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ニンテンドーDSを使って“どこでもTV”――「TVチューナー」レビュー

アガツマ・エンタテインメントから発売された「TVチューナー」は、ニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスで地上アナログ放送を見ることができる周辺機器だ。今回サンプルを借りることができたのでご紹介しよう。

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 2月に開催された「ニンテンドーDS カンファレンス!2006.春」では、ニンテンドーDS向けにワンセグ放送対応の周辺機器が発売されることが発表されているが、これはまだ先の話。ひとまずアナログ放送だけでも気軽に見ることができたら――ということをかなえてくれるのが、アガツマ・エンタテインメントから発売された、その名もずばり「TVチューナー」だ。

 TVチューナーのサイズは195(幅)×60(高さ)×130(奥行き)ミリ。大きさはほぼニンテンドーDSと同じで、若干厚みがある感じ。ニンテンドーDSやゲームボーイアドバンスと組み合わせることで、TVを見ることができるようになっている。GBAカートリッジ差し込み口に、TVチューナーから出ている差し込み口を入れることで機能する。

 TVチューナー本体正面にはスピーカーが配置されており、左側面にボリュームとアンテナ、右側面にはAV入力端子とイヤホン端子が装備されている。ただし、TVチューナーはステレオ放送に対応していないため、スピーカーやイヤホン端子に接続したときに出力される音声はモノラルのみだ。なお、音声はニンテンドーDS本体ではなく、TVチューナー本体のスピーカーまたはイヤホン端子から出力されるようになっている。

画像 正面に配置されているスピーカー。左右に分かれているがモノラル出力のみだ
画像 左側面のボリューム調整つまみとアンテナ。アンテナは最短で約8センチ、最長で約46センチ程度まで伸ばすことができる

画像 右側面に配置されているAV入力端子(左)とイヤホン端子(右)
画像 背面。アンテナ近くに用意されているのが外部RF入力用の端子

画像 用意されている端子類。左がRFコード、右がAVコード

 外部アンテナ入力用の差し込み口は背面に存在する。なお、外部アンテナ入力を行うためには、付属のRFコードが用意されているので、これを使うことになる。AV入力単子用にも専用のコードが用意されている。

 TVチューナーで見ることができるのは、地上アナログ放送のみ。1〜12chのVHF帯と、13〜62のUHF帯を受信可能だ。チャンネルは十字キーの左右で変えられるほか、オートスキャンによって受信できるチャンネルを探して割り当てることもできる。オートスキャンにかかる時間は、受信できるチャンネル数や電波の状態によっても変わると思うが、試したところでは40秒程度で終了した。

 なおこのサーチによるチャンネルの割り当てだが、サーチ以前のふつうの状態でTVを見ているときには「1ch」、「2ch」のように右上にチャンネル名が表示されるので、どのチャンネルを見ているのか分かりやすいのだが、サーチ後には割り当てられた番号(たとえば「1」、「2」など)が表示されるだけなので、どのチャンネルを見ているのか直感的に分かりづらい。一般のTVやDVDレコーダーの機能などにあるように、設定されたチャンネル名自体を表示することはできなかったのだろうかと思う。

画像画像画像 STARTボタンを押してメニューを開き、チャンネルサーチを選択するとサーチを開始する。サーチ終了後に表示されるメニューで「はい」を選び、Aボタンを押せば結果を保存してくれる。もちろん、電源を切ったあとも内容は記憶されているので、再び電源を入れ直せばサーチしたチャンネルを表示可能だ。なお、チャンネルの周波数微調整がL・Rボタンに割り当てられており、受信したもののうまく表示されない場合は、このボタンを使って調整できる

 TVの受信状態だが、マンションなど鉄筋コンクリートに囲まれた屋内では、内蔵のロッドアンテナで受信するのはさすがに厳しい。家の中ではRF端子に接続して視聴することをお勧めする。屋外でロッドアンテナを使用して受信してみたが、ひとまずは良好に受信できた。

 ちなみに、ニンテンドーDSおよびゲームボーイアドバンスの画面サイズは240×160ドット。このため正確な4:3の画面ではなく、多少縦方向につぶれた画像を見ることになる。また、ドット数が粗いためか、細かい字幕が見にくいように感じた。

画像 保存したチャンネルは入れ替え可能
画像 チャンネルごとにプリセットした周波数を調整可能だが、ほとんどいじる必要がないだろう
画像 TVチューナーでは、画面の明るさやコントラストといった調整も可能

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 TVチューナーで使用するバッテリーは単三形乾電池6本。背面の電池ボックスに、左右3本ずつ入れて使う。フタを開けると電池が2本はいる電池ボックスがあり、その奥に1本差し込み、合計3本ずつを使うことになる。単三形乾電池6本での駆動時間は、カタログスペックで約3時間となっている。

 TVチューナーを使用した感想はというと、ニンテンドーDSを利用して屋外でも気軽にTVを見ることができるのはうれしいのだが、やはり気になるのはその重量だ。ニンテンドーDSの重さが約275グラム、TVチューナーが約260グラム、これに乾電池6本の重量が加わるので相当な重さとなる。またコンパクトではあるものの、ニンテンドーDSと一体化させているとかなりの大きさとなるので、カバンの中でもかなりのスペースを占めることになる。

 このように重さなどに多少の不満はあるものの、屋外でTVを見ることができるほか、AV入力端子を装備しているのはメリットだ。簡易的にゲーム画面も表示可能だし、ビデオカメラで撮った映像をその場で見ることもできるので、撮った映像を映して、その場にいる人たちで楽しむのもよい。

 また、大人の目で見ると、重量や画面が小さいこと、画像が粗いという方向だけに目がいきがちだが、筆者の車にはTVを装備していないため、ドライブに持って行ったときには子供たちに大好評だった。渋滞などの暇つぶしには、TVはもってこいのアイテムと言える。このように旅行などでニンテンドーDSを持ち歩く機会があるならば、TVチューナーもあわせて持って行くと、楽しみがより広がるのかもしれない。

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