RPG要素の導入でよりお手軽に――アクション下手、シリーズファンともにプレイしてみるべし:「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」レビュー(3/4 ページ)
2001年1月のシリーズ第1作発売から満5年。2006年1月に、“新”と銘打たれた「鬼武者」が登場した。シリーズ通算では第4作に該当するが、なぜ、4ではなくて新なのか。いったい、何が変わったのか。そして従来のシリーズとはどんな関係があるのか。さまざまな視点から、それを検証してみよう。
新採用となった従者システムの影響
世界観やシナリオは、従来からの物語を継承しているものの、戦闘システムを見ると、やはり“新”の名が似合っているように思えてくる。それを決定づけるのが、新たに採用された「従者システム」だ。
新 鬼武者には、結城秀康以外にプレーヤーキャラクターとなる人物がいる。柳生一族のひとりで、十兵衛の名を継いだ少女・茜、秀康の幼なじみで、秀吉の側室である淀君の妹・お初、宣教師ルイス・フロイスを養父に持つイスパニア人・ロベルト、それにオープニングでも活躍した天海の4人だ。
開始直後こそ秀康ひとりだが、すぐに茜が加わり、以降は誰か仲間がいる状態でゲームは進んでいく。こうして集った仲間の中から1名を選び、協力して戦っていくのが従者システムの特徴となる。
従来作でも、主人公以外のキャラクターは用意されていたし、場合によっては一緒に戦ってくれることもあった。だが、今回はかなり自由度が高く、おまけにステージ攻略の最中でも、「破魔鏡」と呼ばれるセーブポイントを兼ねた地点を見つければ、そこでメンバーチェンジも行うことができる。従者はコンピュータが操作することになるが、プレーヤーから大まかな行動指針を与えることも可能だ。これが戦闘に大きな影響力を持つのである。
例えば、指示のひとつである「待機」。これを出すと、従者はその場にとどまり、防御態勢を取り続ける。この状態ならば、ガード可能なすべての攻撃を跳ね返せるだけでなく、ヒットポイントが減っていれば、最大値の50パーセントまで自動回復してくれる。本作では、持っていける回復アイテムの上限が定められている上に、秀康と従者の共用となっている。ヒットポイントの自動回復は、実にありがたい機能なのだ。
プレーヤーが従者のほうを担当し、秀康をコンピュータに任せてもいい。操作キャラクターの交代と従者への指示を組み合わせることで、戦術の幅は飛躍的に広がっていくのである。
例えば、秀康とお初で組んでボス戦を戦うとしよう。秀康をボスに接近させてから、操作キャラクターを変更し、待機の指示を出す。すると秀康はボスの真ん前でガードし続け、盾の役割を担ってくれる。しかもガード状態なので、ガード不能攻撃以外はダメージを受ける心配もない。その間に、お初が遠距離から鉄砲を撃ちまくる。これなら、アクションが苦手な人でも楽勝だろう。
従者の役割は戦闘だけではない。マップ内には、さまざまな仕掛けが設置されているが、それを解除していくためには、従者たちの能力が必要となる。これらには、シナリオ上、絶対に解かないと進めない仕掛けと、クリアのために不可欠ではないが、突破すればアイテムなどのご褒美がもらえるタイプがあるが、そのほとんどが従者の能力なくしては手が出ないものとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.