入場者は増えてはいるが原型師が足りない?――ワンフェス2006[夏]
8月20日、東京有明にある東京ビッグサイトにおいてガレージキットの祭典「ワンダーフェスティバル2006[夏]」が行われた。ディーラーに話を伺ってみた。
毎年冬と夏の2回(一度の休みあり)開催している日本最大のガレージキットコンベンションがこの夏にも開催。今回の「ワンダーフェスティバル2006[夏]」(以下、ワンフェス)では、ディーラー(出展者)の目線から紹介していこうと思う。
今回のワンフェスでは東3〜6ホールを使用し、企業スペースと一般ディーラースペースに出展。朝の10時の開場後すぐに長蛇の列ができあがる人気ブースでは午前中には完売するといういつもながらの光景が見られた。目立ったところでは今年連載20周年を迎えた「ファイブスター物語」が立体物イベント「FSS20」を開催。ガイナックス20周年記念作品「トップをねらえ2!」のイベントや、MAX FACTORY and GOOD SMILE COMPANYのステージイベントなどが盛況の様子だった。
ゲーム関連で目立ったところでは、主催の海洋堂とタイプムーンのコラボレーションにより製作される購入特典「Fate/胸像コレクション:セイバーの聖杯」も話題のプレイステーション 2用ソフト「FATE/stay night[Realta Nua]」だろうか。PCゲームとして発売されたタイトルのPS2版だが、こちらの作品をテーマにしたフィギュアも見受けられた。
昨年夏のワンフェスからディーラーとして参加している方に話を伺うと、入場者は増えているように思うが、どちらかというと完成品目当ての方が多いようだと語る。というのも、興味はあれどもパーツを組み立て色づけするには腕がないという一般人が増えた結果だろうと推測する。既存のアニメ作品のキャラクターと腕のいいディラーに人気があるのは相変わらずで、参加ディラーでは「LIVE DOM」さんや「BUBBA」さんなどのブースには150人ほどが早朝から並び、即完売となっていたとのこと。
企業ブースではやはり前出したMAX FACTORY and GOOD SMILE COMPANYが人気で、これでもかとアイテムを出品し並べる展開は、ユーザーにも期待感を抱かせていると思われる。最近の動向としては、ホームページやブログなどで製作段階を公開し、購買心をあおっているという点だという。
ワンフェスへ足を運ぶ一般客は増えてはいるが、原型師はそれほど増えていない。どうしても手作りな点もあり、大量生産は難しく、在庫を抱えるわけにもいかない出展者は、どれだけの数を製作すべきかで毎回悩ましいのだとか。それは企業の側も同様で、腕のいい原型師はいないかと常に目を光らせているという。ビジネスチャンスとなる場でもあるわけだ。
数年前に比べて原型師自体のレベルも上がっており、同様に購入者の目も肥え、一種独特のイベントに成長してきているといった印象を持った。
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