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ワクワクして電源を切るのがつらい。古き良き感覚を呼び覚ます新感覚RPGにコンタクトせよ「コンタクト」レビュー(2/2 ページ)

ニンテンドーDSでは珍しい、オリジナルの新作RPG「コンタクト」は、オンラインRPG風の手軽なオート戦闘と、寄り道してこそ楽しい隠しイベントの数々があるなど熱中度が高く、ゲームをプレイしているという強い手応えを感じられる作品だ。

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シールを貼ってピンチを脱出

 基本の戦闘システムのほかに、コンタクトには2つの特徴的なシステムがある。まずは「シールシステム」。これはハカセの発明したシールをタッチではがし、画面に貼りつけて、さまざまな効果が得るというもので、例えば「?シール」は、人や敵に貼ることで、ガイコツや羊などまったく別のものに変えてしまう。敵に囲まれて、身動きが取れなくなったときに有効だ。

 「ニャンニャンシール」は、ペットのニャンニャンが上画面からやってきて、敵を攻撃してくれるキュートなシール。セーブ後、チェリーが寝ているときにたくさんニャンニャンをなでてあげると与えるダメージ量が増える。ニャンニャン育成システムはちょっとしたオマケだが、可愛くて気がつくと真剣になでている自分がいる。「ふうせんシール」は、貼ったらマイクに息を吹きかけて風船を膨らまし、破裂させて敵にダメージを与える。これらのシールは新しい土地にいくたびにハカセが1枚ずつ発明し、種類が増えていく。

 また、敵が落とした「装備シール」をチェリーに貼りつけて、攻撃力や防御力といった基本能力を底上げすることもできる。貼りつけられるのは最大4枚だが、スクラッチの要領で、はがすまでどんな能力かわからないのでドキドキものだ。

 ただ、このシールシステムはもう少し謎解きやストーリーと絡んでもよかったのではないかとも思う。戦闘のお助け要素に留まっている印象があって、もったいないのだ。シールを貼るという発想がいいだけに、もっと面白い使い方を見せてほしかった。

photophoto 貼ってみないと効果が分からない「?シール」。住人に引っかかって動けなくなった時には、このシールで敵に変えて倒すのがいい
photo シールは本拠地の海賊船に帰還できるシールや体力全快シールなど、全部で8種類ある。はがして貼る感覚が楽しい

コスチュームの使い分けが冒険のカギ

photo 海賊船の中の自室にあるクローゼットでコスチュームを着替える。ここでしか着替えられないのは少し面倒くさいかも

 もうひとつの目玉は「コスチューム」だ。普通のRPGのジョブに当たるコスチュームは、イベントで入手したり、普段行きにくい場所に隠されていたりする。種類は全部で7種類あり、水属性の「アクアレイン」や土属性の「MOGURA」、火属性の「バックファイア」といった属性系のコスチュームを着ると、戦闘中、それぞれの属性を持つ「テク」を使うことができる。火、水、風、土の4属性のコスチューム以外では、「キュイジーヌ」、「フィッシャー」、「スティールズ」の3種類が存在する。

 キュイジーヌは、キッチンがあれば食べ物を組み合わせて料理を作れるコスチューム。敵を倒して出た「肉」と「獣肉」を合わせてフライパンで焼けば「ハンバーグ」、「ジャガイモ」+「牛乳」で「ヴィシソワーズ」、「水」+「米」で「ごはん」などなど。料理を食べるとHPが回復するのはもちろん、ステータスアップも期待できる。


photo 台所やたき火があるところでできる料理。失敗すると炭になってしまうこともあるが、新たな料理ができるのは感激のひと言だ

 ただし、コンタクトには「満腹度」や「消化時間」という概念があるので注意が必要だ。例えば「ムニエル」だとHP40回復、防御+10、知力+5、満腹度は30、消化時間は3分20秒となっている。食べ過ぎてお腹いっぱいになってしまうと、前の食べ物を消化するまでもう何も食べられない制限つきなので、ここが悩ましい。

 フィッシャーは文字通り釣りができる。ウキが沈んだら、すかさずAボタンを押す(もしくはタッチ)。釣れば釣るほどスキルが上がり、大物が釣れるようになるので中毒性が高い。メダカやいわし、スズキといった魚から、場所によっては金塊だのエメラルドだの、アイテムまでヒットする。そして、見つけ出すのが難しい盗賊のコスチューム、スティールズを着れば、鍵がついた扉が開けられたり、町の住人からアイテムを盗んだりとやりたい放題になる。あまり悪いことばかりしているとカルマのパラメータが下がって心が痛むが……。

 所持品の欄は、武器、アイテム、食材がそれぞれ90個と膨大で、クリア直前まで進んでもスカスカ、すべては埋まらない。これをコンプリートするのが、コレクター派の目標になりそうだ。

NDSでRPGブームは起きるか?

photo セーブ後にはチェリーの部屋が上画面、ハカセのラボが下画面になり、ニャンニャンにタッチして遊ぶことができる

 本編自体はビックリするほど長編ではなく、クリアするだけならレベル上げを含めても15時間程度とお手軽だ。ただし脇道が多く、すべてやり込もうと思ったら、かなり遊びがいがあるのは間違いない。自分で何かを極めてみようという積極的な姿勢を刺激する作りになっている。ひとつ心残りなのは、Wi-Fi対応なのに協力してミッションをクリアするオンラインRPG的な遊び方ができないこと。次回作ではこのあたりの協力プレイも深めてよりRPGの魅力を引き出してほしいと思う。

 目下NDSは品切れが相次ぎ、大旋風を巻き起こしているものの、RPGに限って見てみると、人気シリーズのNDS版やリメイク作が多く、オリジナルのRPGはいまだに少ない。作り手の独特のセンスも残しながら、誰にでも遊びやすく仕上がっているコンタクト。NDSにもRPGブームがくるかもしれない、そう思わせる本作にぜひコンタクトしてみてほしい。

コンタクト
対応機種ニンテンドーDS
メーカーマーベラスインタラクティブ
ジャンルRPG
発売日発売中
価格5040円(税込)

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