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RPG要素の導入でよりお手軽に――アクション下手、シリーズファンともにプレイしてみるべし「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」レビュー(4/4 ページ)

2001年1月のシリーズ第1作発売から満5年。2006年1月に、“新”と銘打たれた「鬼武者」が登場した。シリーズ通算では第4作に該当するが、なぜ、4ではなくて新なのか。いったい、何が変わったのか。そして従来のシリーズとはどんな関係があるのか。さまざまな視点から、それを検証してみよう。

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多彩な攻撃方法を持つ、アクションRPGに近い作品

 従者システムがあることで、剣の腕が未熟でも、アイディア次第で先へ進める可能性はさらに高まっているが、仕掛けを解く能力などを考えると、ある程度は全員を育てていかないとつらくなってしまう。ひとりでバッタバッタと敵を斬っていた過去作とは明らかにゲーム性が違ってきているのだ。

 新 鬼武者は、シナリオが各章に分かれ、章ごとにマップが切り替わるという構造を採用している。ミッションクリア型のアクションゲームによく見られる作りだ。ただし、1度クリアしたステージは、その後、何度でも再挑戦することができる。目的は、経験値や金を稼いだり、武器・鎧を強化するために魂を集めることだ。秀康を含めて5人もメンバーがいると、全員を強化していくのには、かなりの金や魂が必要になる。その意味でステージへの再チャレンジは、いわば必須となるだろう。

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秀康に付き従う、みの一族のひとり、みの吉。彼に話しかけることで、クリア済みのステージを再訪することができる。中盤を過ぎると、幻魔がぎっしりのバトルフィールド、魔空空間へ行くことも可能に

 同じマップへ何度も足を運びながら、メンバー全員を強化して敵と戦っていく。新 鬼武者は、システムの改良を行った結果、剣劇を主体としたアクションゲームから、アクションRPGに近い作品へと生まれ変わったのだ。その意味では、これはまぎれもなく新の名を冠するべきだと言えよう。

 ただ、アクションの技量が低くても何とかなるということと、アクションの腕を磨き込むということは矛盾しない。作り手のほうでも、アクションゲームとしてのやり込みを求める趣向をちゃんと用意している。その端的な象徴が、各ステージに複数セットされた「鬼武侠」だ。

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制限時間内に、定められた敵を倒したり、特殊な操作を所定回数以上決めねばならない「鬼武侠」。敵が多数いる中で、一閃を何回か決めろなど、ハードルは結構高い。しかも好成績を出すには、クリア条件以外のこともやって、評価点を稼がねばならない
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ボス戦では従者システムを活用し、回復アイテムを使いまくれば、確かに倒せるかもしれない。しかし、敵の動きをよく観察すると、攻撃の回避方法や、逆にこっちから攻撃するすきを見つけることができる。倒し方の糸口を掴んだときには、物語を進めるのを一端止め、クリアしていても改めてデータをロードして、もう1回戦ってみるのも面白い。アイテムの消耗が減って、先の攻略が楽になるかも

 アクションRPGに近いポジションとなったのは、アクションが苦手な人の救済措置を二重三重に設けていった結果かもしれない。ただ、その変化は旧3作以来の試行錯誤の上に築かれている。アクションの醍醐味という、旧作の発想を一新して、新シリーズが始まったわけではないのだ。その意味で、ライトユーザー向けではあっても、旧作のファンでも十分に楽しみながらプレイすることができるはずである。

新 鬼武者 DAWN OF DREAMS
対応機種プレイステーション 2
メーカーカプコン
ジャンル戦国サバイバルアクション
発売日発売中
価格7329円(税込)
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