるイベントシーンはかなりのボリューム。また、ストーリーを盛り上げるCGムービーも入っているが、これの美しさはもう説明もいらないと思われるほど。ACで見せたあの美麗なムービーが、DCでも惜しげもなく投入されている。イベントシーンを含めムービーも合わせると、それだけで1本の映像作品として楽しめるだけのボリュームがあると言えるだろう。

 1つだけ注意してほしいのは、DCはあくまでもヴィンセントが主人公という事。彼を中心にした物語だという事を理解しておいてほしい。「FFVII」の続編と思い込みすぎていると、クラウドを含め他のパーティキャラクターの露出が少なくてガッカリしてしまうかもしれないので。しかし、「ツヴィエート」など新しいキャラクター達の登場や、ルクレツィアなど今までスポットの当たらなかった人物の背景など、ボリュームは申し分ない。


イベントシーンはステージ途中も含め、要所要所挿入される。各登場人物の思惑や、ヴィンセントの背景など、さまざまな事柄が丁寧に紐解かれて行く。ぜひ、そのボリュームを堪能してほしい

オープニングムービーでいきなりユフィは登場するが……。DCはあくまでもヴィンセントにスポットを当てた作品。他のキャラクターの活躍が見たい人は、ACを買うことをオススメする

オンラインでまったく違った遊び方、「対人」の醍醐味を堪能する

 DCはオンラインに繋げる事で、マルチプレイヤーモードを遊ぶ事ができる(月額利用料金/税込798円)。オンラインでは、大きく分けて2種類の楽しみ方ができる。プレーヤー同士が戦う「対戦」と、さまざまな条件を他のプレーヤーと協力してクリアをしていく「ミッション」の2つだ。

 まずは「ミッション」について。ミッションを選んで受けるか、もしくは他の人が募集しているミッションに参加。もちろん1人でも挑戦できるのだが、人数が多い方が楽なことも多い(ミッションによって参加できる人数や条件が違う)。クリア条件も敵を何体倒せといったものなど様々。みんなで力を合わせてミッションをクリアできたときには、感慨もひとしおだ。

 そして、もう1つが「対戦」。初心者対戦、通常対戦、部隊対戦が用意されており、自分のあった対戦を選ぼう。初めて遊ぶという人は、まずは初心者対戦で慣れる事をオススメする。オンラインゲームを初めて遊ぶという人は、他人と遊ぶのは躊躇するかもしれないが、誰もが最初は初心者なので勇気を出して飛び込んでほしい。

 ゲームが始まると、ルールに沿って戦いが始まる。基本は敵をとにかく倒す。オンラインでの対戦の醍醐味は、なんといってもコンピュータではない生身の人間が相手だということ。熱くなることは間違いない。また、仲間に体力を回復してもらうなど、オンラインゲームならではの助け合いも嬉しいものだ。

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