身体をリズムに乗せて、指先をリズミカルに心踊らせ:「リズム天国」レビュー(1/2 ページ)
リズムに乗って操作するだけという、簡単なルールが斬新なGBA用タイトル「リズム天国」。「メイドインワリオ」などと同じ脱力系かと思いプレイしてみると、見た目はそうでも中身は全然違うものだった。で、その中身は?
これまでにない、リズムのみに焦点を当てたユニークな1本
今ではすっかりお馴染みとなったいわゆる“音ゲー”だが、リズムアクションと呼ばれるジャンルができたのは、そんな昔のことではない。プレイステーション用タイトルとして発売された「パラッパラッパー」に、その起源を見ることができる。これ以前にも、リズムに合わせてボタンを叩くと言った類のゲームもあったが、1ジャンルとして確立させたのは「パラッパラッパー」であることに異論はないだろう。
ジャンルができてから10年も経過していないが、その間に様々な音ゲーが登場した。中でも大ヒットとなったのが、曲に合わせてボタンを叩いていくという、コナミがリリースしている一連の「ビーマニ」シリーズだろう。これらは、シリーズを重ねるごとに洗練されていったものの、時期を逃すと取っつきづらいタイトルであったため、プレイしていない人もいるのではないだろうか。そのため気づけば、難しい譜面をミスなく叩きまくるのが音ゲーの本流となっている中、そのアンチテーゼとして現れたとも思えるのが、この「リズム天国」だろう。音楽を司る3要素「リズム」、「メロディ」、「ハーモニ」のうちの“リズム”にのみ焦点を絞り、誰もが手軽にプレイできるようにしたタイトルだ。実際、そこには敷居を下げるための、様々な工夫が凝らされていた。
ほとんどのゲームは、ワンボタン操作で、誰もが手軽に、すぐに遊べる
中身は、数多くのミニゲーム集で構成された感じになっている本作。最初はステージ1-1しかプレイできないが、ランク平凡以上でクリアすると次のステージが表示され、新しく遊べるようになる仕組みだ。これを5回繰り返すと、1-6にこれまでの復習ステージとなる“リミックス”が出現。無事にクリアすれば、2-1が出現する。なお、ランクは“やりなおし”“平凡”“ハイレベル”の3種類。ハイレベルをゲットすればメダルがもらえ、後述するミニゲームなどが遊べるようになる。
ステージ数は全部で48あるものの、1ステージのプレイ時間はどれも3分以内と短いため、ちょっとした空き時間にプレイできるのは非常にうれしい。しかも、どのステージもルールは単純で、基本的にはリズムに合わせてボタンを叩くだけ。手順が決まっている場合は、事前に簡単な説明が挿入されるので、迷うこともない。ただし、48あるうちのいくつかは、序盤に出てきたものの難易度が上がったバージョンになっているものなので、実質的には30ちょっとのバリエーションと言えるだろう。
どれも、リズムに合わせてボタンを押すのには変わりないが、その中身を分類すると大きく3種類に分かれる。1つは、一定のリズムを最後まで刻み続けていくもの。もう1つが、タイミングを合わせてボタンを押すパターンで、最後が曲のリズムに合わせてボタンを押す種類だ。最初のパターンに当てはまるのがウサギ飛びやナイトウォークなどで、ほかのゲームはどちらかというと、残りの2種類に大別される。とはいえ、そのどれもが一定リズムに沿ってボタンを押すだけなので、老若男女誰もがプレイできるはず。頭の中でリズムを刻みながらボタンを叩くのもいいし、身体を揺らしてリズムを取りながら、ボタンを押すのもいいだろう。一部のゲームでは、ちょっとしたボタン連打を要求されたり、A、Bボタンに加えて十字キーでの操作も求められるが、何とか操作にはついて行けるだろう。
なお、リミックス3や4では、作詞作曲をつんく♂が担当している曲が流れる。しかも、リミックス3を歌うのは、アキバ系アイドルとして有名な時東ぁみ。これまでの任天堂ソフトからは考えられないような人選だけに、正直初めて見たときには我が目を疑ったほど。しかも、1曲丸ごと入っているのだから、それにも驚かされた。音質的にはちょっと厳しいと言わざるを得ないが、彼女やつんく♂のファンだというのであれば、これだけでも買いかもしれない。
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