“真の全部入り”とはいったいどういうことなのか聞いてみた:「リッジレーサーズ2」開発者インタビュー(2/2 ページ)
「リッジ」シリーズの醍醐味を集めた“真の全部入り”となるPSP用「リッジレーサーズ2」は、なにゆえに全部入りとなったのかを開発者の2人に聞いてみた。
―― 前作で収録されていなかった過去の「リッジ」コースを追加するまでの経緯を教えてください。
入内 とにかく、今回は全部入ったのを届けたかった。プレーヤーからの要望の中で、前回入っていなかった「R4」のコースを入れて欲しいという声も結構多かったんですよ。ですから、今回は業務用・家庭用のコースを含め、「R4」までは全部入れようと。前作は順走で12コース入っていましたが、今回9コース新たに追加したことで順走・逆走含めるとほとんど倍近くに増えていると思います。特にアーケードモードでは順走のコースがデフォルトの状態から選べますから、「R4」を遊びたい人などにはかなり喜んでいただけるのではないでしょうか。初めて関わった「リッジ」が「R4」だったと言う寺本(現在「リッジ」シリーズのアソシエイトプロデューサーを務めている)にも、各方面から「懐かしい」「ありがとう」との声があったようです。作っている私達も出来上がってうれしかったし、何より昔遊んでいた方々に喜んでいただければうれしいですね。
―― 前作ではPS版、PS2版の収録コースもPSP版ではグラフィックをリニューアルされ、かなり美しいコースになっていましたよね。今回追加されるコースもそのあたりは良くなっていますか?
尾仲 もちろん。多分比べていただけると「こんなにキレイだった?」と驚くと思いますよ。ただコースレイアウトや背景は基本的に同じです。「ああ、ここにこれあったよね」と気付いてくれるマニアックな人もいるのではないでしょうか。
―― 新たにコースを大幅に追加したということで、苦労した点はありますか? 「リッジレーサーズ」はニトロシステムなどの導入でゲーム性がより過激になっていますが、そのへんの影響は。
入内 前作で入りきらなかった部分としてはいろいろあるのですが、一番時間がかかるところがバランスの取り方なんですね。最初の頃は道幅の狭いワインディングロードなどはCカーがあちこちにぶつかったりしてまともに走れなかったし、グラフィックに関しても簡単なコースレイアウトだと逆に見通しがいいぶん処理が重くなってしまう。その辺をうまく再現できるよう、バランスには一番時間をかけています。本作の制作はXbox 360版の「リッジレーサー6」と同時進行だったのですが、難しいコースも入れることができました。
―― 新しく収録されたコースで見どころのコースを教えてください。
尾仲 今回案内できるコースの中では、「レイジレーサー」のオーバルコースですね。時速300km/hでドリフトしながらオーバルのコーナーを抜けるのは、今までのレースゲームにはない”あり得ないプレイ体験”だと思います。それと分岐するコースもレイアウトを活かしつつ、グラフィックが前面リニューアルされているところが見どころです。
―― マシンも最初から全クラス選べるとのことですが、スペシャルクラスのマシンはどうなっているのでしょうか。前作のスペシャルクラスはラリーXなどの個性的なマシンが収録されていましたが。
入内 通常のマシンはクラス6までですが、スペシャルは新規で8台入れています。今回は(ラリーXよりも)もっと凄いのが入ってます。おおっと驚くものが入ってますよ。そのうち2台は、(すでに画面が公開されているように)お約束の2台が入ってます。
―― ユーザーが最初からほぼすべてのクラスで遊べるとのことですが、初心者がいきなりクラス6のマシンでドライブするのは厳しいのでは?
尾仲 オーバルコースなら300km/hでもドリフトでコーナリングできますから、コースによっては初心者でもクラス6の走りが楽しめると思います。前作の場合、ワールドツアーズをある程度進めないと(コースやマシンが)手に入らなかったので、むしろ途中で 詰まっちゃう方には(要素がどこに隠れているのかを調べるのが)大変だったんです。それよりも、ソフトを買ってすぐ電車で遊べて「お、こんなのもあるんだ」と思ってもらったほうが今回はいいかなと。最初から選べるので練習できますし、うまい人達は新しくできたゲームモードで楽しんでください、という形です。
入内 ワールドツアーズも最初のうちは初心者向けに段階を積んで獲得できるような流れになっています。マシンもグレードアップしていきますので、ぜひ初心者の方にもツアーを挑戦していただきたいですね。
―― サウンドに関してお聞きします。前作では過去シリーズの楽曲を手掛けたスタッフが参加されましたが、「2」ではどのように?
入内 今回はディスクを2枚追加して、12曲ほど新たに入っています。そのうち6曲は過去のものからコンパイルしたもの、残りの6曲は新たに曲をリミックスしたものです。前作の曲のほか、新たにCLASSICと昔の曲のリミックスを追加して、サウンドのスタッフも前作と同じです。
尾仲 今回の曲も、相当カッコイイですよ。昔の曲も、はっきり言って新曲と言っていい出来だと思います。
―― ゲーム以外の要素、例えば永瀬麗子やツアー勝利後に獲得できるプライズなども変化はありますか?
尾仲 永瀬麗子のオープニングもリニューアルされてますが、それはまたお楽しみにしておいてください。プライズに関しては、出てからのお楽しみです。予約特典としてCDは付録されます。
―― まさに集大成と言えるPSP版「リッジレーサーズ2」ですが、今回の作品でやろうと思っていたものは全部消化できましたか。
尾仲 ゲーム性という話になると変わってきますが。手軽にできるレベルでは、これがいっぱいいっぱいです。前回は“全部入り”と言ってやりましたが、今回は“真の全部入り”です。特にコースに関しては、やり残したことはないと思います。もちろんゲーム屋としてやりたいことはまだいろいろあるので、楽しみにしてください。
―― 最後に期待している読者の方に一言お願いします。
尾仲 今回正式なナンバリングタイトルの「2」という形で本当の全部入りになりましたが、お手軽に遊べるというところもありつつ、奥深くもしています。初めてのかたは手軽に、気軽に遊んでもらいたいし、かつてプレイされたユーザーの方は懐かしみながらじわじわとプレイしていただけるとうれしいです。
入内 前作以上のボリュームなので、かなり遊べると思います、初めての方、買っていただいた方にも満足できるないようになるんで、よろしくお願いします。
リッジレーサーズ | |
対応機種 | PSP |
メーカー | バンダイナムコゲームス |
ジャンル | レースゲーム |
発売予定日 | 2006年9月14日 |
価格 | 5040円(税込) |
※画面は開発中のものです
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