ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
レビュー

シリーズ初の“ガンアクションRPG”で「FFVII」の世界を改めて堪能する「DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-」レビュー(3/3 ページ)

「ファイナルファンタジーVII」から3年後の世界を描く本作は、「ヴィンセント・ヴァレンタイン」に焦点を当て、ガンアクションを主軸とした、従来のシリーズとは一線を画す作品となっている。

PC用表示 関連情報
advertisement
前のページへ |       

 以上を踏まえて、シングルモード(オフライン)との違いを述べるとするならば、マルチプレイヤーモードはまったくの別の対戦ゲームと捉えていいだろう。オンラインを介して、多くのプレイヤーと繋がる時点で、まったくゲーム性が変わっているのだ。やはり生身の人間を相手にする事で、楽しさは通常の何倍にもなると言っていい。環境が整っている人なら、プレイして損はないと言える。ただし、オンライン上では、相手の中にも人がいる事を常に頭に入れておくこと。相手にとって不快な行動をしないように、モラルを持って遊ぶようにすれば、みんなが気持ち良くプレイできるからだ。


マルチプレイヤーモードを始めると、まずはロビーと呼ばれる場所からスタート。ここは他のプレイヤーなどが一堂に会する場所。そして、ここで写真のような予約端末からバトルエントリーを行う

ミッションはいろいろなものが用意されている。自分1人では無理なものでも、仲間を募ってプレイする事でクリアが可能。協力し合って、1つの目的を達成する事で、オフラインとは違った楽しさを感じられるだろう

とにかく敵を倒しまくる対人戦では、いかに自分なりの戦略を考え、敵の裏をかくかで状況が一変する。敵と対峙した時の興奮は、かなりのものだ

対人戦だからこそ勝利した時の喜びは感慨深い。逆に、負けたときの悔しさは相当なもの

FFVIIをプレイ済みの人ならば、とにかくオススメ

 最後に総括的な感想を。イベントシーンとCGムービーの美麗さは、スクウェア・エニックスの技術力を存分に見せつけてくれた。それらを繋ぎ合わせるだけで1本の作品として満足できるほどの出来と言える。だが、ゲーム全体のボリュームが少ないと感じてしまうほど、イベント自体が多すぎの感が否めない。RPG的な要素を求めるところから行くと、ガンアクション部分とイベント部分が同じぐらいの比重に感じてしまうからだ。イベントシーンが始まると、次の展開に行くまでに長いため、テンポを削がれている感じが個人的にはした。とは言え、ストーリーは、今まで謎だった部分や、新しいキャラクターの登場で、ファンならば間違いなく楽しめるものと言えるだろう。ただ、Gレポートで、あの融合のさせ方は正直疑問符が……。

 システム面ではオートセーブがとても良かったと思う。自分でセーブする手間が省かれたのは、正直うれしい仕様だ。しかし、セーブデータが1つしか持てない事や、いつセーブしているのかわかりにくい点が残念といえば残念。また、データロードに時間が掛かり過ぎに感じるのは、自分だけだろうか? ステージ中のリアルタイムイベントや、通常のイベント時の読み込みが、随時行なえている点が評価できるだけにもったいない。その際右上にロードを表すマークが出ているのは賛否ありそうだが、個人的には気にならなかった。消してほしい場面もあるにはあったが。

 また、システムという意味では前述した通り、操作方法の一部に自分的に納得のいかない部分があったのが残念。非常に細かい事を言えば、ムービーやイベントシーンでできた事なのに、実際のプレイ時にはできないと言うのは、どうなのだろうか? 割り切れる人は割り切れるのかもしれないが、アクションゲームという事を考えれば、その辺りの整合は必要だったのではないかと、個人的には感じた。

 しかし、オンラインでのマルチプレイヤーモードの事を考えると、あれぐらいで良かったようには思う。その辺のバランスが難しかったのかもしれない。マルチプレイヤーモードは、とにかくオフラインと違った楽しさがあるので、環境がある人はプレイする事をオススメする。対人戦の緊張感と興奮は、オフラインでは絶対に味わえないものだからだ。本作で初めてオンラインの世界に入る人もいるとは思うが、かなり楽しめる仕様になっているので、ぜひチャレンジしてほしい。

 最後にあえて言わせてもらいたいが、今作でもっとも残念だったのが、やり込み要素の少なさを感じた点。オンラインが遊べる人には問題ないのかもしれないが、オフラインでしか遊べない人にとっては寂しい事だろう。武器のカスタマイズ引継ぎやLVの引継ぎなど、2周目以降のプレイに繋がる仕様があれば、かなり印象が違ったと思われる。また、他のキャラクターを使ってプレイできるなどのおまけもほしかった。

 ただ、FFVIIをプレイしたり、ACを見たという人には、DCはとにかくオススメしたい。また、DCが初めてという人でも、FFVIIやACに興味を持って貰える作品と言えるだろう。アクションゲームが苦手な人でも、難易度設定もあるのでぜひプレイしてほしい。よりFFVIIの世界に浸れるし、新たな発見もある事と思われる。また、懐かしさに浸れば、新たなプレイ欲求にも繋がる事だろう。かくいう自分もDCクリア後には、しまってあった「FFVII」を引っ張り出し、最初からプレイを始めているところなので。


シリーズ初の「ガンアクション」としては、世界観も含めてかなり楽しめる作品。ファンならずともプレイをしてほしいと感じた

オープニングやエンディングを含め、各ムービーは一見の価値アリ。圧倒されるほどの映像美と、音楽の素晴らしさに酔いしれる
DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-
対応機種プレイステーション 2
メーカースクウェア・エニックス
ジャンルガンアクションRPG
発売日2006年1月26日
価格8190円(税込)
プレイ人数1人
仕様PlayStation BBUnit対応、USBキーボード/USBマウス対応
(C)2006 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る