百花繚乱! チョコボとスライムに導かれ、シアターもプレイアブルコーナーも大盛況――スクウェア・エニックスブース:東京ゲームショウ2006(2/2 ページ)
プレイアブルコーナーに、巨大シアターに、イベントステージにと、とにもかくにも来場者が詰め寄っていたスクウェア・エニックスブース。移動もままならないブース内では、プレイまで90分待ちというタイトルもあり、その人気の高さをうかがえた。
シアターやイベントも、やはり人、人、人
せっかくのゲームショウなのだから、プレイアブル出展で実際にプレイしてみてなんぼじゃい! というのが本筋ではあるが、プレイはできなくとも現段階でのムービーを堪能できる作品も多く控えている。ムービーを鑑賞してどんなゲームになるのか夢想をするのもまた、ゲームショウの正しい楽しみ方のひとつだろう。
スクウェア・エニックスブースにおいても、最新作品のムービーを鑑賞できるシアターが設置されていた。驚いたのはシアターが2つも置いてあったこと。ひとつはオープンメガシアター。文字通りオープンなスペースに巨大スクリーンが設置され、通路を通りすがる人の目もひくシアターだった。こちらでは「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」に始まり、上記の試遊できたタイトル群のプロモーションムービーが次々と流れた。
今回プレイアブル出展されていなかった「プロジェクトシルフィード」や「ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウィング」、「ファイナルファンタジーXIII」のムービーも流れ、来場者を大いに魅了した。ただし、いくつかのムービーについては非常に短いさわりだけのもので「この続きはクローズドメガシアターで」という注釈が出たりもしていた。そう。2つ目のシアター、クローズドメガシアターが存在したのである。
今年のスクウェア・エニックスブースの要と言ってもいいクローズドメガシアター。こちらはなんと、ブースエリアのおよそ半分を占める巨大なシアターで、完全に壁で遮断された建物が設けられ、入った人だけが鑑賞できるスペシャルなムービーが定期的に上映されていたのだ。シアター内の撮影はいっさい禁止という徹底したクローズドぶりもあり、長い時間並んでシアター内に入れた来場者は今か今かと上映を待っていた。
上映の冒頭は、なかなか小粋な演出が盛り込まれていた。巨大なスクリーンにテレビの終了時などに見ることができるカラーバーが登場。いきなり「ピー」という音が鳴る。「なんだなんだ」という空気になるも、カラーバーが白黒になり「ピー」という音も止まり「色と音が失われました。勇者の登場をお待ちください」というメッセージが表示され、プロモーションムービーの演出だということが分かった。これは実は携帯電話用アプリとして発表されている「モノトーン」のムービーだったのだ。
続いては試遊台も大好評の「すばらしきこのせかい」。こちらはオープンメガシアターでは観られなかったここだけの映像が満載で、渋谷を舞台にした不思議な魅力を持つ本作の断片を味わうことができた。十字ボタンで移動し、右手はタッチペンで操作をする、というのも判明。2007年中にニンテンドーDSで発売される。
コンピレーション オブ ファイナルファンタジーVIIのムービーでは、ビフォアクライシス、携帯電話版ダージュオブケルベロスなどの紹介のあとに「クライシス コア ファイナルファンタジーVII」の長大な映像が流れた。設定は「ファイナルファンタジーVII」の世界の7年前。タークスの一員である主人公とエアリスとの出会い、当時は英雄だったセフィロスとの出会いと戦い、厳しい環境下でひょうひょうと生きている主人公像などが活写された、気合いの入ったムービーだった。
お次はなんと、ブルーレイディスク版の「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」の告知。DVD版と比較して確実に美麗さを増しているその渾身のCGクオリティに、入場者の溜息も聞こえそうなほどだった。こちらはフルHD対応、多言語対応、豪華特典つきで2007年リリース予定だ。
次に流れたのが「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」と題して複数タイトルの展開が発表されている「ファイナルファンタジーXIII」の一連の作品群の紹介ムービーだ。「ファイナルファンタジーXIII」と「ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII」の映像は今年のE3で流れたものとほぼ同じだったが、「ファイナルファンタジー アギトXIII」については新ムービーが作られていた。
“どこかの神殿に魔道師と思われる金髪の少年がやってくる。神殿の中央にはクリスタルがある。クリスタル手前の不思議な盤面に少年が指を置くと、盤面からいくつものカードが飛び出し、大きな地鳴りとともに何かが開放され、神殿が崩壊する。神殿のそばで倒れている少年の手にはひとつのケータイが…。そしてケータイの着信音が鳴り響く”という内容のもので、携帯電話アプリである点とカードを扱ったゲームになりそうだという点が伝わるユニークなムービーだった。
最後に「Secret Trailer」という文字がスクリーン上に現われ、会場も一瞬固唾を飲むような雰囲気に。ここで公開されたのが「キングダムハーツII Final Mix」と「キングダムハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ」のプロモーションムービーだ。確かにオープンメガシアターでは観ることができなかった、まさにシークレットな映像である。
「キングダムハーツII Final Mix」は映像面では「キングダムハーツII」と変わらないのでサプライズというほどでもなかったが、「キングダムハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ」には正直驚きを感じた。なんせゲームボーイアドバンスで出たタイトルをプレイステーション2で出そうというのだから、グラフィックは一から書き起こされているのである。「キングダムハーツ チェイン オブ メモリーズ」でしか登場しなかったXIII機関の面々がしっかりとCGで描かれているし、本作独特のカードバトル画面は、さらに見やすく遊びやすくなっているという印象を受けた。ストーリーを見せるムービーのクオリティも「キングダムハーツII」並に作りこまれている。△ボタンを押して攻撃しているような画面もあったので、もしかしたらプレイステーション2ならではの新操作や新システムもあるのかもしれない。非常に期待させてくれるムービーだった。
また、試遊エリアをぐるりと裏側に回るとイベントエリアが姿を見せる。ここでは現在も絶賛稼動中の「ファイナルファンタジーXI」(以下、FFXI)関連のイベントが常に行われていた。ステージを取り囲む来場者の数も相当なもので、改めて「FFXI」というタイトルの息の長さを思い知らされた。
TGS会場では「FFXI」の人気女性キャラと戦える「ヒロインズコンバット」や、TGS限定アサルト「雲霞の如し」を開催。「トークセッション in ヴァナ★フェス」では長蛇の列が重なりあう人気を見せつけた。
トークセッションでは田中弘道氏ら開発陣が登壇し、「アトルガンの秘宝」についてや開発秘話などを振り返るといったもの。初期ジョブの決まった理由やβテスト時の実装するものを決めていく課程を明かした。ここでは今後のバージョンアップについても触れ、各ジョブの修正案などが披露され会場を沸かせた。簡単ではあるがここに紹介しよう。
- 戦士:武器のエキスパートとして、武器の使い分け可能に。サポ忍、片手斧二刀流ばかりにならないようサポートジョブの選択肢を広げる。
- モンク:状況に応じて、さまざまな動きを可能に。
- 白魔道士:メインジョブに選択したときのアドバンテージを増やす。補助方向での強化。
- 黒魔道士:黒魔道士だけでパーティを組むといった状況にならないよう、他のジョブとパーティを組むことで、黒魔道士を引き立たせるよう修正。
- 赤魔道士:パーティプレイ時の動きが単純作業にならないよう、臨機応変な立ち回りを可能に。
- シーフ:パーティ全体の能力を底上げする能力の保持。
- ナイト:連戦時における盾役としての能力向上。
- 暗黒騎士:両手鎌を装備したときの強さ向上。
- 獣使い:パーティプレイ時の能力向上。
- 吟遊詩人:新曲を追加し、歌を使い分ける楽しさを推進。
- 狩人:距離による命中・威力補正を、飛命スキルで緩和可能に。
- 侍:「正々堂々」の強化。レベル25、35で覚えられる新アビリティを追加(攻撃特化モード、防御特化モードを選択可能に。「両手刀」が鍵?)。
- 忍者:強化ではなく、プレイの幅を広くする方向で検討中(他のジョブを、忍者と並ぶ位置に上げていくという。しばらく忍者は現状維持?)。
- 竜騎士:削り能力の向上。「スーパージャンプ」の使用間隔短縮。「エンパシー」でストンスキンを飛竜に渡せるようにする。「竜剣」に「ジャンプ」系技能の再使用時間短縮効果を追加。
- 召喚士:「契約の履行」を攻撃、回復の2系統に分割。召喚スキルの重要度を微細だが高める。
なお、「アトルガンの秘宝」で追加された3つのジョブに関しては、具体的な修正案は出されなかったがまだ実装していないこともあるので、クリスマス前にはなんとかしたいとのこと。次回のバージョンアップが楽しみだ。
百花繚乱、人気タイトル目白押しのスクウェアエニックスブースから、来場者が途絶えることはなかった。恒例の展示コーナーや、アンケートに答えた人にチョコボうちわが進呈されるサービスがあったりと、大満足の3日間であった。
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