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ユークスらしい丁寧な作り込みを随所に感じる“エキプロ”最新作「エキサイティングプロレス7 SMACKDOWN! vs RAW 2006」レビュー(2/3 ページ)

ユークスのプロレスゲームに対するこだわりと開発力の高さには、いつもながら感心させられる。主力タイトルの「エキサイティングプロレス」7作目は、グラフィックもモーションもさらなる進化を遂げて、文句なしにプレイステーション 2のベスト・プロレスゲームに仕上がった。

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「シーズンモード」は、ついに本人の声によるフルボイス化

画像 使用するスーパースターの所属によって、異なるストーリーが楽しめる「シーズンモード」。また、所属が同じでも、スーパースターによっては別のシナリオが展開されることも。もちろん、「クリエイトモード」で作成したオリジナルのスーパースターでも参戦可能(女性キャラは不可)

 エキプロ一番の楽しみは、やはり「シーズンモード」と呼ばれるストーリーモードの存在にあると思う。今回も、個性豊かなスーパースターたちが、DIVA(女子のレスラーやマネージャーのこと)やGM(ゼネラル・マネージャー)をも巻き込んでの抗争というか、おなじみのドタバタ劇が繰り広げられている。先述の通り、今日のWWEには2つのブランドがあるが、今作のシーズンモードでもSMACKDOWN!とRAWそれぞれに異なるシナリオが用意されている。

 今回のシーズンモードで注目したいのは、イベントシーンがスーパースター本人の声でフルボイス化されていること。リップシンクも完璧で、口の動きとボイスがきちんと同期している。グラフィックの向上とフルボイス化が奏功して、今回のシーズンモードをプレイしているとTVのWWE番組を観ているような錯覚に陥りそうになる。

 また、後述する「クリエイトモード」で作成したスーパースターのグラフィックが大変よくなっており、シーズンモードで実在のスーパースターと絡ませても、見た目にほとんど違和感がなくなったことも大いに好感がもてる。これまでのシリーズ作では、クリエイトスーパースターのテクスチャや輪郭にやや粗さが見られ、実在のスーパースターと並べてみるとどうしても見劣りしていたが、今作でその差異は限りなく小さくなった。

画像 頭の中はいつも悪巧みでいっぱい(?)のRAWの独裁的GM“エリック・ビショフ”。シーズンモードのイベントシーンは、登場するスーパースター、GM、DIVAに至るまで、全ての台詞が音声付きで展開される。それにしてもビショフ、よく似てる……
画像 クリエイトスーパースターのグラフィックが向上したおかげで、イベントシーンで実在のスーパースターと絡んでも何ら違和感がなくなったのがよい。もちろん、クリエイトスーパースターもしゃべってくれる(作成時に5種類の声から選択できる)

 ただ、フルボイス化によってシーズンモードのシナリオのスケールが縮小気味になったことには心残りも……。試合での勝敗や、ときおり現れる選択肢によってストーリーが分岐するとはいえ、大筋ではそれほど変化がなく、シナリオのバリエーションにやや乏しい印象を受ける。ボイスを収録しているため、イベントシーンに登場するスーパースターが自ずと限られて、ストーリー展開も制約されてしまったのかもしれない。個人的には、エキプロ5で見られたスーパースターのドラフトや、2周目以降へのデータ引き継ぎなどを盛り込んでほしかった。

 その代わりに、今回のエキプロ7には、「GMモード」という経営シミュレーション風の新モードが搭載されている。文字通り、SMACKDOWN!かRAWいずれかのGMとなって、スーパースターと契約を交わし、マッチメイクを行ってライバルブランドに打ち勝つという内容。ついにビンス・マクマホンばりの「You are fired!」(おまえはクビだ!)がゲームで体験できるかと思いきや、プレイしてみると意外にあっさりとした展開で、WWEらしい泥沼劇にはならない。ボイスなしでもいいから、イベントの挿入などでもう少し盛り上げてくれるとなおよかった。

画像 GMモードでは、各スーパースターの人気度などを勘案しながら契約を交わし、マッチメイクや試合形式を自ら決めて番組を運営していく。シーズンモードとは違い、こちらは経営シミュレーションだが、マッチメイクを行った各試合を観戦したり、自ら操作して試合を進めることもできる
画像 1つの大会が終了すると、そこで起こった出来事がニュースとして伝えられる。WWEの経営シミュレーションという発想はおもしろいが、展開がちょっと淡々としすぎているのが残念

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