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圧倒的なグラフィックとボリュームにクラクラしちゃいます「鉄拳 ダーク・リザレクション」レビュー(1/3 ページ)

7月6日にバンダイナムコゲームスから発売された「鉄拳 ダーク・リザレクション」は、アーケードで稼動中の「鉄拳5 ダーク・リザレクション」の移植作。キャラクターもモードも充実した鉄拳最新作をご紹介しよう。

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PSPに“すっげー”鉄拳がやってきた

 バンダイナムコゲームス(旧ナムコ)の「鉄拳」シリーズといえば、セガの「バーチャファイター」シリーズと並ぶアーケードの3D格闘ゲームの雄である。今も全国各地のゲームセンターでは、しのぎを削って己の腕を磨く格闘家たちがひしめき合っている。

 現在アーケードで稼動している鉄拳シリーズ最新作が「鉄拳5 ダーク・リザレクション」(以下、「鉄拳5DR」)だ。「鉄拳5DR」が登場したのが2005年の年末のこと。「鉄拳5」のバージョンアップと言えるタイトルで、対戦バランスが調整されているうえに、技、キャラ、ステージなどが新たに追加されている。鉄拳5から導入された「TEKKEN-NET」(キャラのカスタマイズや全国ランキングへのエントリーができるオンラインネットワークシステム)にも対応しており、自分だけのオリジナルなキャラクターをIDカードに登録することができる。このシステムが好評で、リリースから1年以上経った今もなお、確実な人気を保っているアーケード用タイトルだ。

 そんな「鉄拳5DR」が、このたびPSPに移植された。「鉄拳 ダーク・リザレクション」(以下、「鉄拳DR」)の登場である。今までの「鉄拳」シリーズといえばプレイステーション、プレイステーション 2に移植されてきたわけだが、今回はなんとPSP。携帯ゲーム機で「鉄拳」シリーズ最新作が遊べてしまう時代が来てしまったのだ。

 携帯ゲーム機で初の鉄拳かといえば、さにあらず。歴史をさかのぼると、今から5年ほど前に「鉄拳アドバンス」なるものがゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売されていた。さらに言えばワンダースワンで「鉄拳カードチャレンジ」という鉄拳キャラをモチーフにしたカードゲームが1999年に発売されている(くしくもハードはバンダイ、ソフトはナムコ。今のバンダイナムコゲームスを予見していたかのようなソフトである。というのは言いすぎですね、すいません)。

 長年鉄拳ファンである筆者は、「鉄拳アドバンス」も当時遊んでみたのだが、やはりゲームボーイアドバンスの処理能力にはグラフィック、サウンド、フレームなどもろもろ限界があり、「うーん。がんばってるけど、がんばってる、というところで止まってしまっているなー」と多少残念ではあった。まあAボタンとBボタンで「鉄拳」の操作体系を再現しようという時点でいろいろ無理があったとは思う。過渡期の作品だったと言えるだろう。

 携帯ゲーム機で鉄拳、というとその記憶が蘇るため、いくらかの不安はあったのだが、「PSPの描画能力ならもしかしたら…」という期待も寄せていた。そんな「鉄拳DR」は、いざプレイしてみると、筆者が持つちっちゃな不安など木っ端微塵に消し去り、期待をも遥かに越えた「すっげー」出来映えに仕上がっていたのだった。

画像画像 いつでもどこでも鉄拳三昧。至福です

驚愕と感動のグラフィック 惜しむらくは操作性

 「鉄拳DR」でまず驚くのが、やはり再現性の高いグラフィック。手始めにオープニングのムービーでノックアウトされる。とにかくきれいで、プレイステーション 2の「鉄拳5」オープニングなどと比べてもまったく遜色がない。ただこれはプリレンダムービーなので、UMDで高画質な映画を鑑賞できるPSPにおいては、美麗なムービーが再生できるという点は理解できる。

画像画像画像 見よ、この美麗なるオープニングムービーを

 しかし、実際のプレイ画面を見ると、改めて驚かされることになる。鉄拳アドバンスとは比べ物にならないくらいに、ちゃんと“鉄拳している”のである。5年前の作品と比べるな、という話だが、本当に隔世の感あり。よく見るともちろん「鉄拳5DR」と比べてポリゴンも減っているし、微細な描画は省かれているのが分かるが、それでも移植作としての再現度は高く、「携帯ゲーム機でこんなに美しく再現された3D格闘ゲームがかつてあっただろうか!」(いや、ない)と反語に感嘆符をつけたくなるくらいに、この美麗さは感動的だった。

画像 総勢34人の個性的なキャラクターたち。装備アイテムをカスタマイズすればさらに個性的になっちゃうので、もう大変です
画像 ゲームボーイでテトリスをやっていた頃には想像もできなかった描画能力です

 もちろん動きの再現性も問題なし。ちゃんと秒間60フレームで動いているし、体が覚えている技の数々は、アーケードと同じ感覚で出すことができる。ただ、PSPでプレイする際の大いなるデメリットというのもある。操作感覚がアーケードと大きく異なる点だ。

 まず通常の方向キー、もしくはアナログパッドによる操作はアーケードのレバーによる操作とは異なる。筆者は最初はそのままの方向キーでプレイし、ある程度操作感覚がつかめてから、「鉄拳DR」の購入者特典である「コントローラー・アダプター」(方向キーに上から貼り付けることで斜め入力などをしやすくするオプション)を方向キーに貼り付けてプレイしてみた。結果としてはアダプターをつけたほうが圧倒的にプレイしやすかった。特にポールの崩拳など、なめらかなコマンド入力が必要なものは入力しやすさが大きく違った。

 また、△ボタンなどの攻撃用ボタンを押す際も、不自由さはある。携帯ゲーム機なので、いつでもどこでもプレイしたいものだが、立っているときや寝転がっているときなどは、どうしても右手親指で△ボタンなどを押すことになる。ただ、このプレイスタイルだと鉄拳特有の投げコマンドや特殊な技での「2つ以上のボタンを同時に押す」というプレイが難しくなる。LボタンやRボタンにあらかじめ割り振っておくのもいいかもしれないが、どうせならアーケードと同じように親指以外の指でバシバシと同時押しをするプレイを決めたいものだ。そうなると必然的に手元や膝元や机などに置いてボタンを押すプレイスタイルを強いられることになる。しょうがないといえばしょうがないが、少し残念である。

画像 慣れれば、親指プレイでもそこそこ勝てたりします

 プレイステーション 2なら、周辺機器としてジョイスティックなどが市販されているが、PSPには今のところ外部接続のコントローラが存在しない。ここはいっそHORIあたりにUSB接続でPSP対応のジョイスティックなぞ作ってもらったらいいんじゃないか、と真剣に考えてしまう筆者であった。ただし、ジョイスティックでプレイするならPSPの携帯性が失われるのも悩ましいところ。電車のなかでレバーをガチャガチャしてたら見た目に怪しいし周りの人にも迷惑そうである。うーん。本当に悩ましい。

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