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オールドゲーマー感涙仕様で温故知新「グラディウス ポータブル」レビュー(4/4 ページ)

アーケードゲーマーであれば、誰もがプレイしたであろうタイトルの1つに、必ずと言っていいほど挙げられる“グラディウス”シリーズ。その集大成とも呼べる作品が、PSPにて登場する。オールドゲーマー諸君よ、歓喜せよ!

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 なお、どのシリーズもフル表示を選べば、画面一杯にグラフィックが表示されるようになっている。若干、シャープさに欠ける画像になってしまうのは、大きさとのトレードオフなので、こればかりは仕方がないだろう。フルモードも、アーケードサイズとPSPサイズの両方で選択ができるので、これまでと違った雰囲気で楽しみたいのであれば、PSPサイズでプレイしてみるのもいいかもしれない。


アンチエイリアスがかかっているためか、少しにじんだ印象を受けるフル表示。しかし、こちらの方が目には優しそうだ

 ほかにも、収録されている全タイトルでのデフォルト設定が、セミオートパワーアップになっているのも注目すべき点。上級者にしてみるとセミオートはやりづらいのだが、逆にグラディウスに慣れていない人は、こちらの方が快適にプレイできるはず。その昔にゲームセンターでグラディウスをプレイしていたけど、久しぶりに名前を聞いたから買ってみよう、というように時期的にブランクのある人にとっても、かなり便利な手助けになってくれるだろう。

 さらに、自機の当たり判定を2通りに変更できるのも重宝する機能だ。1つは、アーケード版そのままのノーマルで、もう1つがスモールとなっている。例えるならば「I」の5面で、敵弾の間をすり抜けるのはノーマルでは厳しいが、スモールであれば難なくできてしまう、という感じだ。これをどう捉えるかは人それぞれだが、個人的には今風のシューティングゲームに近くなるため、スモールの存在は非常にありがたいと感じた。もちろん、当時をそのまま再現したいという人は、当たり判定をノーマルに設定してプレイすればいいわけなので、これはなかなか気の利いた設定項目だと言えよう。


スモールを選択すれば、触手の撃ってくる弾もよけやすい

 もう一点、PSP版ならではの特徴として、ゲーム進行状況を自由にセーブすることができる機能がついているのも指摘しておきたい。具体的な例を挙げてみると、せっかく1面を最高の状態でクリアしたのに、2面の最初に凡ミスで自機を失ってしまったとする。そんなとき、1面クリア直後の進行状況をセーブしておけば、やられたときにデータをロードするだけで、再び先ほどの状態から始めることができるのだ。これは、使いようによってはとても便利で、少しずつ保存しながら先へ進めば、いつかは誰もがエンディングまでノーミスでクリアできるかもしれない、そんな可能性を秘めた機能になっている。特に、完璧主義者の人やハイスコアゲットに心血を注いでいる人ならば、この機能を利用しない手はないはず。これだけで、心惹かれる人もいることだろう。


シューティングゲームに、こんな便利な機能があっていいのだろうか、と思ってしまうほど。これなら建前上の1コインクリアも可能……かも

往年のファンならば、ギャラリーモードのためだけに買う価値あり!

 コンシューマ版に移植されたグラディウスシリーズには、必ず付属している美しいムービー。しかし、本作ではゲームをロードしてもムービーが流れない……と思っていたのだが、実はそれらはギャラリーモードにまとめてあったのだ。ここでは、歴代グラディウスシリーズのオープニングムービーやBGMを鑑賞することができる。往年のファンにとっては、宝箱のような存在といえるだろう。PS版のオープニングムービーは、今見るとMotionJPEGだけに画質の面では厳しいが、グラディウスIIIやIVのムービーは、かなり綺麗に見ることができた。どれも時代を感じさせないほどの完成度で、ついつい見とれてしまうほど。つくづく、完成度の高さを感じさせられた。どうせならば、本作のために撮り下ろしのオープニングムービーがあればよかった、と思うのは贅沢な望みなのだろうか(笑)。


PSPの液晶画面で見ると、これまでよりもさらに綺麗に感じられるムービー。一見の価値ありだ

 特筆すべきは、「I」〜「IV」までの全BGMをジュークボックス風に聞けるだけでなく、ファンにはたまらないX68000版のBGMも収録されていること。当時、「I」や「II」をプレイしたくてX68000を買った人には、涙がでるほどの朗報だろう。事実、これを知ったとき、思わず小躍りしてしまったほど。ただ惜しむらくは、収録されているのが内蔵音原版だけで、MIDI機器を使った曲が入っていないこと。ここまでやったのであれば、MT-32またはSC-55で鳴らした曲も入れるぐらいこだわってほしかったが……さすがにそこまで要求するのは無茶なのだろう。


エンディングクレジットに、シャープとSPSが入っていたのは、こういうことだったのかと、思わず納得。それにしても、X68000版のBGMを収録するように動いてくれたスタッフには感謝

 こうして細かく見てきたが、マニアやファンだけでなく、グラディウスシリーズを少しかじった程度の人でも、楽しく遊べるように作られているのがよく分かる仕上がりになっている。セミオートパワーアップや進行状況のセーブ、当たり判定のスモールなど、作り手の親切心を随所に感じた。UMDのロード時間も、最初+各ゲームごとのロードがあるだけで、苦痛にならないのもうれしい。

 PSPの方向キーのせいで、あらぬ方向へ自機が動いてやられてしまったことを除けば、不満点は本当に見あたらない、満足のいく1本だったと言える。シューティング好きやグラディウスシリーズのファンだけでなく、懐かしいと感じた人が買って遊んでも、かなり楽しめる作品として仕上がっているだろう。アーケードゲーマーを自称する人ならば、ぜひとも購入して、あの当時を思い起こしながらプレイしてほしいタイトルだ。

グラディウス ポータブル
対応機種PSP
メーカーコナミ
ジャンルシューティングゲーム
日時2006年2月9日
価格5229円(税込)
(C)1985 2006 KONAMI


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