“ハイデフ”テニスでトップランカーをめざせ!:「トップスピン2」:レビュー(2/3 ページ)
Xbox 360ソフト「トップスピン2」が8月3日に発売された。Xboxで発売され好評を博した「トップスピン」の続編だ。実名プロ選手の数も増え、各モードもさらに充実し、そして何と言っても“ハイデフ”の名のもとにリアルなテニスを楽しめる、クオリティの高いスポーツゲームだ。
究極のキャラメイキングで、オリジナル選手をつくって育てよう
てっとり早くプレイを楽しめるエキシビションや、自由な設定で最大16人までエントリーできるトーナメントモードも楽しいが、1人で遊ぶ場合にメインとなるのはキャリアモードだ。キャリアモードは、プロテニスプレーヤーの1人となって5つのシーズンを体験しながら少しずつ成長していく、という育成要素が強いモードだ。プレーヤーキャラにはコーチがついて、基本中の基本から高度なテクニックまで適宜教えてくれるので、本作を極めたいならまずは一通りやっておきたいモードだと言える。
最初に男性キャラにするか女性キャラにするかを選択し、キャラのビジュアルや年齢、国籍、利き手などを設定していくことになるのだが、このキャラメイキングの凝りようが半端ではない!ビジュアル設定の細かさは特に驚嘆に値するもので、そんじょそこらのMMORPGよりも細かいんじゃないかというくらいに自由度が高い。おそらく、同じ顔、同じビジュアルのキャラは1人も生まれないだろう。目の設定を少しいじるだけでもかなり印象の違う顔になったりするので、キャラメイキングだけでもひとつのゲームか、というくらいに面白く、しばらく没頭してしまったほどだ。
ここでもまた“ハイデフ”の恩恵を感じつつ、長い長いキャラメイキングのお楽しみを経て、筆者がつくった女性選手Joannaは、いざプロデビュー! しかしこのキャリアモード、現実と同様になかなか甘くない。機会があるたびに大会に出ても、プレイしたてでまだ不慣れな筆者は容赦なく叩きのめされてしまう。もちろんキャラのステータスが弱いというのも大きな原因なので、大会に出場できないときはひたすらトレーニングだ。
テニスゲームとしての本作は非常にリアルなつくりに徹しているが、トレーニングは割とくだけた、ゲーム的な要素が取り入れられていて、それもまた楽しい。相手コートに大きな球が置かれ、その奥にボウリングのピンがあり、なるべく多くのピンを倒さなくてはならないトレーニングもあれば、コート内にある箱をコート外に押し出すだけでよいというシンプルなものもある。ゲーム的なトレーニングはしかし、実戦での球のコントロールやサーブやボレーに役立つものばかりで、理にかなっている。
慣れないうちはトレーニングのクリアも難しかったりして、自分自身にやきもきしたりするが、何度も苦い思いをしていくうちにクリアできるようになっていくから不思議だ。キャラのステータス上昇とは別に、プレーヤーのスキルも身についていくというところを感じることができれば、大いに楽しめるモードになるはずだ。
ただし、やみくもにトレーニングばかりしていてもゲーム世界でのコインが消費されていくのみだ。プロテニスプレーヤーであるからには、テニスで稼がなくてはならない。条件さえあえば大会に積極的に出てみよう。序盤では負けこむかもしれないが、前述したようにステータスやプレーヤースキルが上がっていけば、勝てる試合も増えてくるだろう。大会での活躍の度合いに応じてキャラの世界ランクが上がったり、コインがもらえたりするので、それを元にまたトレーニングに励む、という繰り返しがキャリアモードの醍醐味だ。
メッセージセンターではコーチ、スポンサー、ライバル(キャリアモードが始まった時点でランダムに1人のキャラがライバルとして設定される。なかなか面白い要素だ)、ファンクラブなどから届いたメールを見ることができる。試合に負ければコーチから励ましのメールが来たり、ライバルから挑発するようなメールが来る。試合に勝っていけば新手のスポンサーからの誘いが来たり、ファンクラブからの応援メールが来るなど、いちいち凝っているので、モチベーションアップに貢献している。
全体的にかゆいところに手が届いている印象のキャリアモード。細かすぎるほどに細かい各要素が、リアルなテニスゲームの真骨頂を感じさせてくれる。
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