“ハイデフ”テニスでトップランカーをめざせ!:「トップスピン2」:レビュー(1/3 ページ)
Xbox 360ソフト「トップスピン2」が8月3日に発売された。Xboxで発売され好評を博した「トップスピン」の続編だ。実名プロ選手の数も増え、各モードもさらに充実し、そして何と言っても“ハイデフ”の名のもとにリアルなテニスを楽しめる、クオリティの高いスポーツゲームだ。
臨場感バツグンのグラフィックで、本格テニスを
Xboxで2004年の夏に発売された本格テニスゲーム「トップスピン」の続編が、本作「トップスピン2」だ。筆者は実際のテニスはたしなみ程度にしかやってこなかったが、バドミントンや卓球にはけっこうハマったクチだ。なお、前作「トップスピン」は未プレイだが、ほかのテニスゲームには慣れ親しんできているので、ネット越しの熱いラリーの魅力は十分承知しているつもりだ。そんな筆者の観点で、この「トップスピン2」についてお伝えしていこう。
まず評価すべきは、やはりそのグラフィック。“ハイデフ”というフレーズで高精細・高品質の画質をアピールしているXbox 360ではあるが、本作もその点については例外でなく、背景にせよキャラクターにせよ、その描き込まれ具合は並々ならぬものがある。各コートごとに空気の温度、風の感触まで伝わってきそうな臨場感があり、プレイの気持ちよさに一役も二役も買っている。グラフィックのリアルさという点においては、間違いなく最高峰のテニスゲームと言っていいだろう。
基本的に使用できるキャラクターは、アンディ・ロディック選手やマリア・シャラポワ選手など総勢24名の実名プロ選手たち。前作では16名が使用可能だったので、この点は明らかに続編としての正常進化、ボリュームアップが図られている。彼らの挙動やモデリングも実にリアルだ。それぞれ得意なスタイルがあるので、相手に合わせて戦法やアプローチを変えていくという楽しみもある。
シンプルさと奥深さが共存する操作性
グラフィックは“ハイデフ”仕様でバッチリな本作だが、操作性はどうだろうか。シンプルにもプレイできるが、上達すればするほど複雑かつ巧緻なショットを打てるようなシステムが採用されていて好感が持てる、というのが筆者の率直な感想だ。
基本的にはAボタンでセーフショット、Bボタンでトップスピンショット、Xボタンでスライスショット、Yボタンでロブショットを打つことができる。セーフショット以外は左スティックの倒し加減によってはアウトになってしまうこともあるので注意が必要。基本はセーフショットでラリーを続け、ここぞというところで適切なショットを適切なところめがけて打つという戦法が有効だ。
さらにRTボタンを押しながらA、B、X、Yボタンでボールを返せば、リスクショットと呼ばれる4種類のショットを打つことが可能。加えてLTボタンを押しながらA、B、X、Yボタンを押せば、アドバンストショットと呼ばれるテクニカルで特殊なショットを放つことができる。ただし、アドバンストショットはキャリアモード(1人用でオリジナルキャラを育成するモード)である程度プレイを進めて習得しなくては使えない。
このように実に多種多様なショットを使い分けることができるのが本作の魅力だが、最初のうちは4つのショットの打ち分けだけでも、けっこう難しいと感じるかもしれない。かくいう筆者も、最初は大いに戸惑った。テニスゲームをプレイするのが久々だったというのもあるかもしれないが、とにかくボールに追いついているはずなのに、うまく打ち返せないのである。「なぜ打ち返してくれんのだー!」とコントローラを投げつけたくなったのも、しかし序盤のうちだけだった。
慣れてくるとボールの軌道を見切りつつ、先にショットボタンを押しておく感覚がつかめてきた。とにかくボールに追いつくこと、自分の腰より上あたりでボールをとらえると威力のあるショットが打てること、若干先読みしつつボタンを長押ししておくことでショットの威力が増すことなど、基本操作のコツが分かってからは、俄然おもしろくなってきたのだ。そこそこの相手と熱いラリーをしつつ、豪快なボレーを決めたりできるようになると「そうそう。この感覚こそがテニスゲームなんだよなあ」と思わずにんまりしてしまうほどには成長できた。
そんな基本的な感覚の習得、そして数々のショットの練習として最適なのが、次項で紹介するキャリアモードだ。
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