“真の全部入り”とはいったいどういうことなのか聞いてみた:「リッジレーサーズ2」開発者インタビュー(1/2 ページ)
「リッジ」シリーズの醍醐味を集めた“真の全部入り”となるPSP用「リッジレーサーズ2」は、なにゆえに全部入りとなったのかを開発者の2人に聞いてみた。
PSPの新作タイトルとして、今年9月14日の発売を目指し鋭意制作が進められている「リッジレーサーズ2」。ニトロシステムを使った新しいゲーム性、レースゲームに相性の良い16:9のワイド画面、旧シリーズの名コース復活、そして新曲のリッジサウンドが収録されるなど、前作はPSPのロンチタイトルでありながら非常に内容の濃い作品に仕上がっていた。今もPSPの名作タイトルと名高い「リッジレーサーズ」、その続編となる「2」は、はたしてどうなるのか――制作スタッフの入内氏と尾仲氏に話をうかがった。
前作で入りきらなかったものまで全部収めた「2」
―― 「リッジレーサーズ2」の制作はどのような経緯で始まったのでしょうか?
尾仲 ご存じの通り、前作の「リッジレーサーズ」はPSPのハードに合わせて発表したタイトルです。ただロンチタイトルとしてやり残したこともあったため、どうしても前回入れられなかったのを全部入れ、今回は“全部入り”を作ろうと。今回は「R4-リッジレーサーTYPE4-」までのコースをすべて収録しています。また、新たなゲームモードもいくつか追加していますよ。
―― いつ頃から開発がスタートしたのでしょうか。また「2」の制作段階からそうした追加要素を入れることはもともと決まっていたのですか?
入内 制作が始まったのは去年の末からですが、人的資源を一気にかけたので、関わっているスタッフはかなりの数になりますね。尾仲 追加要素に関しては、もともとと言うよりもコースに関しては前作の発表時点から「(今度作るとしたら)入れられなかったコースを入れたいね」という話はあったんですよ。ただコースを全部入れただけではユーザーとしても作り手としても面白くない。今回はシングルレースとワールドツアーズだけでもかなりのボリュームがあるのですが、さらに面白くしたいということで前作で残っていた企画もゲームに入れ、新たなゲームモードを考え“継承”したという感じです。
―― 新しいゲームモードで一番のセールスポイントはどれですか。
入内 アーケードモードでしょうか。PSPはどこでも持ち歩けて遊べるハードですから、いつでもどこでも遊べるよう、アーケードゲームのように与えられた“制限時間内にチェックポイントを通過してタイムをエクステンドする”アーケードモードを用意しています。ゲームセンターで遊ぶとわかると思うんですが、普通に走るだけじゃなく、チェックポイントを通過するまでにタイムを残しておかなければという緊張感や、手軽さを追求した。今作のコンセプトのひとつに「アーケードチックにしよう」というのがあるのですが、昔のリッジを知る者にとってはかなり懐かしいものになると思います。
―― アーケード以外に、DUEL(デュエル)、SURVIVAL(サバイバル)といったモードも追加されていますが、こちらはどんなゲーム性になるのでしょう?
尾仲 まあゲームモードの通りに考えていただければ。細かいことはまだちょっと言えないんですが、いずれ詳細を発表しますのでそれまではご想像にお任せします。
―― 前作と比べてゲーム性などが明らかに変わるところはありますか?
入内 あえて今回は「リッジレーサーズ」の正統な続編ということで、ドリフト感やニトロシステムは同じにしています。
尾仲 ゲームシステムに関しては継承していますが、モードを増やしたのが大きいですね。例えばワールドツアーズは前作と進め方が同じですが、コースが増えたことでツアー数が大幅に増えています。前作は各ツアーに用意された16個の四角マスを埋めて攻略を進める形だったんですが、四角のマスが8個しかなく、穴が空いていたりしていましたよね。今回はコースが増えたので、全部埋めることができます。それと先ほど「アーケード的にする」と入内が言ったように、手軽さを感じてもらいたかったのでマシンに関しても最初から使える数を増やしています。今作では各クラス3台の計18台、最初から300km/h台のクルマが使えるようにしました。それと、死ぬほど高難易度の設定、難しいツアーも用意しています。
―― 前作の難易度はBASIC、PRO、EXでしたが、さらに上が?
尾仲 はい、EXの上にも難易度を設けてあります。これはもう鬼のように難しいです。やり込んでくださる方にはこちらも。
―― ネットワークを使ったPSPの通信対戦機能はいかがでしょう。今回はインフラストラクチャ(インターネット回線)を使った対戦機能などもできるのでしょうか。
入内 前作と同じく、(PSP同士で通信する)アドホックモードによる最大8人同時対戦が可能です。インフラストラクチャは対応していません。前作はPSPを使った通信対戦まわりが非常に良く出来ているんですが、当時はまだユーザーの皆さんも頻繁に利用していなかったと思うんですね。そろそろ皆さんもアドホックに慣れて来たと思うので、ぜひ対戦を楽しんでもらいたいと思って今回はあえて仕様を変更せず追加という形を取りました。
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