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次世代ゲーム機を知るための用語解説――映像関連用語編「ハイデフ」、「D4」、「HDMI」ってなに?(1/2 ページ)

E3 2006では、プレイステーション 3やWiiなど、すでに発売されているXbox 360とあわせて、本格的な次世代機ゲームの展示が行われることだろう。そこで「知った気になっているつもり」の次世代機用語を、改めて確認しておこう。

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 ひと足早く発売されたXbox 360をはじめ、プレイステーション 3やWiiなど、今年のE3は完全に次世代機が中心となる。ところで、それら次世代機を語る時に登場する技術用語、読者の皆さんは意味をきちんと理解しているだろうか。文字を何度も見て知った気になっているが、実際にはどういったものかよく分からない。そう感じている人はいないだろうか。そこで、次世代ゲーム機にまつわる技術用語を解説していくことにする。手始めに今回は、映像関連の用語をいくつか取り上げて解説しよう。

ハイデフ(High-Def/High Definition)

 他社に先駆けて世に送り出された、マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox 360」。そのXbox 360のキャッチフレーズとしておなじみの言葉が「ハイデフ」だ。「ゲームはハイデフへ」というキャッチコピーも、だいぶ浸透してきているように思う。ただ、このハイデフという言葉、どうしても日本人にとっては聞き慣れないこともあってか、かなり奇異に感じることも事実だ。

 ハイデフとは、英語の「High Definition」の短縮形である「High-Def」の日本語表記だ。High Definitionを日本語に直訳すると「高解像度」または「高品位」。つまりハイデフとは、高解像度映像のことを指すわけだ。実際にアメリカをはじめ海外では、高解像度映像のテレビ放送(高品位テレビ放送)を「High Definition Television(HDTV)」と呼んでいる。Xbox 360は高解像度グラフィックを特徴としているため、米国などではHigh Definitionの短縮形であるHigh-Defをキャッチフレーズとしており、日本でもその言葉をカタカナにした”ハイデフ”がキャッチフレーズとして使われているわけだ。

 それに対し日本では、高解像度映像のことを「ハイビジョン」と呼ぶことが普通だ。これは、NHKが1989年にBSで開始したアナログ方式の高品位テレビ放送(正式には「高精細度テレビジョン放送」)を「ハイビジョン放送」という愛称で呼んだことが始まりだが、日本ではその愛称が定着し、それ以降高品位テレビ放送はもとより、高解像度映像自体も”ハイビジョン”と呼ぶようになった。そのため、我々日本人が”ハイデフ”という言葉を聞いてもピンとこないわけだ。逆に、ハイビジョン(High Vision)という呼び名は海外では全く通じない。

 海外での“ハイデフ”と、日本での“ハイビジョン”は、呼び名だけでなくその方式にも違いがあるが、その映像クオリティには大きな違いはない。基本的には、走査線数が1125本(うち有効走査線数は1080本)で、縦横比率(アスペクト比)が16:9の映像を指すことがほとんどだ。ただし日本では、「走査線数750本(うち有効走査線数720本)で順次走査(プログレッシブ)」(720pまたは750pと表記する)および「走査線数1152本(うち有効走査線数1080本)で飛び越し走査(インターレース)」(1080iまたは1125iと表記する)の2種類が高精細度テレビジョン放送として定義されている。それに対し、通常のアナログテレビ放送は走査線数525本(うち有効走査線数480本)で縦横比率は4:3となっており、海外では「Standard Definition Television(SDTV)」(480iまたは525iと表記する)と呼ばれている。

 ちなみに、海外で使われている「High Definition Television」という言葉だが、実はNHKが開発したアナログ方式の高品位テレビ放送(アナログハイビジョン)の伝送方式である「MUSE方式」を世界標準とするため、国際標準化団体に提唱するときに作られた言葉で、「高品位テレビ」を英訳したものなのだ。つまり、High Definition Televisionという言葉自体も日本発なのである。そう考えると、「ハイデフ」は逆輸入の言葉と言っていいかもしれない。

フルHD

 「フルHD」という言葉には、明確な定義が存在しているわけではない。もともとは、1920×1080ピクセルの表示能力(解像度)を持つ表示デバイスを採用したテレビが発売される時に、それよりも解像度の低い表示デバイスを採用するテレビと差別化するために作り出された言葉のようだ。

 また、いわゆるハイビジョン映像として定義されている映像信号の中で、最も高精細なものを指すこともある。ハイビジョン映像として定義されている映像信号は、先ほど紹介した「720p」と「1080i」の2種類に、走査線数が1125本(うち有効走査線数1080本)で順次走査(プログレッシブ)の映像信号(1080pまたは1125pと表記する)を加えた3種類がある。この3種類の映像信号のうち、1080pをフルHDと呼ぶわけだ。

 ハイビジョンテレビとして販売されている液晶テレビやプラズマテレビで、1080pの映像信号を劣化させることなく表示させるには、水平解像度1920ピクセル、垂直解像度1080ピクセルの解像度を持つ液晶パネル・プラズマパネルが搭載されている必要がある。そして、実際に「フルHD対応」と表記されて販売されている液晶テレビやプラズマテレビでは、1920×1080ピクセルの解像度を持つ液晶パネルやプラズマパネルが利用されていると考えていい。

 ただし、フルHD対応と表記されていても、1080pの映像信号の入力(D5入力)に対応していない製品もあるので注意したい。特に、プレイステーション 3では1080p出力がサポートされることになっているので、テレビ購入時にはしっかりと確認しよう。

 ちなみに、地上デジタル放送やBSデジタル放送で放送されているハイビジョン放送のほとんどは、1080iの映像信号で放送されている。しかし、インターレースのため、実際の垂直解像度は1080の7割程度となる。つまり、垂直解像度が約750ピクセル以上あるテレビであれば、ハイビジョン放送本来の画質を失うことなく表示が可能なのだ。もちろん、720pの映像信号であれば垂直解像度が720ピクセルあれば足りる。

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