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グリム童話をモチーフに現代の寓話を描く――「おとぎ銃士 赤ずきん」番組製作発表会(2/2 ページ)

7月1日からテレビ東京系6局ほか全国計8局で放映される「おとぎ銃士 赤ずきん」の番組製作発表会が本日行われ、声優の田村ゆかりさんやスタッフらが、本作の魅力を明らかにした。

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左から音楽の増田俊郎氏、原案の熊坂省吾氏、監督の石山タカ明氏、脚本の柿原優子氏、竹内利光氏、広田光毅氏。どのへんに力を入れているのかと聞かれ、「女の子がたくさん出てくる話なので、女性スタッフとして女の子をいかに可愛く書けるよう努力している」と柿原氏が答えると、「男性の立場としては、女の子ももちろん可愛く描きたいけど、男の子も可愛いく描きたい」と竹内氏。仕方がないとばかりに広田氏が「2人が女の子、男の子と来ているので、あとは残ったところで、怪物たちを可愛く書くだけですね」と、会場を笑わせる。第1話を拝見して、ライターとして絵に負けないようプレッシャーを感じるとも語った

 上映後には開発者によるトークセッションを開催。原案の熊坂省吾氏、監督の石山タカ明氏、脚本を担当している柿原優子氏、竹内利光氏、広田光毅氏、そして音楽の増田俊郎氏が登壇した。

 現場の雰囲気について聞かれた石山氏は、石山氏は、「スタッフ一同赤ずきんに惚れ、どう可愛く見せるか四苦八苦しているところ」と、OVAを越える作品にすべく鋭意頑張っているとコメント。熊坂氏はグリム童話を取り扱った理由について、「グリム童話は、伝承で語り継がれたものをベースにしているので、普通の作り話とは違う、なにか背後にある強い芯のようなものに惹かれました。また、初版のグリム童話はかなり残酷なものも多く、そういったところも面白いかなと。登場するキャラクター達が魅力的なので、現代版のファンタジーにしたくなったんです」と明かした。音楽を作るのに苦労はあったのかと聞かれた増田氏は「さまざまな作品を手がけていますが、ファンタジーは初めてなんです。個人的にも好きなのですが、好きな分難しい。趣味に走りすぎないよう気をつけています。OVAでやった時は、これだけで終わらせるにはもったいないと思える作品だっただけに、また時間をかけて作れるのは幸せです」と、期待を持たせる。

 石山氏はまた、OVAの時は30分くらいで完結しなければいけなかったところを、39話と壮大なスケールで描けることが魅力と答える。熊坂氏による分厚い原案を元に、その世界を表現できるのが面白いとも。自分たちが作ることの意味を考え、作る側も見る側も幸せになれるような作品にしたいと豊富を述べた。


今や田村さんがしゃべれば赤ずきんとスタッフに言わしめているとのこと。田村さんは恥ずかしがりながらも「褒めすぎです」とつっこむ場面も

 ここで、特別ゲストとして赤ずきん役の声優・田村ゆかりさんが、アニメにも登場するキュピのぬいぐるみを抱いて登場。アフレコの苦労はという質問に、「太陽のような女の子でとオーダーされたのですが、自分はどちらかと言うと太陽というよりは月のような女の子なので、毎回演じるのには苦労してます」とのことだが、熊坂氏も石川氏も赤ずきんのイメージにぴったりと太鼓判を押す。

 田村さんはオープニング曲も担当している。「童話迷宮」と題したその曲は、アップテンポでノリがいい。「ベタに童話という言葉をタイトルに入れさせてもらいました。皆で手と手を取って進んでいこうという、前向きな気持ちになれるものです」と曲のイメージを語る。石山氏は、レコーディングの時初めて聞いてなんて素敵な歌なんだと大好きになったのだとか。「小さいお子様にも歌ってもらいたい」とのこと。


 最後に増田氏は、「四つ葉のクローバーをもらったのですが、自分も四つ葉騎士団のサポートを受けて頑張ります」とコメント。これから帰って残りの曲を製作すると意気込みを語る。脚本を担当する広田氏も「脚本家が3人ということで、こちらはヘタレな3銃士ではありますが、ペンは剣より強しというところを見せていきたい。目指すは映画化です」と、豊富を述べる。竹内氏も「玩具やグッズを見せ合える広がりを見てみたい作品になれば」と期待を寄せ、柿原氏は「39話では描ききれないエピソードも続編や映画などで書けるよう続いてほしい」と早くも続編を匂わす。熊坂氏はそれを受け「ドラえもんくらい長く続いて、田村さんが引退するくらいまで続けば」と一同を沸かせる。アニメは世界共通の影響力を持つ表現だと持論を語る石山氏は、「心温まる作品を作ることで世界平和へとつながれば」と壮大な心持ちで臨んでいる真摯な気持ちを明かす。当初はフィギュアの、あくまでもおまけのように始まったOVA化だったが、こうしてテレビアニメとなったからには、映画化やゲーム化、そしてさまざまな展開を期待してやまない。田村さんは「これを見て優しい気持ちになれたらいいな」と期待する。

 寓話の世界を表現することで、なんでもありの世知辛い現代社会を少しでも心温かくしたいという取り組みが、もうすぐお目見えしようとしている。

(C)2006 コナミデジタルエンタテインメント/赤ずきん製作委員会・テレビ東京


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